基礎知識
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プリフロップについて基礎的な考え方を学ぶ

kar
執筆者
kar

筑波大学情報学群に所属。ラスベガスにてMIXゲームを中心としたポーカープレイヤーとしても活動。CLOVIZ株式会社では事業開発に従事。

今回はポーカーを勉強するうえで欠かせない、プリフロップについての基本的な考え方、レンジの把握の仕方についてまとめます。

プリフロップのレンジを知らなくてもポーカーをプレーすることはできますが、少し上のレベルでポーカーを楽しむ、勝てるようになるためにはレンジについて理解する、把握するということは重要なな要素となります。

オープンレンジの全体像を掴む

ルールについては把握した初心者が参加レンジを最初からすべて完璧に覚えようとした結果、その膨大さと細かさから挫折してしまったという経験をしたことがある方も少なくないでしょう。
6-maxのレンジについてひとつひとつ見ていくと、

・ポジションごとのオープンレンジ
・オープンレイズに対するBBのディフェンスレンジ
・3betなどのオープンレイズが入った後のレイズレンジ

など、その数は40を超えます。
さらにそのひとつひとつにレイズ、コール、フォールドのアクション分岐、そしてポジションごとに異なるレイズサイズ、ハンドによっては頻度で参加したりしなかったりと、複雑な要素は数多く存在します。

ひとまずこういったプリフロップを難解にする要素は一旦置いておき、もっとおおまかな基本的な法則からプリフロップを紐解いていきましょう。
小学校で習った九九のように丸暗記するのではなく、どういった理屈でプリフロップのレンジが決められているのかを知ることで、レンジの見え方が一気に変わってきます。

ポジションごとのレンジの広がり方

まずはオープンレイズレンジについてみていきます。オープンレイズとは、誰も自分より手前で参加していない状況でのレイズのことを指します。用語に関して不安があるという方は、まずはこちらの記事からご覧ください。

・・・用語関連の記事リンク・・・

ポーカーでは、後ろに控えているプレイヤーが少なければ少ないほどレンジが広くなるという原則が存在します。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、自分より後にアクションするプレイヤーが持っているハンドは、ハンドが配られた時点ではわかりません。
後ろにいる人数が多ければ多いほど、相手に強いハンドを持たれている危険性が上がるとも言えます。

後ろのポジションになればなるほどレンジは広がっていくので、まずは1番狭いUTGのレンジを確認してみます。
※今回はGTO Wizardの6maxのキャッシュゲームにおける一般的な設定のレンジを例として使用していきます。

UTG

橙色がレイズで参加するハンド、水色がフォールドするハンドです。

UTGのオープンレンジは非常に狭く、参加できるのは配られたハンド全体の17%程度しかありません。

まずは緑の枠で囲んだ箇所を覚えましょう。Qを外周とした、3x3の正方形ですね。この正方形の部分は必ず参加します。
隣の3x3もまとめて囲った赤枠の長方形についても覚えておきます。
最初に覚えておくのはこの正方形と長方形の2点だけです。

同様にHJ以降も確認していきます。

HJ

HJでは緑が4x4とひと周り大きくなります。
赤はそのまま、縦は緑の正方形と一緒に広がっていきます。


CO

緑は5x5
赤は1マス右に広がります。

BTN

緑は6x6
赤は右に2マスですね。

さて、レンジを順番に確認してきましたが、UTG~BTNにかけて徐々にレンジが広がっていることがわかります。
これは後に控えているプレイヤーの数が大きく関係しています。
UTGには後ろにハンドとアクションが不明なプレイヤーが5人、BTNは2人しかいません。強いハンドを相手に持たれている確率は当然UTGのほうが高くなるため、相対的にUTGのレンジは狭く、BTNのレンジは広いと解釈することができます。

緑と赤で囲った部分は、緑は1つずつ、赤は縦は緑に対応、横は0,1,2と規則的に広がっていくと覚えましょう。

残りのハンドについても余裕がある方は覚えてしまいましょう。
AXsとポケットハンドは、低頻度の場合はありますが、頻度どのポジションからも参加できることがわかります。


さて、このように眺めてみると、オープンレンジの大半を網羅することができました。他のポジションについても同様の手順で覚えることで、あとは残りの細々としたハンドを覚えてしまえばUTG~BTNのオープンレンジは完璧です。

まずはレンジの大部分を把握し、そして残りのレンジを覚えるようにすれば、全体をまとめて覚えるよりも効率よく覚えることができます。

SBからの参加

SBはBBとのヘッズアップが確定していることもあり、リンプインでの参加が大量に含まれるレンジも存在します。

今回は他のレンジとの比較でわかりやすくするためにオープンレイズ、フォールドの2つのアクションで考えた場合のレンジを確認することとします。

SB 3bb open

SBは後ろの人数がBTNよりもさらに少ないのですが、

・すでにブラインドを支払っている
・BBに対してポジションがない

という2点がBTNと異なります。

すでにブラインドを支払っているため、ポットオッズがよくなり、他のポジションよりも参加頻度が高くなります。
ポットオッズについて詳しく知りたいという方は、こちらの記事をご覧ください。

・・・(オッズの記事のリンク)・・・

BBに対してポジションがないことは参加頻度を下げる要素となります。

これらの要素が複合して、結果的にSBのはBTNとほとんど同じハンド群でレンジが構成されます。
レイズかフォールドでレンジを考えた際、SBとBTNのレンジは一緒になると覚えましょう。

BBからの参加

BBはすでにブラインドを支払っている、相手のレイズに対してコールにとどめることで、プリフロップのアクションを自身で終わらせることができるといった点から、コール頻度が他のポジションよりも圧倒的に高くなることが特徴です。
BB以外のポジションからは参加することがない74s,63sといったハンドがレンジ内に含まれるなど、レンジが広く覚えるのにも一苦労しそうですがひとつひとつ要素を確認していくことで、レンジ構成を確認していきましょう。

BB vs BTN open

参加できるハンドの内訳はレイズ、コールに分かれているので、まずはわかりやすく参加できるハンド群をまとめて覚えましょう。
BTNのオープンレイズレンジと参加できるハンドはほとんど同じで、85sや74sといったハンドが増え、一方でAと8のオフスーテッドの一部が減っています。

レイズとコールの区別をするためには、まずはBBの3betレンジの性質を確認する必要があります。


こちらはSBのBTNオープンレイズに対するレンジです。

SB 3bet vs BTN open

レイズ頻度自体にはそれほど差がありませんが、内訳が大きく異なることが見て取れます。
BBはK9s、Q9sといったハンドを3betに回さずK3s,Q3sといったハンドで3betしているのに対して、SBは強いハンドから順番にレイズしています。

一体どうしてこのような違いが生じるのでしょうか?

BBがこのような3betレンジを採っている要因は大きく分けて2つあり、1つは自分の後でアクションが残っているプレイヤーがいないこと、もうひとつはすでにブラインドを支払っていることです。

これらの理由から、BBは他のポジションと比較すると非常にコールレンジが広くなります。
つまり、本来ブラインドを支払っていなければコールできないような弱いハンドもコールできているということです。

捉え方を変えると、強いハンドをすべてレイズに回してしまうとコールしたときの自身のレンジが非常に弱くなってしまいます。そうなってしまわないように、本来であれば3betできるはずのハンドをコールに回してGTOではバランスをとっているというわけですね。

BBの3betレンジは、コールするのがもったいないAA,KKといった強力なハンドと、そこに合わせて若干弱いQ3,J6といったハンドで構成されています。
BBのレンジは一見複雑に見えますが、これを押さえておくことで一気にレンジの見え方、覚えやすさが変わってきます。

プリフロップのハンドの強さだけでポーカーの勝敗が決まるわけではありません。フロップ以降もゲームは続いていくので、それを見越した戦略を組む必要があるということですね。

レイズサイズについて把握する

さて、ここからはレイズサイズについて考えていきましょう。

オープンレイズサイズは2~3bbが基本となり、ポジションに依らずサイズを統一することもできますが、均衡ではポジションごとに適切なサイズを使用することで、より高いEVを出すことができるとされています。

このように、サイズをポジションごとに変化させる場合はアーリーポジションでは小さく、レイトポジションでは大きくする傾向がGTOでは見られます。これにもレンジの広がり方と同様に、後ろにいるプレイヤーの存在が関係してきます。

オープンレイズした際のEVはサイズが大きいときのほうが高くなるため一見大きいサイズのほうが優れているように思われますが、他のプレイヤーから3ベットされた際のEVを比較すると、レイズサイズが大きいときよりも小さいときのほうがEVの損失を抑えることができます。
EVについての話が少し難しいという方は、こちらの記事をご覧ください。

・・・EVについての記事リンク・・・

3ベットされた後で弱いハンドをフォールドしなければならないことを考えると、アーリーポジションからは小さいサイズのほうが優れているということですね。

自分が参加できるときのことだけを考えるのではなく、そのあとの対応やレンジ全体を広く見通しながらポーカーをすることは、上達するうえで欠かせない要素となってきます。

次の章ではレイズされたときの対応についてもみていきましょう。

相手からレイズされた時の対応を覚える

さて、ここまでオープンレンジについて確認してきましたが、オープンレイズで参加した後に相手からレイズされたときにはどういったことを意識すればいいのでしょうか?

以下に示すのはUTGでオープンした後、BTNが3bet、他のプレイヤーが全員降りた後のUTGのアクションです。

UTG vs BTN 3bet

紫がオールイン、橙が刻んで4bet、緑がコール、水色がフォールドです。

アクションが4つに分岐するためオープンレンジよりも複雑で覚えにくい印象を受けますが、やはりここでもおおまかなレンジを把握することから始めましょう。

ここで最も意識しておくべきポイントは、オープンレイズしたレンジの50%以上をフォールドしているという点です。

ポジション関係によって前後しますが、ほとんどの場合オープンレイズしたプレイヤーは、3betに対して50%~70%をフォールドします。

せっかくUTGでハンドを絞って参加したとしても、半分以上のハンドをフォールドしなければならないというのは理不尽に感じるかもしれませんが、相手も自分同様ハンドを絞って参加してきています。当然ながら、UTGのオープンレンジよりも一回り強いレンジで参加していることが以下のように見て取れます。

BTN vs UTG 2bb

3betされたときのレンジを覚える際は、まずはそのレンジの中で50%の強さに満たないものはフォールドすることを意識してみましょう。初心者の多くはプリフロップで参加しすぎてしまう傾向があり、ハンドレビューをする際もそもそもプリフロップの参加が間違っていることが多く見受けられます。

プリフロップのミスは議論されることも少なく自分ひとりでは気がつきにくいかもしれませんが、改善が容易なポイントでもあります。ポーカーで勝てなくて悩んでいるという方は、まずはプリフロップから見直してみると成績が改善するかもしれません。

暗記の一歩先へ

ここまでレンジのおおまかな覚え方についてポイントを押さえて確認しましたが、ハンドレンジはただ丸暗記してそれを実践で使えばよいというわけではありません。自分の中でハンドがどの程度強いのかではなく、相手のレンジと比較して、自分のハンドがどの程度強いのかを意識することが重要です。

具体的には、相手の3ベットレンジが均衡よりも狭いのであれば、よりフォールドを増やさなければなりませんし、相手のレイズが大きいサイズの時にしか強いハンドが含まれてないのであれば、より多くのハンドをフォールドする必要があります。

ポーカーで強くなるためにはレンジ表をすべて完璧に覚えなければならないのかというと、そういうわけではありません。
ポーカーで生計を立てているプロや専業といった人達の中にも、プリフロップのレンジを丸暗記、すべて正確に把握しているという人は聞いたことがありません。無理のない範囲でレンジの構成を読み解き、自分の中で整理することが上達への近道です。

原理原則を理解して、実戦に移せるようになるとまた違ったポーカーの楽しみ方が見えてくるかもしれません。


今回の記事では最低限抑えておきたい情報、原理原則を確認しました。
レンジ表を眺める際は、今回学んだことを意識しながら覚えてみてください。

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会社概要

名称    : CLOViZ株式会社

所在地   : 東京都世田谷区赤堤4丁目13番7号

設立    : 2024年5月7日

代表取締役 : 真崎 颯太郎

URL: https://cloviz.co.jp