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【初心者必見】ポーカーで強くなる学習ロードマップ〜基礎からキャッシュ・トナメルートについて〜基礎知識

【初心者必見】ポーカーで強くなる学習ロードマップ〜基礎からキャッシュ・トナメルートについて〜

ポーカーのルールは覚えたけど、何を勉強したらキャッシュゲーム・トーナメントが強くなれるのか分からない……そんな方に向けて、この記事では「何をどの順序で学べば効率的に強くなれるか」を明確にした学習ロードマップを紹介します。このロードマップに沿って学べば、キャッシュゲームとトーナメント、自分の好みに合わせて方向性を間違えずに上達できます!1. 基礎編 - まずはポーカーの基礎を身につけよう!キャッシュゲームとトーナメントはルールの異なるゲームですが両者に共通する重要なポイントがたくさんあります。まずはキャッシュゲームとトーナメントの両者に共通する基礎知識をしっかりと身に付けましょう。1.1 プリフロップを覚えようプリフロップはポーカーで毎ハンドプレイすることになるため、成績に非常に直結しやすいです。そのため、プリフロップは最優先で勉強すべきストリートといえます。以下にまず覚えるべき重要なポイントをまとめました。まだ誰も参加していないときはコールではなくレイズで参加する。より早くに順番が回ってくるポジションほどたくさんフォールドする。「参加しすぎ」はNGポーカーを覚えたての方は、プレイしたい気持ちが逸るあまり、弱いハンドでもたくさん参加して損をしてしまいがちです。まずは、ポジションごとにどのようなハンドで参加すべきなのか勉強しましょう。そして、参加すべきハンドについてある程度理解できたら、次は相手からレイズがきたときの対応について勉強してみるのがよいでしょう。1.2 フロップの戦い方を学習しようプリフロップでの戦い方が理解できたら次はフロップの戦い方について学習しましょう。プリフロップでは自分の2枚のハンドだけで参加するかどうかを決めればよかったのですが、フロップではボードにどのようなカードが開かれるかでプレイが大きく変わります。そのため、ボードの特徴を把握することが重要です。ボードの特徴を把握するため次のようなポイントに注目してみましょう。最も数字の大きなカード数字のつながり具合スートの種類ペアの有無ボードの特徴をもとに、「どのプレイヤーが強いハンドを持っている可能性が高いのか」といったことを考えながらプレイできると良いですね。1.3 ターン・リバーの戦い方を学習しようフロップの次はターン・リバーについて勉強しましょう。ターン・リバーはプリフロップ・フロップと比べてプレイする機会は少ないのですが、ポットが大きくなっている場合が多く、1つのミスが大きな損失に繋がりやすいといえます。ターン・リバーで陥りがちなミスには次のようなものが挙げられます。自分のハンドの強さを過信する相手のハンドについて一点読みしようとしてしまうポーカーでは相手の持ちうるハンドを想定し、自分のハンドがどのくらい強いのかを見積もりながらプレイすることがとても重要です。意識を少し変えるだけで、強さを過信してバリューベットを打ち、一方的に損をするといったことを避けられるようになります。1.4 ディフェンスについて学ぼう相手のベット・レイズに対し、フォールドせずコール・レイズをすることを「ディフェンス」といいます。相手からベット・レイズを受けたときには適切な頻度でディフェンスをしなければなりません。ディフェンスしすぎても、フォールドしすぎても損をしてしまうのです。相手のベット額・レイズ額の大きさによって、どれくらいの頻度で、どのようなハンドでディフェンスするべきなのかを勉強してみましょう。「POKER Q'z」を使うと、ここで紹介したポーカーの基礎についてクイズ形式で勉強することが出来ます。これらの基礎を理解してレベルアップを目指しましょう! 2. キャッシュ編ポーカーの基礎を学んだら次はキャッシュゲームルートとトーナメントルートに分かれます。まずはキャッシュゲームルートについて紹介します。キャッシュゲームでは常に自分のチップの量の期待値が最大になるようなプレイを目指すことになります。また、トーナメントに比べてスタックが深い状態でプレイすることが多いので、そのような場面を中心に学んでいきましょう。次のような順番で学習していくことをおすすめします。100BBのSRPまずはプレイする機会が多いSRP(=「プリフロップでのレイズが1回の場面」)について弱点のない戦略(=GTO)を学びましょう。 100BBの3bet, 4betポット次は3bet,4betポットです。SRPと比べてポットが大きくなるのでSRP以上にオールインを見据えたプレイをすることになります。相手に合わせたエクスプロイトエクスプロイトとは相手の戦略の弱点をつくプレイをすることです。相手のプレイスタイルに応じて、自分のプレイをどのように変化させるべきかを勉強しましょう。コールしすぎる相手にはブラフを減らす、フォールドしすぎる相手にはブラフを増やすなどがエクスプロイトの典型例です。150BB以上のディープスタックスタックが深くなると1つのハンドで大量のチップを得られる可能性が出てくるため、ハンドの価値が変わります。どのようにプレイを変化させるべきかを勉強してみましょう。 おすすめ記事↓https://japan.gtowizard.com/blog/principles-of-gto/https://japan.gtowizard.com/blog/exploitative-dynamics/3. トーナメント編トーナメントは順位によって賞金が決まるというルールのため、トーナメント特有の知識を身につける必要がなります。次のような順番で学習していくのがよいでしょう。トーナメントの基礎トーナメントをプレイする上で知っておいたほうがよい次のような概念について勉強しましょう。ICMトーナメントでは自分の持っているチップの量と得られる賞金の期待値は必ずしも比例しません。チップの量から賞金の期待値を求めるモデルの1つとして「ICM(Independent Chip Model)」というものがあります。トーナメントの終盤はこのICMを考慮してアクションを選択していく必要があるのです。BF「BF」とは「バブルファクター」の略で、チップを減らすことのデメリットとチップを増やすことのメリットの差を表す指標のことを指します。この値が大きいほどチップを失うことのデメリットが大きいことを表します。RP「RP」とは「リスクプレミアム」の略で、チップの量だけを考えたときの必要勝率に加えて何%の勝率が余分に必要になるかを表す指標のことを指します。これらの指標をプレイ中に実際に算出することは困難ですが、大まかに見積もりながらプレイすることで、賞金期待値の高くなる選択をすることができるようになります。30BB以下のchipEVでの戦い方「chipEV」とはアクションの結果として得られるチップ量の期待値のことを指します。トーナメントではチップの量と賞金期待値は必ずしも比例しませんが、入賞まで遠い状況ではchipEVによってアクションを決定することが賞金の期待値を上げることに繋がります。まずはチップの量を最大化するプレイを目指して練習しましょう。BFによるレンジの変化BFが大きな場面ではハンドレンジが変化します。自分と相手のスタックに応じて適切なハンドレンジがどのように変化するのかを勉強しましょう。30BB以下の$EVでの戦い方「\$EV」とはアクションの結果、得られる賞金の期待値がどれほど変化するかを指します。トーナメントの終盤では「chipEV」がプラスなのに「\$EV」はマイナスになるという場面も多く見られます。どのようなプレイをすれば賞金の期待値を最大化出来るのか勉強しましょう。おすすめ記事↓https://note.com/gaku_btn/n/n42d355a709efまとめこの記事ではポーカーを強くなるためには何から勉強したらよいのか解説しました。ポーカーは相手のハンドや次に開かれるカードがわからない不完全情報ゲームのため、自分のプレイが正しかったのかを判断するのが簡単ではありません。最適なアクションを判断するには基本的な知識と論理的な思考力が必要となってきます。この記事の内容を参考に効率的にスキルを磨いていってくださいね。

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【あなたはジャイアンベットしてない?】今すぐ直しておきたいポーカーの悪習慣について②基礎知識

【あなたはジャイアンベットしてない?】今すぐ直しておきたいポーカーの悪習慣について②

悔しかった経験ありませんか? 「プリフロップはレンジ表に従ってできるけど、ボードが開いてからはどうすればいいかわからない...」という方も多いのではないでしょうか。私も初心者の頃は特にそうでした。しかもポストフロップはポット額が膨らんでいくので、ひとつのミスが命取りにもなります。相手の大きなベットに、悩みに悩んでコールしたが、自分のハンドは余裕で負けていて「冷静に考えたら何であの時コールしちゃったんだろう...」と悔恨の念に駆られたこともあるのではないでしょうか。ポストフロップについても事前にしっかり勉強をして、そのような致命傷のミスを少しでも減らしていけるようにしましょう! 前回の記事では、プリフロップにおける脱初心者に向けて今すぐ直すべき悪習慣を2つ取り上げました。本記事では、この続編として、ポストフロップにおける初心者がまず直すべき悪習慣を2つ、「とりあえずコール」と「ジャイアンベット」について紹介します。(※今回の記事は全くポーカー用語ではなく、本記事のみで使用している用語です。)これさえ直せば、あなたも脱初心者に向けた第一歩を進められますよ!https://pokerqz.com/blog/poker-beginner-bad-habits-0011. 悪習慣 ① とりあえずコール あなたはBBで[As] [5h]というハンドを持っています。BTNの人の250点のレイズにコールで参加したため、ポットにはフォールドしたSBの分も含め、550点入っています。あなたはまずチェックをしましたが、BTNから275点(ポットの半分)のベットをされました。 「自分はAという一番強いカードを持っていて、Aさえ落ちれば勝てるから、とりあえずコールだ!」としている人、いませんか? その "とりあえずコール"、やめましょう 「Aを持っているからとりあえずコール」のようなコールは、無駄にチップを減らすだけです。すぐにやめましょう。 そもそも、Aがボードに落ちる確率はどれくらいあるのでしょうか。結論から言いますと、約12%程度しかありません。つまり、8回に1回程度しかAは引けません。しかも、仮にAを引けても、相手の[Ac] [Tc]のようなキッカーの強いAや [Ks] [3s] などのツーペア以上のハンドには負けます。実はAを引けたとしてもそれは”最強ハンド”ではないのです。 ここで、上述のAが落ちる確率についてですが、もの凄く簡単な概算方法があるのでそれを紹介します。難しい計算は一切なく、数学が苦手な方でもすぐに使うことができる方法ですので、ぜひ覚えていってください。勝率計算に役立つ2%ー4%の法則 フロップ、ターンそれぞれにおいて、リバーまでに引きたいカードがボードに落ちる確率は次のように概算できます。 フロップ:(カードの残り枚数)× 4 (%) ターン:(カードの残り枚数)× 2 (%) すごく簡単な法則ですよね。これは、トランプの枚数が52枚であるためこのような計算方法になります。では実際に、上の図の場面でAが引ける可能性を考えてみましょう。自分で[As]を持っているため、残りのAは[Ah] [Ad] [Ac] の3枚です。フロップでの確率を考えているので、 3×4=12 (%) よってAはおよそ12%しか引けない、つまり8回に1回程度しか引けないということが分かります。 初心者の方は、多くの場合で「とりあえずコール」をしすぎる傾向にあると思います。コールをする前に、一回踏みとどまってみましょう。また、上で紹介して2%ー4%の法則はとても便利なので、ぜひ覚えて色んな場面で使ってみてください!2. 悪習慣 ② ジャイアンベット最強ジャイアンと弱小のび太 ー強いからベット、弱いからチェック あなたの目の前のポーカーテーブルには、ジャイアンとのび太が座っています。ジャイアンは必ず最も強いハンドを持っていて、のび太は必ずノーペア(ハイカード)という凄く弱いハンドを持っています。あなただったらこの二人とどう戦いますか? ①ジャイアンからベットされたときは、自分は必ず負けているため、全ハンドでフォールド ②のび太がずっとチェックしていても、のび太はすごく弱い役のため、たとえ自分のハンドが弱くても、ブラフベットをして降ろしてしまう となるのではないでしょうか。ジャイアン、のび太がそれぞれどんなハンドを持っているかを予め分かっていると、もの凄く簡単に対処できてしまいます。そうなると、ジャイアンはいつまで経ってもコールをもらえないし、のび太はいつまで経っても降ろされてしまうため、チップは増えません。 ここで問います。 あなたのアクションも、「ジャイアンとのび太」になっていませんか? 先ほどと似た状況を考えます。あなたはBBで[3s] [3h]というハンドを持っています。BTNの人の250点のレイズにコールで参加したため、ポットにはフォールドしたSBの分も含め、550点入っています。そして僥倖、フロップで[3c]が落ち、スリーカードが完成しました。そこであなたは「めっちゃ強い役が完成したから、大きくベットしちゃおう」と550点(ポットと同額)のベットをしました。しかし、結論から言います。 その"ジャイアンベット"、やめましょう そのベット、ジャイアンベットになっていませんか。「強い役が完成したからたくさんベットする」ということは、「たくさんベットしているときは強いハンドを持っていて、そうでないときは弱いハンドを持っている」ということです。これでは、完全にジャイアンとのび太になってしまっていますね。せっかくのスリーカードという強い役が完成したのに、相手にすぐにフォールドされてチップを全然取れずに終わってしまいます。 このようなジャイアンベットに陥らないために以下の点に気を付けましょう!・強いハンドでチェックすることも検討する・自分のハンドが極端に弱い時(ノーペアなど)にブラフすることを検討するドンクベット 上のような状況のベット、つまりコールした側がベット/レイズしてきた相手より先に打つベットを、「ドンクベット」といいます。初心者のうちにこのようなベットをしていまうと、損になることが多いので、基本的にはドンクベットは控えましょう。 「コールしたらチェック」と覚えておきましょう。 なぜ損になるのか気になりたい方、もう一歩ステップアップしたい方は、以下の記事でドンクベットについて詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。https://pokerqz.com/blog/donk

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【頻出用語】トゥワイスについてポーカー始めたての初心者にも分かりやすく解説用語解説

【頻出用語】トゥワイスについてポーカー始めたての初心者にも分かりやすく解説

ポーカーをプレイしていて、オールインが入ったときに、「トゥワイス」という言葉を聞いたことがありますでしょうか? リングゲームにおいて使われることが多い言葉なので、トーナメントをメインにプレイされている方だと聞いたことがないかも知れませんね。この記事ではポーカーにおける「トゥワイス」について初心者の方にも分かりやすく解説します。1. 「トゥワイス」とは?「トゥワイス」とは「run it twice」の略で、リバー以前に全員がオールインしたときにボードを2回開き、それぞれの結果に応じてポットを分割するというオプションのことを指します。運による振れ幅(=「分散」)を小さくする目的で行われます。主にリングゲームで採用されており、オールインしている全プレイヤーが同意すればボードが2回開かれるというルールが一般的です。「2人でポットを争っているとき(=「ヘッズアップ」)限定」、「3回以上ボードを開くことも可能」など、カジノやポーカールームによって様々なルールがあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。2. 「トゥワイス」の例実際にどのようにトゥワイスが行われるのか見てみましょう。以下の状況を例に考えます。2人でポットを争っている。フロップで1人がオールインし、もう1人がコールここで両者がトゥワイスに同意すると、ターン・リバーが2回ずつ開かれ、それぞれの結果によって、ポットが分割されます。この画像の例では、1回目は右のプレイヤーが、2回目は左のプレイヤーが勝利したため、引き分け(=「チョップ」)となり、2人はそれぞれポットの半分を獲得します。3. 「トゥワイス」って損なの?得なの?トゥワイスをすることで、得られるチップの期待値が変化することはあるのでしょうか?ここではターンでオールインが入った場合を例に考えてみることにしましょう。このとき、現状では右のプレイヤーが勝っており、左のプレイヤーが勝つにはリバーで[Ah][Ad][Ac][Js][Jc]の5枚のうちいずれかを引く必要があります。トゥワイスをする場合としない場合とで、左のプレイヤーの得られるチップの量の期待値を計算してみましょう。トゥワイスをしない場合このボードでは引き分けになることがないので、残りの44枚のうちアウツ(=引けば勝ちになるカード)の5枚が出れば勝ち、それ以外の39枚が出たら負けとなります。そのため、期待値はポット額の5/44になります。 トゥワイスをする場合左のプレイヤーが両方勝つ場合、片方だけ勝つ場合の確率をそれぞれ求めてみましょう。両方勝つ場合 両方勝つのは、残りの44枚から2枚引いて、2枚ともがアウツである場合であり、その確率は、(5×4)/(44×43) = 5/473となります。片方だけ勝つ場合片方だけ勝つのは、残りの44枚から2枚引いて、一方がアウツ、他方がアウツでない場合であり、その確率は、(5×39×2)/(44×43) = 195/946となります。片方だけ勝ったときにはポットの半分だけ得られるということを考えて期待値を計算すると、1×(5/473) + (1/2)×(195/946) = 5/44となり、期待値はトゥワイスをしない場合と同じ、ポット額の5/44であることがわかります。ここではターンでオールインが入った場合を例に挙げましたが、プリフロップ・フロップでオールインが入った場合もトゥワイスによって期待値は変わらないということが知られています。トゥワイスによって勝率が変わることはないのですが、注意しなければならないのが「レーキ」の存在です。トゥワイスをした場合、カジノの取り分であるレーキが増える場合があります。分散が小さくなることは魅力的ですが、レーキによってトゥワイスをすることが損になることもあるのです。事前にルールを確認しておきましょう。ポイントトゥワイスをしても勝率は変わらないトゥワイスによってレーキが増え、損をすることもある。「レーキ」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。https://pokerqz.com/blog/rakeまとめこの記事では「トゥワイス」について解説しました。トゥワイスをすることで、振れ幅が小さくなり安定したプレイをすることができますが、あえてトゥワイスを拒否して振れ幅の大きな勝負を楽しんでも構いません。自分の好みに合わせて選択しましょう。この記事の内容が参考になれば幸いです。

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【初心者必見】トーナメントとリング・キャッシュゲームって何?ポーカールールの違いを分かりやすく解説!基礎知識

【初心者必見】トーナメントとリング・キャッシュゲームって何?ポーカールールの違いを分かりやすく解説!

みなさんはトーナメントとリングゲーム、どちらがお好きでしょうか?たくさんのオールインが飛び交うトーナメントと深いスタックでじっくりプレイするリングゲーム、それぞれに違った魅力がありますね。この記事ではそれぞれのルールや戦略の違いについて分かりやすく説明します。トナメとリング、それぞれの魅力を感じていただければ幸いです。1. トーナメント・リングゲームとは?トーナメントトーナメントは手持ちのチップを全て失ったプレイヤーから敗退していくバトルロワイヤルのようなルールのゲームです。直前まで大量のチップを持っていたとしても、オールインによりチップを全て失ってしまったら、その時点で敗退です。ゲームが進むにつれブラインドの額が上昇するため、浅いスタックでプレイすることが多いのもトーナメントの特徴です。さらに、ほとんどのトーナメントではブラインドとは別の強制参加費「アンティ」が設定されており、より多くのハンドで参加することが推奨されます。 リングゲーム / キャッシュゲーム純粋に手持ちのチップを増やすことを目的とするポーカーです。トーナメントと違ってプレイ中にブラインドが上がっていくということがないので、深いスタックでじっくりとプレイすることができます。また、カジノ側の取り分である「レーキ」がポットから徴収される場合もあります。リングゲームとキャッシュゲームは本来同じ意味ですが、日本では特に金銭を賭けないものを指して「リングゲーム」と呼ぶことが多いです。「アンティ」「レーキ」についてはこちらの記事をご覧ください!https://pokerqz.com/blog/antehttps://pokerqz.com/blog/rake2. 違いその① ― スタックの大きさトーナメントとリングゲームにおいてスタックの大きさ(手持ちのチップが何bbあるか)は最も重要な違いといっても過言ではありません。トーナメントではブラインドがどんどんと上昇していくため、序盤以外はスタックが浅い状態でプレイすることが多くなります。スタックが浅いとどのようなことが起こるか見ていきましょう。2.1. オールインが強力スタックが浅くなるとポットに対して自分のスタックが相対的に小さくなります。そのため、スタックが深いときと違ってオールインをたくさんする必要があります。敗退を過度に恐れてオールインをためらっていると利益を取り逃がしてしまいます。積極的にオールインするようにしましょう。スタックが20bbを下回ってくると、プリフロップでいきなりオールインすることも視野にいれながらプレイしましょう。2.2 ハンドの価値が変わるスタックが浅いと強い役を完成させたとしても得られるチップがそれほど多くはないため、[9h][8h]のような低確率でできる強い役に期待するハンド(=「投機的なハンド」)の価値が下がります。プリフロップでオールインになることも多いので、[5s][5d]のようなローポケット、[Ah][4c]のようなAを含むハンドといったポストフロップでは戦いづらいけれどプリフロップでの勝率が比較的高いハンドの価値は急上昇します。3. 違いその② ― チップの価値リングゲームでは自分のスタックの大きさはそのままスタックの価値を表しています。つまり、1000点のスタックは500点のスタックのちょうど2倍の価値があるのです。しかし、トーナメントでは必ずしもそうではありません。スタックが2倍になったからといって、得られる賞金・賞品の期待値が2倍になるとは限らないのです。例を挙げましょう。あなたは上位5人に大きなトーナメントの出場権が与えられるトーナメント(=「サテライトトーナメント」)に参加していて、残りは10人です。各プレイヤーのスタックは、チップリーダー 10,000点あなた 5,000点残りの8人 1,000点です。このトーナメントでは1位と5位は価値が全く同じです。5位にさえなればいいのです。つまり、「上位5人に入れる確率」がスタックの価値を表しています。チップリーダーはあなたの2倍のチップを持っていますが、「上位5人に入れる確率」はあなたの2倍もあるのでしょうか?そんなことありませんね。チップリーダーもあなたも90%以上の確率で上位5人に入れそうです。このように、トーナメントでは賞金・賞品を多く得ることを目指してプレイしなければならないのです。この例ではチップリーダーからオールインされた場合、仮に[As][Ad]でもフォールドしたほうがよいでしょう。入賞が近づいてきたら、チップを増やすことを目指すのではなく得られる賞金・賞品を最大にすることを目指してプレイしてみましょう。 まとめこの記事ではトーナメントとリングゲーム/キャッシュゲームの目的と戦略の違いについて解説しました。まとめると、スタックが浅くなるトーナメントではオールインが重要トーナメントでは単にチップを増やすことではなく、より多くの賞金・賞品を得ることを目指すということでした。トーナメントでは敗退を恐れるあまり、たくさんフォールドしすぎてしまい、ブラインドとアンティてスタックを減らし続けてしまう初心者の方がたくさんいます。勇気をもってオールインをしてみましょう。また、トーナメントとリングゲーム、片方しかプレイしたことがないという方はこの記事の内容を参考にもう片方のゲームにも挑戦してみてください。新しい楽しみが見つかるかもしれません。

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 【頻出用語】レーキについてポーカー始めたての初心者にも分かりやすく解説用語解説

【頻出用語】レーキについてポーカー始めたての初心者にも分かりやすく解説

ポーカーをプレイしていて「レーキ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?トーナメントや身内でのリングゲームしかプレイしたことがないという方にとっては聞き馴染みのない言葉かもしれませんね。「レーキ」とは一言でいうと、「カジノやポーカールームの取り分」のことです。この記事ではポーカーにおける「レーキ」について、言葉の意味から「レーキ」に関する戦略上の考え方について、初心者の方にも分かりやすく解説します。1. 「レーキ」とは?「レーキ(rake)」とは英語で「熊手」を意味する言葉で、カジノではチップを集めるための道具を指して使われていました。そこから転じて、ポーカーにおけるカジノの取り分を指すようになりました。他のカジノゲームではゲームの性質上カジノは自然に利益を得られるのですが、ポーカーはプレイヤー同士で戦うゲームなので、そのままではカジノは利益を得られません。そのため、ポットの一部を回収するなどの方法で取り分を確保するのです。2. 「レーキ」の種類「レーキ」には色々な徴収の仕方があります。ここでは代表的なものを紹介します。ポットレーキ最も代表的な徴収方法です。ハンドが終了するたびにポットの一部がレーキとして徴収されます。ポットから回収される割合とその上限額が決められており、「◯%◯bbキャップ」などといいます。オンラインのポーカーではこの方法が使われることが特に多いです。タイムレーキ名前の通り、一定時間ごとに徴収される方式です。主に高レートの卓で採用されることが多い方式です。デッド・ドロップハンドが配られる前にBTNのプレイヤーから徴収する方式です。3. レーキによる戦略の変化ここまで、レーキの徴収方法についていくつか紹介しましたが、タイムレーキなどゲームに直接関係しない方法で徴収されるレーキに関してはプレイ中に考慮する必要はありません。戦略に影響を与えるのはゲーム中の賭け金から一部が徴収される「ポットレーキ」です。ここでは、ポットレーキが設定されている場合の戦略について解説します。まず重要なのは「ポットレーキ」があるとポットから一部が取られてしまうため、各ハンドをプレイすることで得られる期待値は小さくなるということです。そのため、レーキがない場合と同じようにプレイしてしまうと、大きく損をしてしまいます。レーキがある場合には参加するハンドを減らし、タイトにプレイすることをおすすめします。また、ポットレーキはポストフロップに進むことで発生するルールがほとんどです。そのため、プリフロップでハンドを終わらせるとレーキを支払わなくて済みます。そのため、逆にプリフロップで「コール」を選択することは損になりやすいです。BB以外のプレイヤーは基本的に「レイズ」か「フォールド」のいずれかを選択しましょう。ブラインドと別にポットに集められる強制参加費「アンティ」がある場合とは対照的ですね。アンティについてはこちらの記事をご覧ください。https://pokerqz.com/blog/anteまとめいかかでしたか?この記事ではポーカーにおけるカジノの取り分「レーキ」について解説しました。レーキの額によって得られる期待値は大きく変わるので、プレイする前に必ず確認するようにしましょう。また、レーキが設定されている場合にはプレイヤーのチップの増減の総和がゼロではなくマイナスになります。そのため、平均的な実力では、レーキによって損をしてしまうという点に注意しましょう。長期的に利益を得るためにはテーブル内で上位の実力者になる必要があるのです。「ポーカーで勝ちたい」という方は是非ともポーカー学習アプリ「POKER Q'z」を使って勉強してみてくださいね。

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「POKER Q'z」大幅アップデートで搭載された新機能とは!?コラム

「POKER Q'z」大幅アップデートで搭載された新機能とは!?

2025年7月8日、サクッと学べるポーカーアプリ「POKER Q'z」が大幅にアップデートされました!本記事では、今回の大幅アップデートで導入された様々な魅力的な機能をご紹介していきます。新機能も含めて、最大限に「POKER Q'z」を使いこなしていきましょう!①基礎から学べるレッスンモード新設レッスンモードでは、ルールや基礎的な考え方から上級な戦術まで様々なことを学ぶことができます。上級までのロードマップに沿って、レッスンと練習問題を交互に解くことで理論を身につけることができます。②10万問超えの実践問題10万問以上の実践的な問題も用意しているため、超効率的にハンドのアクション選択と振り返り行うことができます。回答を誤った時も解説がされるので、しっかりと理解を深めることができます。③個別におすすめ問題を提案レッスンや実践問題で間違いやすいシチュエーションや問題は記録され、個別に最適な問題や類題がおすすめされます。これにより、自分の弱点に合わせた学習を進めることができます。④あなたのポーカータイプ/スキル判別あなたのプレイヤータイプや、どれくらいバランスの取れたアクションをしているのかが分析されます。アクションに関する全体の傾向も分析され、戦略に関する提案もされます。(こちらは7/15にアップデート)それでは、実際のプレイ画面とともに現在の「Poker Q'z」を見ていきましょう!各ユーザーレベルに合わせた学習カリキュラム初心者から上級者まで、自分のレベルに合った内容で効率よくステップアップ!自分にぴったりのカリキュラムで、無理なく実力を伸ばせます。初心者の方でも楽しく学べるように、レッスン→練習問題(クイズ)に挑戦→関連実践問題に挑戦→章ごとに総合問題に挑戦→次のレッスンという形になっております。インプットとアウトプットを交互に行うことで、効率的にポーカーの知識とスキルを身につけましょう!レッスンでは、先生役のアリアと生徒役のQちゃんの会話により様々なポーカーの概念や戦略を分かりやすく説明されています。Qちゃんと一緒に一歩一歩着実に学習を進めていくことができます。「役を覚えよう」などの超基礎から学べるレッスンですが、最後にはクイズに挑戦できます。「ルールはわかっているが、学習はしたことがない」という方も、基本戦術からインプットとアウトプットを繰り返しながら学ぶことができます。独自のカリキュラムとクイズを用意し、段階的にポーカーが強くなっていく考え方を身につけていきます。アクションを答えるだけではなく、どういう意図でアクションをしていくべきかという概念も理解していくことができます。100万以上のシチュエーションから、10万問以上の学習に役立つ問題を抽出し、実践で役立つクイズを用意しています。実践であれば、振り返りたいと思うアクションは1時間に1回あれば良い方ですが、「POKER Q’z」であれば超効率的に学習に役立つシチュエーションを学び、振り返ることができます!すべての問題が分かりやすい解説文付き全問題に丁寧な解説付き!ただ正解を知るだけでなく、「なぜそのプレイが正しいのか」までしっかり理解できます。現在の状況やハンドのエクイティ、それぞれのアクションをとる考え方まで、必要な情報が揃っております!アプリ内のAIにポーカーの質問が出来るプレイ中の疑問をすぐに解決!AIに質問するだけで、その場で戦略や判断の理由をわかりやすく教えてくれます!友達に聞くかのように気軽にAIにご質問ください!問題の解説中にも簡単にAIに聞いて疑問を解決できます!分からない部分があったらAIに聞いて着実に理解を深めましょう!あなたのプレイスタイルを分析魚タイプ(ルースパッシブ)・虎タイプ(ルースアグレッシブ)・亀タイプ(タイトパッシブ)・鷹タイプ(タイトアグレッシブ)のタイプに分けられ、プレイヤータイプが分析されます。実践クイズを解くことで簡単にあなたのプレイスタイルが分かります!あなたのアクションの正解率と、GTOに基づくアクションバランスの観点から、バランススコアが表示されます。こちらはPOKER Q’zが独自に作成した指標となっており、自分の実力を簡単に見ることができます!あなたのプレイスタイルに応じて、プレイ全体に関わる改善提案や、具体的な戦略の提案を行います。自分がどのように学習を進めていくべきかの参考にしてください!簡易レンジ表でプリフロップを攻略手元にいつでも使えるレンジ表!迷いやすいプリフロップの判断も、最適なプレイがすぐにわかります。こちらはPOKER Q'zで考えた独自のレンジ表であり、ポーカー有識者からの監修をもとに作成しています。この表ひとつでオープンだけでなく、3betやvs3betまで対応できます!自分に合った問題皆さまのレベルや進捗にあった問題を出題いたします。「何を勉強したらいいか分からない」という方も、気軽に問題を解いて勉強ができます!一方、自分がやりたい問題を解きたいという方も、自分好みの設定にカスタマイズして、厳選された問題に挑戦できます。「基本問題から練習したい」「苦手なポジションやストリートを練習したい」という方はそこだけ重点的にも練習できます。繰り返し問題を解いて解説を見ることで効率的に学習を進めましょう!プレイ履歴から間違えた問題を振り返ることができます。復習を重ねながら学習をしていくことができます!ポーカーにまつわる様々な記事ポーカーにまつわる用語や知識など様々な記事を読むことができます。より詳しい解説や面白い話などもたくさん含まれますのでぜひお読みください!トッププレイヤーへのインタビュー記事や、ポーカーの理論を分かりやすく解説した記事など、幅広い記事を読むことができます!様々な便利ツールやミニゲーム「Poker Q'z」には様々な便利ツールやミニゲームが搭載されています。自分が調べたい状況での「エクイティ」「オッズ」「MDF」などを計算できます。気になったタイミングですぐに調べることができます!ポーカーにまつわる単語の用語集になっています。重要度別にもなっていて、学習レベルに応じて様々な単語を知ることができます。気になった単語などがあれば気軽に調べて知識を付けていくことができます!ビデオポーカーやブラックジャックで遊ぶこともできます。気分転換などにぜひこちらもお使いください!まとめ今回2025年7月8日の大幅アップデートで様々な新機能が追加されました。「POKER Q’z」は皆さまひとりひとりの弱点や疑問点に寄り添い、効率的な学習をサポートするアプリとなっております。ぜひ「POKER Q’z」を使ってポーカー強くなりましょう!

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"好き"を仕事に選んだ女性プレイヤーの軌跡:勉強法とポーカーへの思いコラム

"好き"を仕事に選んだ女性プレイヤーの軌跡:勉強法とポーカーへの思い

こんにちは!CLOViZ株式会社の広報担当です!今回は、海外のトーナメントでも活躍し、ポーカーにまつわるインフルエンス活動にも力を入れている女性ポーカープレイヤーあおさんにお越しいただきました!ポーカーを仕事に選んだ経緯や座学の方法、冷静沈着な思考の裏にある天衣無縫のポーカー愛などについて、たくさんお話しいただきました!1. ”好き”を仕事に選んだ女性プレイヤー――まずは自己紹介をお願いします!あおさん:あおと申します。現在24歳でお仕事は web系のフリーランスをしております。ポーカー歴は約3年半で、たまたま友達と一緒に出会って始めましたが、今は 国内外のトーナメント にたくさん参加しています。主な実績で言うと、去年のWSOPの時のシーザーズパレスのデイリートーナメントで優勝したのとか、APTマニラ準優勝とかですかね。――ポーカーを始めたきっかけを詳しくお聞かせください!あおさん:きっかけは、本当に友達にたまたま アミューズメントポーカーに連れて行ってもらったことです。元々 ボードゲームとか人狼 とかそういうものが好きなタイプだったので、まぁ ポーカーも面白いんじゃないかな?と思い行きました。リングゲームの時はそんなにはまらなかったんですけど、 2回目くらいに行った時に トーナメントにポンと出てみたら、すっごい勝ったんですね。30人ぐらいのトーナメントなのに準優勝ぐらいまでして、なんか自分はポーカーがうまいなと勝手に勘違いして楽しくなって完全にはまりました。――続いてですが、現在インフルエンス活動をしていると思いますけど、知名度があがったきっかけは何でしたか?あおさん:ABEMAのQueen Of Pokerがきっかけだったと思います。――なるほど、私も見てました笑。その頃の心境はどうでしたか?あおさん:もともとしていたwebの仕事の方と関わっているんですけど、私 19歳くらいからwebのフリーランスの仕事をしていて、法人になってもう4年目とかなんですね。一時期は結構な規模でやってたんですけど、そっちにちょっと虚無感を覚え始めたと言いますか、完全に一人で目標もない状態でスタートしてしまったので、事業的には多分うまくいってたんですけど、なんかこの先に何があるんだろう?みたいな気分になってきてしまってたんですね。その時は、ポーカーは完全に趣味でやっていたのですが、仕事への考え方を変えようと思いまして、”好き”を仕事にしたいと思ったんですね。そうなった時にポーカーをお仕事にしたいと思いました。ポーカーを仕事にするために何ができるか考えたときに、プロとしてキャッシュゲームをするとかも選択肢としてあったんですけど、トーナメントが好きなのと、ポーカーをもっと広めるような活動をしたいと思い、じゃあ「表に出た方がいい」となって、インフルエンス活動を自分の中でも強化しました。その時にちょうどQueen Of Pokerのオファーをいただいて、出させてもらえて、そこからポーカーの実力とかを評価してくださって、メディアにも呼んでもらえることが増えてきたと思います。――有名になったことで周囲の反応はどう変わりましたかあおさん:めっちゃブラフが通らなくなりました笑。前は見た目もあって結構通っていて、それも利用できていたんですけどね。――それもしっかり実力が評価されているということですよねあおさん:そうですね。だから嬉しいことですね。2. 3年間で有名プレイヤーのコーチングを30回以上受講――ポーカーを始めた最初の頃のプレイ中の思考はどのような感じでしたか?あおさん:最初は適性があると思ってポーカーを始めたのに、3回目とかのトーナメントとかではめっちゃ負けるわけですよ。それはそうなんですけど、まあ自分的にはショックなわけですね、上手いと思っていたのでね。そこで、きっと何かがいけないんだろうと思って、ポーカーの動画とかを見始めました。ただ、最初はとにかくアグレッションが高くて、もうなんか「おろした方が得やん」ってずっと思ってたんですね。あとはいろんなことをちょっとでも実践しないと気が済まなくて、全部5betオールインしたら降りるんじゃないか、とかやってました笑。――あおさんからそれされたらQQまで降りたいですね笑。あおさん:そうですよね!QQまで降ろせたらめっちゃお得じゃないですか笑。――確かに自分の印象も活かせていますよね。あおさん:そうなんですよね。ただ、それを1日に2回も3回もやるので、当然捕まるわけですよ。それで、「なんで捕まるんだろう?」とか、「もっといいハンドセレクションがあるんじゃないか」とか思うんですね。そういうのを、自分の中で試してトーナメントに出てみるみたいなことをずっとやっていました。でも、やっぱりそれでも下手すぎたので、コーチングをお願いするようになったんです。コーチングは、私の知ってるプレイヤーの8割くらいはだいたい1回は受けたことあります。――そうなんですか?3年間の間に。あおさん:はい、いっぱい受けましたね。Souzirouさんもみさわさんも、euroさんとかも。やっぱりコーチングのいいところって自分が疑問に思っているところを聞けることだと思うんですよね。――コーチングにも色々な形態があると思うのですが、どのようなものが特に良かったですか?あおさん:そうですね、みさわさんのコーチングが特に好きで、30回は受けたと思うんですけど。――30回も!すごいですね!あおさん:めちゃくちゃ受けてます、3年間で笑。進め方としては、一番最初のハンドから聞くことが多い気がします。みさわさんのコーチングのいいところって、ワンストリートのハンドに対して抜けている概念とかを教えてくれるんですね。当然プレイする時って、自分的には「これが正解だ」と思ってプレイしてるわけなので、理由があるわけじゃないですか。その理由を「こう思ったのでこうしました」という風に話すと、「それは間違っている」と言ってくださるんですね。それではどこが間違っているのか、例えばエクイティの見積もり相手のレンジこの後のストリートポットの計算アウツの計算インプライドオッズなど色々あると思うんですけど、例えばインプライドオッズが間違っているとしたら、「じゃあインプライドオッズって何だろう?」といって講義に入っていくことが多いですね。これが一番好きなタイプのコーチング かもしれないです。でもどのタイプも受けたことありますね、講義形式も実戦形式も。――では、はじめの頃から負けるのは運によるものというよりあくまで自分の実力不足だと考えていたのですか?あおさん:そうですね。私の中で結構信念があって、運の要素って議論しても仕方ないじゃないですか。その時ベストなプレーをしたかどうかが大事なわけなので。初心者なので1回1回の結果をですごい重く見てしまうんですけど、コールしたら負けてたとかみたいな。でもその1ハンドに対してはミスなんですよ、完全な。思ってもいないハンドが出てきたりとか普通に降りれなかったりとか、ブラフが捕まったりとか。そういうのは普通に自分のミスだと思ってましたね。――確かにそういう考えをもともとお持ちの方は、「座学した方がいい」とすぐ思えそうですね。3. じゃんけんで「ピン」を出し続けていた:GTOの勉強について――ポーカーの勉強は大きく分けて均衡理解とエクスプロイトに分けられると思うんですけど、どういうバランスで勉強をしてきましたか?あおさん:それで言うと圧倒的に均衡理解の方をしていますね。エクスプロイトそんなに得意じゃないし。うまくもないと思っています。――そうなんですね。それはなぜですか?あおさん:難しいんですけど、ポーカー というゲームを、私は真剣に楽しみたいんですね。そして均衡理解の勉強が私好きなんです。上手くなるために勉強しているというよりは、ただ均衡を知るのが好きだから勉強している気がします。――「均衡を理解する」ということを目的にして頑張ることに楽しさを感じるんですねあおさん:そうですね。あと、GTOの例えですごい刺さっているのがあって。GTOってじゃんけんでグーチョキパーを均等に出そうみたいな話じゃないですか。それに対して、「あおちゃんはピンをずっと出してる」と言われたことがあって。「ピン」という4つ目のコマンドが存在したとして。――「ピン」はどういう勝敗なんですか?あおさん:「パーに勝てるけど、あいこだと負け」ですね。完全に出すだけ期待値マイナスです。だからまずは「グーチョキパー」を出せるようにしよう。そのためにGTOを勉強しようという感じですね。――確かにポーカーはハンドの強さがあるから明確に期待値マイナスの手って存在しますもんね。あおさん:はい。だからエクスプロイトも「グーチョキパー」を均等に出せる人がすることだと思うんですよね。――ではあおさんのGTOが大事だと思う理由は、どんな相手に対しても「ピン」を出してしまうプレイをしないようにするためというのが大きいところですかね。あおさん:そうですね。まあもちろんエクスプロイトもするときはするんですけどね笑。4. ラスベガスで全財産を卓に:冷静沈着なメンタル管理――続いてメンタル管理についてお聞きしたいんですけど、まずあおさんは海外のライブキャッシュの経験はどのくらいあるのでしょうか?あおさん:去年2-5をメインに100時間ぐらい打ったと思います。――プレイ中に感情の起伏はありますか?あおさん:感情の起伏あるんですけど、金銭面ではほとんど感じないと思います。お金の計算が多分できないんでしょうね笑。「ポットが大きいから」落ち込むとかはわかるんですけど、「金額が大きいから」と思ったことはないです。――なるほど。ティルトはするタイプですか?あおさん:ティルトはめちゃくちゃします笑。――そうなんですね!それってどんなときですか?あおさん:圧倒的に自分のミスプレイでティルトしますね。逆にリバーで引かれて逆転されたとかでは何とも思わないですね。例えば、昔ラスベガスで2-5打ってて、ボムポットでめっちゃ大きいポット落としたんですよね。全然オッズ合ってないドローハンドにずっとコールされていて最後に引かれて逆転されたんですけど。その時に「これコールしてくれるのめっちゃ美味しい」って思ったんですよね。――最後引かれた後でもそう思えるんですね。あおさん:そうなんですよ。それでめっちゃ美味しいって思ったんでラスベガスに持ってきた全財産を卓に置きましたね笑。――すごい笑笑あおさん:お金にあまり執着もないですし、シンプルにチップ量を最大化することに楽しみを覚えてるので、ノーマネーのポーカーもめちゃくちゃ大好きです。――でも実際引いた引かれたとかでティルトしてしまう人はたくさんいるじゃないですか。あおさんはどうしてそんなに冷静にいられるんですか?あおさん:まあでもそういうゲームなので、引く時も引かれる時もそれはあるでしょうと。その上でベストの選択をしたということが大切だと思っています。あとは、純粋にポーカーというゲームを信じているので、実力が反映されると思っていますし、確率は確率通りだと思っています。だから「あいつは肩が強い」みたいな概念は存在しないと思っています。――日本って昔から麻雀とかも普及してましたけど、そういう流れとか運みたいなものがゲームに持ち込まれることって確かに多いですよね。ポーカーでも座学がもっと広まれば変わる気もしますけど。あおさん:そうですね。私は本当に「座学って面白い」と思っているので、みなさんにもぜひ一度やって欲しいなと思っています。――そういう人が増えていくといいですよね。あおさん:私のインフルエンス活動の目標の一つも実はそこでして。ポーカーをなるべくスポーツっぽくしたいんですね。競技性の高いものであって欲しいといいますか。――Mリーグのポーカー版とかみたいなイメージですか?あおさん:そうですね、完全にそれをしたいです。Queen Of Pokerでもそれを目指していて。ポーカーってかっこいいものだし、平等なものだし、ギャンブルではないっていうのを広めたいですね。5. 無人島でも座学:ポーカーで生きていく決意――ポーカーにおける今後の目標や将来像についてお聞かせください!あおさん:そうですね、自分の目標だともっと大きなタイトルを獲得して、もっと知名度が上がってたらいいなと思います。――賞金とかよりもタイトルをとること自体が目標という感じですかね?あおさん:そうですね。それ自体が名誉ですし目標ですね。ただ、もし何か一つ大きいタイトルを獲得しても、もっと高いトーナメントに挑戦すると思うので、結局ずっとポーカーしてるんじゃないですかね笑。――仕事に関しては今後どういう風に考えていますか?ポーカーの専業ルートなんかもありそうですか?あおさん:はい、そうですね。専業 ルートに入りたいなと思っています。ただ、それはポーカーのキャッシュだけの専業だけじゃなくて、インフルエンス活動とかマーケティングとかそういうのも含めてポーカーの専業になりたいなと思っていますね。――続いてですが、ポーカーを通して学んだ人生の教訓みたいものはあったりしますか?あおさん:んー難しいですね……。あー、期待値で考える考え方は身についたと思います。それが事業に活きたりもしますし。ただ、そうですね、 ポーカーで生きるというか、ポーカーが人生のメインすぎて。――もうポーカーを通じて得たことはポーカー界で生きていくことに決められたことかもしれませんね笑。あおさん:そうかもしれないです!ポーカーに出会ってこんなに人生楽しくなると思ってなかったです。――本当に、ものすごくポーカーお好きなんですね笑あおさん:そうですね、かなり自信あるかもしれないです笑。あとよく言うのは「無人島に何か一つ持っていくならトランプ」って言いますね笑。――すごい笑。けど相手も欲しいですよね。あおさん:一人で座学やってるかもしれないです笑。6. みなさんへのひとこと――今ポーカーを始めたての人、もしくはこれから始める人にどんな言葉を掛けたいですか。あおさん:まず、そうですね、「ポーカーに出会えてよかったでしょう」と言いたくなりますね笑。――出会えたこと自体が幸せだと。あおさん:はい。あと勉強したいと思ってくれているなら、今って色々できる思うんですよね。YouTubeを見たり、Wizardを使ったり、それこそPokerQ'zとかもそうですよね。そういうのを使って勉強をすると、もっと違う楽しさが出てくると思います。――最後に、読者の皆さんに向けて何か一言お願いします!あおさん:私はポーカーで自分が強くなりたいとか上手くなりたいという気持ちが大きいですし、みんなが ポーカーをいろんな形で楽しんでくれたら嬉しいなと思います。だから、本当に賭けホームゲームとかすごい嫌ですね。日本で賭けることは本当にやめて欲しくて。ポーカーというものをみんなで大事に作り上げていきたいと思っています。――確かに賭けが広まってしまうと規制が入って、ポーカー界全体の衰退につながりますからね。あおさん:そうですね。 私はポーカーというゲームを純粋に楽しんでほしいと思ってます。ですし、ポーカーはそうやって楽しめるだけの面白いゲームなんですよ。やっぱり勝った人をかっこいいと思えて、どんなに引かれてポットを落としてもコンコンとして立ち去ってくという文化にしていきたいと思いますし、私自身もそういうプレイヤーでありたいと思います。

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「天才、覚醒。」年間1000万円以上勝つ学生最強プレイヤーの思考とメンタルの裏側コラム

「天才、覚醒。」年間1000万円以上勝つ学生最強プレイヤーの思考とメンタルの裏側

こんにちは!CLOViZ株式会社の広報担当です!今回は、ライブキャッシュゲームで累計1,000万円を勝ち取り、戦略研究と情報発信の内容から“学生最強”と呼ばれるDramaさんにお越しいただきました!大学休学を決断し、韓国・カンボジア・アメリカを転戦した3年間で、どのように実力と視座を拡張してきたのか。急成長を遂げた思考法・メンタル術をご紹介していきます!1. 休学して海外遠征で腕を磨いた大学生プレイヤー――まずは自己紹介をお願いします!Dramaさん:北海道大学理学部数学科3年の Drama と申します。ポーカー歴は約3年で、高校の卒業旅行で友人から教わったことがきっかけでポーカーに出会いました。不完全情報ゲームの奥深さと、相手の思考を上回った瞬間の手応え、駆け引きの面白さに魅了を感じ、大学入学後は数学よりもポーカーに夢中になりました。大学2年の冬には「本気で打ち込みたい」との思いから1年間の休学を決断し、ラスベガス・韓国・カンボジアを転戦しました。ラスベガスでは「Amu 精鋭隊」という企画に参加し、3か月で約500万円を獲得できたことが現在の自信の源になっています。現在は自身で立ち上げた、北大ポーカーサークル SECOND NUTS にて、ポーカーの研究に没頭しています。2. 3年間で「学生最強」と呼ばれるまでの急成長の要因――最初からポーカーで簡単に勝てたみたいなことはないと思うのですが、3 年ほどで学生最強と称されるまでに急成長できた要因は何でしょうか?Dramaさん:最大の要因は強いプレイヤーのコーチングを受けられたことです。私は“センス型”ではなく、始めた頃は戦略を組み立てる思考もなく、バランスも理解していませんでした。ポーカーを始めて半年ほど経った頃にPeeeajeさんのコーチングを受け始め、一般的なレクリエーショナルプレイヤーには勝てるようになりました。さらに半年後にはAmuさんのコーチングを受けました。Amuさんは均衡 (GTO)理解が深いだけでなく、思考が非常に洗練されていて、僕の出会った中で最も強いプレイヤーだと感じたのを覚えています。ポーカーでは均衡 (GTO) とエクスプロイトの両方を理解することが不可欠です。前者は努力次第で身に付きますが、後者は良い教材や師に恵まれなければ身に付けるのが難しいと考えています。ーー弱い状態で強い人を見抜くのは難しいと思ってるのですが、どのように判断したら良いですか?Dramaさん:結局は発言内容の論理的整合性で判断するのが現実的です。私はプレイヤーの実力をWinrateで測るのが理想だと思いますが、実際にはサンプルが足りない場合が多いので、まずは発言に論理破綻がないかでふるいに掛けます。論理に矛盾がある人を除外すると、最終的にはまともな人しか残りません。その中から自分と相性が良く、信頼できる人を選ぶのが最善だと考えています。3. 思考の三段階進化:均衡理解からエクスプロイトへ――ポーカーを始めた最初の頃から現在までのプレイ中の思考はどのように進化しましたか?Dramaさん:ポーカーを始めた直後は、バランスという概念が皆無で、自分のハンドだけを拠り所にプレイしていました。リバーではバリューベットとブラフのサイズがまったく異なる意図が相手に丸見えという“最弱”状態です。次に、レンジ全体でバランスを取れるようになりました。具体的にはバリューとブラフのサイズが統一されるすべてのベットサイズ/ラインにブラフを織り込めるため均衡(GTO)ライクな打ち方になる最終段階では、均衡思考を“基盤”としながら 意図的にバランスを崩して相手を搾取できるようになりました。具体的にはブラフはブラフEVが最大化するサイズバリューはバリューEVが最大化するサイズベットラインも各EVが最大になるパスを選択それでいて相手に偏りを悟らせないこの3段階で進化しました。4. 論理的思考を鍛えるワークフロー――Youtubeでの企画「ヘッドホンポーカー」でアクション毎の思考を説明されていましたが、どのような思考過程を経て最終的なアクションを決定していらっしゃるのか。また、その流れを鍛えるコツがあれば教えていただけますか?Dramaさん:まずは「自分がどのアクションで迷っているのか」をはっきりと言語化するところから始めます。具体的には、「チェックとベット33%で迷ってます」と宣言するイメージです。続いて、その二つの選択肢について メリットとデメリット を整理し、均衡(GTO)と比較した場合にチェック EV とベット EV がどのように変化するかを考えます。例えば自分がマージナルハンドを持っているとしたら、「ベット 33 % を選択するとレイズが多く返ってくる可能性が高く、このハンドではレイズにコールできないのでマイナスポイントとなり、ベット EV は低下。一方、チェックした場合はターンでプローブベットがあまり飛んでこないと予想されるためプラスポイント。したがって今回はチェック EV がベット EV を上回りそうなため、チェックを選択」と説明する流れです。この選択肢を列挙する各選択肢の EV 変化を説明するその結果どちらを選ぶのか結論づけるという3ステップで整理すると論理が一気にクリアになります。チェック 33 % という数字がどこから導かれたのかを説明する際には、「ここは均衡のサイズを示している」と明確にし、今回はエクスプロイトとして均衡から外れたサイズを選択する、というように「今は均衡とエクスプロイトのどちらの戦略について語っているのか」を常に明示する癖をつけていただけると良いかと思います。5. メンタル管理とライブキャッシュでの立ち回り――海外で約500万円ほど勝ったご経験をお話しになりましたが、ライブキャッシュは分散が非常に激しいですよね。どのようにメンタル管理されていますか?Dramaさん:メンタル管理はポーカー戦略の勉強と同じくらい重要だと考えています。ライブキャッシュを打つなら、なおさら欠かせないです。私が気をつけているのはまず規則正しい生活です。ポーカープレイヤーはテーブルが良いと離れづらく、睡眠時間が乱れがちですが、睡眠不足でプレイしないのは鉄則です。ひとつのセッションを終えたら、アラームを掛けずに「ぐっすり寝た」と感じるまで眠ります。私はふだん朝食を取らない派ですが、稼働日の朝は必ず食事を取ります。そして筋トレをしてシャワーを浴び、準備してから会場へ向かう。これが基本の流れです。筋トレは脳を活性化させ、自己肯定感も高めます。怠惰な生活は頭の回転を鈍らせ、メンタルにも悪影響を与えますので、「お手本のような生活リズム」を目指すことを強くおすすめします。――Dramaさんはそもそもティルトすることがあるのでしょうか?もしティルトした場合、どのように対処されますか?Dramaさん:稀にティルトしない人もいると聞きますが、私はティルトします。とはいえ、相手に理不尽な形で負けた時ではなく、自分の明確なミスプレーに気づいた時に精神的にきますね。気分が悪いと感じたらすぐに席を立ち、外を散歩して景色を見たり音楽を聴いたりしてリフレッシュします。テーブルに戻っても集中できないと判断したら、その日はプレイを切り上げて帰ります。ただし卓が良い場合は続行するかどうかを天秤に掛けます。また、すべてのプレイラインをメモしています。相手のリークとなりそうなラインを見かけたら即座に記録し、卓の 9 人それぞれにあだ名を付け、観測した特徴をメモします。その下に自分のハンドレビューを書き、翌朝見直して当時の思考とズレていればメンタル由来の偏りとして蓄積します。そうすれば、自分の癖に合わせた対策をプレイ中に講じることができます。6. 休学がもたらした視野とこれからのビジョン――1年間休学してポーカーに専念された経験は、いま振り返ってみてプラスになったのでしょうか?また、現在ポーカーをどのように位置づけていらっしゃるのか、そして将来はどのような形でポーカーを続けたいですか?Dramaさん:休学して本当に良かったと感じています。もし大学生で休学を迷っているポーカープレイヤーがいたら、ぜひ検討してほしいです。若くて体力があり、好奇心も成長意欲も高い時期に 1 年間ポーカーに没頭できるのは大きなアドバンテージです。実力は飛躍的に伸びますし、就職活動で致命的なマイナスになることもほとんどありません。休学期間中に実力が大幅に向上しましたが、「1 年も打てば飽きるだろう」という想定は外れ、むしろポーカーの面白さが増しました。現在は目標とするプレイヤーを超えることを目標に、さらにのめり込んでいます。当然大学は卒業する予定ですが、私の人生のポリシーは「今一番楽しいことを突き詰める」ことです。先の保証や定年後の楽しみに人生を預けるより、いつ死ぬか分からないのだから“今”を最大化したいと考えています。将来もポーカーを「トップ・オブ・トップを目指す舞台」として日本で過ごす時間や友人との交流も大切にしつつ、必要に応じて海外でプレーする予定です。7. これからポーカーを始める人へーGTOは正解ではなく“基準”――最後にポーカー初心者や、勉強中だけど伸び悩んでいる人へアドバイスをお願いします!Dramaさん:思っている以上にGTOは重要で後悔は絶対にしないので徹底的に勉強することをお勧めします。「相手は GTO じゃないから勉強しても意味がない」というのは大きな誤解です。基準を知らないままでは、どこがズレなのかさえ判別できません。まず基準を学び、そのうえで相手の偏りを見つけ、意図的にバランスを崩してエクスプロイトする。これが上達への王道だと思います。

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理論で学ぶポーカー#2 : AKQJT9ゲームで数学的に最適なベットサイズ分割を探る考察

理論で学ぶポーカー#2 : AKQJT9ゲームで数学的に最適なベットサイズ分割を探る

はじめに本記事は、前回の記事の続きです。まだ読んでいない方はそちらを先にお読みください。https://pokerqz.com/blog/theoretical_poker_1今回のテーマは「ベットサイズ分割」です。GTOでは一般的に、より強いバリューハンドほど大きいベットサイズを用いる傾向がありますが、それはなぜでしょうか。今回はこの疑問を、トイゲーム「AKQJT9ゲーム」を用いて、数学的な観点から考察していきたいと思います。1. AKQJT9ゲームとは?AKQJT9ゲームは、本テーマを取り上げるために自作したトイゲームで、前回紹介した「AKQゲーム」の派生です。AKQゲームと比較して、カードが3枚から6枚に増えただけですが、一応ルールをおさらいしておきます。プレイヤー本ゲームは、HeroとVillainの2人で行います。カード使用するカードは [As] [Ks] [Qs] [Js] [Ts] [9s] の6枚のみで、それぞれの強さは A > K > Q > J > T > 9 です。各プレイヤーには、これらのうち1枚がランダムに配られ、同じランクのカードが配られることはありません。ポジションHeroは常にIP(インポジション)、Villainは常にOOP(アウトオブポジション) でプレイします。アクションいきなりリバーから始まり、最初にVillain(OOP)が行動します。その際、Villainは常にチェックを選択します。その後、Hero(IP)は、任意のベットサイズを選択するか、チェックバックをすることができます。 2でHeroがチェックバックの場合、そのままショーダウンとなります。 2でHeroがベットした場合、Villainはコールまたはフォールドの2択のみとなり、レイズはできません。ポットサイズ初期ポットは1です。2. アルゴリズムで計算されたGTO解それではこのゲームの最適解を数式で計算していきたいのですが、イメージを掴みやすくするため、CFRアルゴリズムを用いて計算されたGTO解を見てみましょう。(CFRアルゴリズムの詳しい話にも、また機会があったら触れたいです)図1 リバーにおける、ボードが[2s][2h][2d][3s][3h]の時のGTO解図1は、筆者が独自に構築したツールにてGTO解を図示したものです。レンジ表はGTO Wizard風に仕上げました。この表は、実際のポーカーにおいてボードが[2s][2h][2d][3s][3h](つまり今回のA~9とは直接的に関係のないボード)で、VillainからCheckされた後のHeroのレンジ全体の戦略を示しています。ただし、お互いのハンドレンジは[As][Ah],[Ks][Kh],...[9s][9h]の6コンボに限定しています(ポケットペアはスペード・ハートのコンボのみ使用)。この時ハンドの強さは[As][Ah] > [Ks][Kh] > ... > [9s][9h]で、互いが同じハンドを持つことは無いので、この状況はAKQJT9ゲームと等価です。今回は15%から160%まで、様々なベットサイズのオプションを用意しました。赤色は大ベット、オレンジは小ベット、緑はチェックを示します。ナッツのAの方がセカンドナッツのKよりもバリューベットのサイズが大きく、サイズ分割が行われていることが分かります。図2 図1における [Ks][Kh]の戦略(左列が頻度、右列がEV。EVは100倍にして表示)図3 図1における [As][Ah]の戦略(左列が頻度、右列がEV。EVは100倍にして表示)また、図2・図3は、ハンドが[Ks][Kh]・[As][Ah]の時に使う戦略を詳細に示しています。それぞれのハンドでEVを最大化させるベットサイズを用いるのが最善で、EVが大きい値のアクション頻度が大きいことが分かります。図1から図3を見て、AKQJT9ゲームについて分かることをまとめると、以下のようになります。《ここまでのまとめ》ナッツのAは、ピュアに大ベットを用いる。最適なサイズは120%から130%の間の、やや120%寄りの当たりにありそう。セカンドナッツのKは、ピュアに小ベットを用いる。最適なサイズは25%から30%の間の、やや30%寄りの当たりにありそう。マージナルハンドのQからTは、ピュアにチェックする。最弱の9は、AとKのそれぞれのバリューベットで用いるサイズを兼用して、適切な頻度でブラフベットする。※補足Qはバリューベットを打つことができません。もしQでベットすると、相手はA・Kを確実にコールし、9を確実にフォールドします。すると、相手がJ・Tを全頻度でブラフキャッチコールしたとしても、コールされた後のエクイティが50%となってしまい、バリューベットとして機能していないことが分かります。Tはブラフベットすることはありません。ブラフは、必要コンボ数的に9だけで十分だからです(後述)。3. ベットサイズを任意の2つのサイズとしたAKQJT9ゲームの最適解さて、ここからは数学的な考察に入っていきましょう。このゲームにはサイズ分割があるので、Aで使うバリューベットのサイズを$b_{A}$、Kで使うバリューベットのサイズを$b_{K}$として考えます。前回の記事より、ある強いハンドをピュアにサイズ$b$でバリューベットするとき、相手のマージナルハンドをコールとフォールドのインディファレントにするブラフベット頻度は$\frac{b}{1+b}$でした。今回は用いるベットサイズが2種類あるため、Heroの最適な戦略は以下のようになります。Heroの戦略Hero(IP) の手札bet $b_{A}$ の頻度bet $b_{K}$ の頻度checkの頻度A100K010Q , J , T0019$\frac{b_{A}}{1+b_{A}}$$\frac{b_{K}}{1+b_{K}}$$1 - \frac{b_{A}}{1+b_{A}} -\frac{b_{K}}{1+b_{K}}$この戦略に対して、Villainは以下のように応答します。ここでは一旦、bet $b_{A}$に対するマージナルハンド(KからT)のブラフキャッチ頻度を$f_{1}$、bet $b_{K}$に対するマージナルハンド(QからT)のブラフキャッチ頻度を$f_{2}$と置きます。(具体的な値はこれから計算します。)Heroのbet $b_{A}$に対するVillainの戦略Villainの手札callの頻度foldの頻度A (1コンボ)10K , Q , J , T (4コンボ)$f_{1}$$1 - f_{1}$9 (1コンボ)01Heroのbet $b_{K}$に対するVillainの戦略Villainの手札callの頻度foldの頻度A , K (2コンボ)10Q , J , T (3コンボ)$f_{2}$$1 - f_{2}$9 (1コンボ)01ここで前回の記事より、Villainの最適なブラフキャッチ頻度は、Heroの弱いハンドがブラフベットするか諦めチェックするかのインディファレントになるような頻度でした。すなわち(Heroの9のbet $b_{A}$のEV) = (Heroの9のbet $b_{K}$のEV) = (Heroの9のcheckのEV)となればいいので、以下の式が成り立ちます。$$\frac{1 ・ (-b_{A}) + 4f_1 ・(-b_{A}) + 4(1-f_1) ・1 }{5} = \frac{2 ・ (-b_{K}) + 3f_2 ・(-b_{K}) + 3(1-f_2) ・1 }{5} = 0$$これを解いて$f_1 = \frac{4-b_{A}}{4(1 + b_{A})}$, $f_2 = \frac{3-2b_{K}}{3(1 + b_{K})}$となります。また、$1 - f_1 = \frac{5b_{A}}{4(1 + b_{A})}$, $1 - f_2 = \frac{5b_{K}}{3(1 + b_{K})}$となります。(後で使います)4. Heroのレンジ全体のEVを最大化させる$b_{A} , b_{K}$は?お互いの最適戦略が分かったところで、Heroのレンジ全体のEVを最大化させる$b_{A} , b_{K}$を求めましょう。前回の記事で、マージナルハンドと弱いハンドのEVは、Heroのベットサイズに依存しないことに触れました。よって最適な$b_{A} , b_{K}$は、A・K(バリューハンド)それぞれのEVを考えれば求まることになります。それでは実際にA・KのEVを計算しましょう。AのEVは前回のように計算できますが、KのEVについては注意点があります。それは、Kは相手のAに対してミスバリューを打ってしまう可能性があることです。それに注意して、HeroのAのEVを$E_{A}(b_{A})$、HeroのKのEVを$E_{K}(b_{K})$とすると、$$E_{A}(b_{A}) = \frac{4f_1・(1 + b_{A}) + (4(1-f_1) + 1)・1}{5} = \frac{1}{5} ((4-b_{A}) + \frac{5b_{A}}{1 + b_{A}} + 1) = \frac{1}{5} (5 + \frac{5b_{A}}{1 + b_{A}} - b_{A})$$$$E_{K}(b_{K}) = \frac{1・(-b_{K}) + 3f_2・(1 + b_{K}) + (3(1-f_2) + 1)・1}{5} = \frac{1}{5} (-b_{K} + (3-2b_{K}) + \frac{5b_{K}}{1 + b_{K}} + 1) = \frac{1}{5} (4 + \frac{5b_{K}}{1 + b_{K}} - 3b_{K})$$となります。$E_{A}(b_{A})$を最大にする$b_{A}$と$E_{K}(b_{K})$を最大にする$b_{K}$を、関数を微分してそれぞれ求めましょう。高校の数IIIで習う分数関数の微分公式を用いると、$$\frac{d}{db_{A}} E_{A}(b_{A}) = \frac{1}{(1 + b_{A} )^2} - \frac{1}{5}$$$$\frac{d}{db_{K}} E_{K}(b_{K}) = \frac{1}{(1 + b_{K} )^2} - \frac{3}{5}$$となります。$\frac{d}{db_{A}} E_{A}(b_{A})$と$\frac{d}{db_{K}} E_{K}(b_{K})$は、共に単調減少な関数なので、これらが0となるような$b_{A}$,$b_{K}$が最適なベットサイズです。これを解いて$b_{A} =\sqrt{5} -1 \approx 1.236$ , $b_{K} = \sqrt{\frac{5}{3}} -1 \approx 0.291$ となります。これが意味することは、Heroの最適なベットサイズは、Aの時がPot 123.6%、Kの時がPot 29.1%だということです。先ほどアルゴリズムの結果から、ナッツのAは、ピュアに大ベットを用いる。最適なサイズは120%から130%の間の、やや120%寄りの当たりにありそう。セカンドナッツのKは、ピュアに小ベットを用いる。最適なサイズは25%から30%の間の、やや30%寄りの当たりにありそう。と予想を立てましたが、見事にその通りになっていることが分かります。また、この時9のブラフベットの頻度は、Pot 123.6%が $\frac{b_{A}}{1 +b_{A}} \approx \frac{1.236}{1 + 1.236} \approx 0.553$Pot 29.1%が $\frac{b_{K}}{1 +b_{K}} \approx \frac{0.291}{1 + 0.291} \approx 0.225$となり、両方合わせても1を超えません。つまり、ブラフコンボは9だけで十分なので、Tまでブラフに回す必要はない、ということです。5. 実践でベットサイズ分割を行う際の注意ここまで、ベットサイズ分割が自身のレンジのEVを底上げする話をしてきました。しかし、これを本当のポーカーで実践する際には注意が必要です。このゲームでは、Villainにレイズ権がありませんでしたが、実際のポーカーではレイズされることがあります。安ベットのレンジにナッツクラスのハンドが一切含まれない場合、相手にそれがバレると、エクスプロイトで幅広くポラライズされたレイズを返されてしまいます。そうなると自身のレンジのEVは大きく下がってしまいます。よって、相手がレイズを適切に返せる上手なプレイヤーである場合、ナッツクラスのハンドを、一部安ベットに入れてバランスを取ります(特にOOPの場合)。まとめ今回も難易度の高い記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。本記事では、GTOの行うベットサイズ分割が、数学的な裏付けを持つ効果的なプレーであることを説明しました。結論を簡潔に要約すると以下のようになります。ベットサイズ分割を行う場合、より強いバリューハンドほど大きいベットサイズを用いるとEVが上昇する。ブラフハンドはEQの低い弱いハンドから選定し、各ベットサイズごとに適切な頻度でブラフをする(実践では、ブロッカーの良いハンドほど大きいブラフベットを選択する傾向あり。今回のゲームではブロッカーは無かった)。実践では相手にレイズ権があるため、ベットサイズ分割をするにしても、ある程度ナッツクラスのハンドを分散させてエクスプロイトされることを防ぐ必要がある。

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理論で学ぶポーカー#1 : AKQゲームで数学的に最適なバリューベットのサイズを探る考察

理論で学ぶポーカー#1 : AKQゲームで数学的に最適なバリューベットのサイズを探る

1. はじめにポーカーにおいて、バリューベットの適切なサイズを決めることは、期待値(EV)を最大化する上で非常に重要です。本記事では、シンプルな AKQ ゲームを題材に、バリューハンドの最適なベットサイズについて深掘りしていきます。2. AKQゲームとは?AKQゲームは、ポーカー戦略の基礎を学ぶために設計されたシンプルなモデルゲームです。さまざまなバリエーションがありますが、ここでは以下のルールに基づいて説明します。プレイヤー本ゲームは、Hero(自分側)とVillain(相手側)の2人で行います。カード使用するカードは [As], [Ks], [Qs] の3枚のみで、それぞれの強さは A > K > Q です。各プレイヤーには、これらのうち1枚がランダムに配られ、同じランクのカードが配られることはありません(スートも無視しましょう)。ポジションHeroは常にIP(インポジション)、Villainは常にOOP(アウトオブポジション) でプレイします。アクションいきなりリバーから始まり、最初にVillain(OOP)が行動します。その際、Villainは常にチェックを選択します。その後、Hero(IP)は、任意のベットサイズを選択する or チェックバックができます。2でHeroがチェックバックの場合、そのままショーダウンとなります。2でHeroがベットした場合、Villainはコール or フォールドの2択のみとなりレイズはできません。ポットサイズ初期ポットは1ですこのシンプルなゲームモデルを通じて、ポーカーにおけるベット戦略やレンジの考え方を学ぶことができます。3. 各手札ごとの戦略構築と純粋戦略まず、Hero・Villainごとに、各手札の最適な立ち回りをまとめます。Heroの最適な立ち回り① [As] 最強の手札のため、相手のKをターゲットに必ずバリューベットを打つ。② [Ks] Aには絶対コールされて負け、Qには降りられるだけなので、ベットすると損をする。必ずチェックする。③ [Qs] 最弱の手札だが、こちらのAのバリューベットと混ぜて、相手のKがちょうど悩むくらいの頻度でブラフベットを打つ。Heroにベットされた後の、Villainの最適な立ち回り④ [As]絶対に勝っているので、必ずコールする。⑤ [Ks]相手のAには負けているが、相手のQのブラフに降ろされすぎないように、適切な頻度でブラフキャッチする。(相手のQが、ブラフするかちょうど悩むくらいの頻度でコールする)⑥ [Qs]絶対に負けているので、必ずフォールドする。ここで、①・③・④・⑥は「必ず」とついている通り、最適なアクションが最初から決まっていて、100%の頻度でそのアクションを実行します。それ以外のアクションを選ぶと、上述の通り明確に損するからです。このように、アクション頻度が100%の戦略を「純粋戦略」と言います。この純粋戦略を間違えてしまうと、非常に大きなEVロスとなってしまうため、注意が必要です。さて、純粋戦略は変更のしようがないので、このゲームの最適解を考える上で重要なのは、③の「HeroのQのブラフ頻度」と、⑤の「VillainのKのコール頻度」です。③・⑤は、それぞれのアクションをどちらもバランスよく行うことが最適で、このような戦略を「混合戦略」と呼びます。もし適切なバランスを取らず、アクションが一方に偏ってしまうと、相手から戦略のエクスプロイトを受けることになります。以下で、そのエクスプロイトを具体的に説明します。③に関しては、HeroのQのベット頻度が高すぎるとブラフ過多となり、VillainはKのブラフキャッチコール頻度を100%にするというエクスプロイトを行います。逆にHeroのQのベット頻度が低すぎるとAのバリュー過多となり、VillainはKのブラフキャッチコール頻度を0%にするというエクスプロイトを行います。⑤に関しては、VillainのKのコール頻度が高すぎるとブラフキャッチ過多となり、HeroはQのブラフベット頻度を0%にするというエクスプロイトを行います。逆にVillainのKのコール頻度が低すぎるとブラフキャッチ過小となり、HeroはQのブラフベット頻度を100%にするというエクスプロイトを行います。それでは、③・⑤の適切な頻度は具体的にどう求めれば良いのでしょうか。次のセクションで説明します。4. 混合戦略の頻度とインディファレント混合戦略の最適な頻度を探るには、上の③・⑤の文章に出てきた「相手の〇〇をちょうど悩ませる」という言葉の正確な意味合いに言及する必要があります。ここで出てくるのが「インディファレント」という用語です。インディファレントとは、ある手札において、複数のアクション間でEVが等しくなっている状態のことです。これだけだと分かりにくいので、具体例を示します。例えば、ポットが100点の状態で、相手から100点のポットベットを受けたとしましょう。そうすると、コールに必要な金額は100点で、コールするとポットが100(ポット)+100(相手のベット)+100(自分のコール)=300点になります。すなわち、100点を支払って300点を得る勝負を仕掛けられているので、100/300 = 1/3がちょうど勝率となっている時、コールとフォールドの期待値が0で等しくなります。この状況を「コールとフォールドのインディファレント」と言います。一般的にインディファレントな状態にあるハンドは、バランスを取るために、それら複数のアクションが選択肢として残る傾向にあります。そして今回、③と⑤の混合戦略の内訳を決めるカギは、相手の特定のハンドがインディファレントになるように頻度を調整することです。具体的には、③HeroのQ は、villainのKが「コールとフォールドのインディファレント」になるベット頻度に調整します。⑤VillainのK は、HeroのQが「ベットとチェックのインディファレント」になるコール頻度に調整します。5. ベットサイズをPot 50%のみに限定したAKQゲームの最適解分かりやすさのために、このセクションでは、Heroのベットサイズをポット50%(0.5)に限定して考えてみます。《Heroの戦略》Heroは、Aを全頻度(1)でバリューベットし、Qを最適な頻度($f_Q$)でブラフベットし、相手のKのコールとフォールドの期待値が同じになるような戦略を取ります。VillainのKはコールした場合、以下のような利得になります。HeroがA(1コンボ) ... -0.5(コールに使った0.5を失う)HeroがQ($f_Q$コンボ) ... 1 + 0.5 (ポットの1と相手のベット額0.5を得る)そして、VillainのKはフォールドした場合、所持チップは増えも減りもしないので、利得は0となります。(Kのコール期待値) = (Kのフォールド期待値)より、これを数式で表すと、$$\frac{1 ・ (-0.5) +f_Q ・(1 + 0.5)}{1+f_Q} = 0$$ となります。これを解いて$f_Q =\frac{1}{3} $です。《Villainの戦略》一方Villainは、Kを最適な頻度($f_K$)でコールし、相手のQのベットとチェックの期待値が同じになるような戦略を取ります。HeroのQはベットした場合、以下のような利得になります。VillainがA(1コンボ) ... -0.5(コールされて負け)VillainがKでコール($f_K$コンボ) ... -0.5(コールされて負け)VillainがKでフォールド($1 - f_K$コンボ) .. 1(降ろしてポットの1を得る)そして、HeroのQはチェックした場合、絶対にショーダウンで負け、所持チップは増えも減りもしないので、利得は0となります。(Qのベット期待値) = (Qのチェック期待値)より、これを数式で表すと、$$\frac{1 ・ (-0.5) +f_K ・(-0.5) + (1-f_K) ・1 }{2} = 0$$ となります。これを解いて$f_K =\frac{1}{3} $です。以上をまとめて、HeroとVillainの最適戦略を整理すると以下のようになります。Heroの戦略Heroの手札Pot 50%の頻度checkの頻度A1 (100%)0 (0%)K0 (0%)1 (100%)Q0.3333 (33.33%)0.6667 (66.67%)Villainの戦略(Heroのbet 0.5 に対して)Villainの手札callの頻度foldの頻度A1 (100%)0 (0%)K0.3333 (33.33%)0.6667 (66.67%)Q0 (0%)1 (100%)6. ベットサイズを任意の1つのサイズ(b)としたAKQゲームの最適解全セクションでは、ベットサイズを0.5に限定して最適解を考えました。それと全く同様にして、ベットサイズをb(定数)とした最適解も考えることができます。先ほどの2式の0.5をbに置き換えると、$$\frac{1 ・ (-b) +f_Q ・(1 + b)}{1+f_Q} = 0$$ $$\frac{1 ・ (-b) + f_K ・(-b) + (1-f_K) ・1 }{2} = 0$$ です。これを解くと$f_Q = \frac{b}{1+b}$ , $f_K = \frac{1-b}{1+b}$ となります。以上をまとめて、HeroとVillainの最適戦略を整理すると以下のようになります。Heroの戦略Heroの手札bet $b$ の頻度checkの頻度A10K01Q$\frac{b}{1+b}$$\frac{1}{1+b}$Villainの戦略(Heroのbet $b$に対して)Villainの手札callの頻度foldの頻度A10K$\frac{1-b}{1+b}$$\frac{2b}{1+b}$Q01ここで$f_K = \frac{1-b}{1+b}$に注目すると、bが1より大きい時(Heroがポットオーバーのベットを打つ時)、$f_K$は負の値となり、おかしなことが起きることがわかります。これはどういうことでしょうか。一般にポットオーバーベットのブラフは、必要ブラフ成功率が50%を超えます。HeroがQでブラフする時、VillainはAかKを持っています。しかし、VillainはAを絶対に降りないため、ブラフ成功率が50%を超えることはあり得ません。すなわち、HeroはAKQゲームにおいてポットオーバーベットのブラフをするべきではない、という結論が導かれます。ブラフが存在しないのであれば当然バリューベットもそのサイズでは出来ないため、Heroはこのゲームでポットオーバーベットは用いることはありません。よって、以下では$0 < b \leq 1$として考えます。7. レンジ全体のEVを最大化させるHeroのベットサイズは?ここまでで、ベットサイズが任意の1つのサイズ(b)の時の最適解がわかりました。ここからが本題です。実はHeroのK・Qの期待値(EV)は、ベットサイズ(b)によらず変化しません。なぜなら、HeroのK...必ずチェックし、ショーダウンでAに負けてQに勝つので、50%の確率で1のポットを獲得。すなわちEVは常に0.5HeroのQ...相手のKのコール頻度により、ブラフベットと諦めチェックのインディファレント状態であるから、EVは常に0となるからです。すなわちベットサイズによりEVが変化するのはAの時だけで、Heroの最適なベットサイズとは、HeroがAを持っている際のEVを最大化させる額であることになります。では、ベットサイズがbの時の、HeroのAのベットEVを実際に計算してみましょう。$$(HeroのAのEV) = (コールされる確率)・(1+b) + (フォールドされる確率)・1$$コールされる確率は、相手がKを持っていて($\frac{1}{2}$)、かつコールを選択する($\frac{1-b}{1+b}$)時なので、その積で$\frac{1}{2}\frac{1-b}{1+b}$です。これを$P(b)$とおくと、$$(HeroのAのEV) = P(b)・(1+b) + (1-P(b))・1 = bP(b) + 1 = \frac{1}{2}\frac{b(1-b)}{1+b} +1$$となります。定数部を除けば、$\frac{b(1-b)}{1+b}$が最大となるbを求めれば良いのです。$$\frac{b(1-b)}{1+b} = \frac{-b(1+b) + 2(1+b) -2 }{1+b} = 2 -(b+ \frac{2}{1+b}) = 3 -((1+b) + \frac{2}{1+b})$$となるため、相加・相乗平均の関係より、 $1+b = \sqrt{2}$、すなわち$b = \sqrt{2} -1 \approx 0.414$ の時に$\frac{b(1-b)}{1+b}$は最大値$3-2\sqrt{2}$を取ります。これが意味することは、Heroの最適なベットサイズは、AのEVを最大化させるPot 41.4%だということです。ポーカーのことを考えていたはずなのに、なぜかベットサイズにルートが出てきました。不思議ですね。また、今求めた最大値を元の式に代入すると、$$(HeroのAのEVの最大値) = \frac{1}{2} ・(3-2\sqrt{2}) +1 = \frac{5}{2} - \sqrt{2} \approx 1.086$$となります。ベットができなければAのEVは1となるので、HeroがIPであることが、ちゃんとレンジ全体のEV上昇に貢献していると考えることができますね。8. まとめ難易度の高い長い記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。本記事では、Heroのベットサイズが期待値(EV)に与える影響について考察しました。結論を簡潔に要約すると以下のようになります。AKQゲームは簡略化されたポーカーで、これを詳しく考察することで、実践のポーカーで用いる様々な理論を習得できる。バリューハンドには、相手からレイズされない条件下において、EVを最大化する最適なベットサイズが存在する。AKQゲームの分析を通じて、ポーカーにおけるベットサイズの選択とGTO(Game Theory Optimal)戦略の考え方を深く理解することができます。次の記事では、より複雑な状況下でのベットサイズの最適化や、実戦での応用方法について考察していきます。https://pokerqz.com/blog/theoretical_poker_2

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東大卒業後はポーカープロ?YouTuber?起業家?~異色な道を歩み続ける3人の挑戦と人生観~ 木原直哉・こうちゃん・後藤弘コラム

東大卒業後はポーカープロ?YouTuber?起業家?~異色な道を歩み続ける3人の挑戦と人生観~ 木原直哉・こうちゃん・後藤弘

こんにちは!CLOViZ株式会社の広報担当です!今回は、東京大学卒業後にポーカープロとして活躍する木原直哉さん、YouTuber、麻雀プロとして活動するこうちゃんさん、そして起業した後藤弘さんにお越しいただきました!座談会形式で東京大学卒業後に、あえて“異色な道”を選んだ3人の挑戦と人生観をご紹介していきます。1. 異色な道を選んだ理由とは?——「安定」よりも「挑戦」後藤さん:――木原さんはなぜポーカープロになったのですか?木原さん:そもそもほぼ卒業ができない状態で退学するつもりだったのですが、ポーカーに出会って、それで生活できるようになったことで卒業できたんですよね。だから、“普通の就職を選ばなかった”というより、“普通の就職という選択肢が最初からなかった”という感覚です。後藤さん:――なぜポーカーが卒業につながったのですか?木原さん:塾講師として働いていたんですけど、拘束時間と給料の面で考えると、大学に復学するのは厳しかったんです。世間では「東大生の家庭教師や塾講師はすごく高給」というイメージがありますが、実際は全然そんなことはなくて、生活費を稼ぐだけでも大変で長時間働かないといけないんですよね。自分は理系なので、研究などの時間も必要で、普通に仕事をしながら卒業するのは事実上不可能でした。でも、ポーカーならそれが可能だったんですよね。それならせっかくだから卒業しようと思って復学し、無事に卒業しました。後藤さん:――ご家族はプロポーカープレイヤーになることに対して反対はしなかったですか?木原さん:もし親と同居していたり、仕事をもらっていたりしたら話は別かもしれませんが、一人暮らしで親からお金をもらっているわけでもなかったので、反対はなかったですね。親への報告はすべて事後報告でしたし、仮に反対されても変えるつもりはなかったので、特に問題にはなりませんでした。後藤さん:――こうちゃんさんはなぜ就職しなかったんですか?こうちゃんさん:まず簡単に自己紹介ですが、大学を卒業してQuizKnockで3〜4年働き、その後独立しました。半年後くらいに麻雀プロになって今はクイズを作ったり、テレビに出たり、麻雀をしたりといろんなことをしています。木原さんとは対照的に、僕は大学をすぐに卒業しました。その中で中高の教員免許も取っていて、大学3年生くらいまでは「先生になろう」と思っていました。東京の私立高校を受けようと考えていて、もともと人に何かを教えるのが好きだったので、そういう仕事に就こうと思っていたんです。でも、ちょうどその頃にQuizKnockが人気になってきて、「せっかくだし、しばらくここで働こう」と思うようになりました。ただ、将来的にまた先生をやりたくなったらその時考えるかもしれませんね。木原さんが「親への報告は事後報告」と言っていましたが僕も同じですね。もちろん仲は良くていろいろ話しますが、進路や仕事に関してはすべて事後報告でした。両親から「大企業で働いたら?」と言われたこともありましたが、スルーしていました(笑)。提案されることはあっても強制されることはなかったですね。こうちゃんさん:――後藤さんはなぜ就職しなかったんですか?後藤さん:まず簡単に自己紹介ですが、大学在学中は『東大王』というクイズ番組に3年半ほど出演していました。そして去年から、家庭教師サービスをメイン事業とする会社を経営しています。また、POKER Q’zを開発するCLOViZの取締役にも入っています。起業した理由は、大企業に就職して安定した人生を送るよりも分散の大きい人生に魅力を感じたからです。また、父に中学生の頃から「若いうちにリスクを取れ」と言われていました。「家庭を持つとリスクが取りづらくなるから若いうちにやっておいたほうがいい」という考えだったみたいですね。母はどちらかというと保守的で、「やっぱり大企業がいいんじゃない?」と言っていました。でも最終的には私の選択を尊重してくれました。僕は親と同居していて住居も提供してもらっていますが、何かを強制されることはなくとてもありがたかったです。その分今はリスクを取って挑戦し、成功したらしっかり恩返ししたいと思っています。2. 大企業に勤めるメリットとは?——個人ではできないスケールの仕事後藤さん:――大企業に勤めるメリットは何だと思いますか?木原さん:一番のメリットは、何百億円規模のビジネスを動かせることですよね。個人ではそういう規模のビジネスをやるのは難しいし、そこまで持っていくのも大変です。大企業では、たとえ利益を出しても給料として会社に取られてしまう部分はありますが、それでも大規模なビジネスを動かせるのは魅力的だなと思いますね。3. ポーカープロ・麻雀プロのリアルなデメリットとは?——「信用がない」「収入が不安定」後藤さん:――僕たちのような働き方だと、社会的信用が低く、お金を借りにくいこともあると思うのですが、そのデメリットを感じたことはありますか?木原さん:かなりありますね。今住んでいるところの賃貸保証会社の審査が通らなくて、妻の名義になっています。以前の住まいでは自分の名義で通ったんですが、引っ越しのタイミングで保証会社が変わることになり、そこで通らなくなりました。でも、職業がポーカープロでも住宅ローンは通りました(笑)。後藤さん:ポーカープロや麻雀プロ、メディア出演など、こういう道を選んだからこそ感じるデメリットって他にもありますか?こうちゃんさん:月によって収入がバラバラなので、「今月はちょっと厳しいな」と感じることはありますね。完全に不安定とは思わないけど、一定の給料が保証されているわけではないのでデメリットだと思います。木原さん:僕の場合、振り込まれるどころか、月の収支がマイナスになることもあります。株価の下落もそうですし、ポーカーでも何ヶ月かトータルでマイナスになることもあります。仕事をしているのにお金が減る、というのは普通の仕事とは違いますよね。でも、ある程度勝てるようになれば、長期的に見たときの時給はやっぱり高いです。ただ、世界全体のレベルがどんどん上がる中で、自分は年を重ねるにつれて実力が下がったり、上達のスピードが落ちたりする。そうすると、ついていけなくなったときに食べていけなくなる可能性がある。そこが一番のデメリットですね。後藤さん:――投資をここ2〜3年くらい本格的にやられていますよね。それは将来的な備えという意味もあるんですか?木原さん:全然そういう意図はないですね。ただ単純に面白いゲームとして遊んでいる感覚です。4. 強いだけでは食べていけない?——プロとして生きるために必要なこと後藤さん:――麻雀プロとして活動したり、番組に出演したりすることについてどう思いますか?興味がある人は多いと思うんですが、将来の不安定さがネックで躊躇してしまう人も少なくないと思うんですよね。木原さん:基本的に、麻雀プロというのは「職業」ではなく「資格」に近いものだと思っています。ある種の趣味のサークルで、一定の実力がないと入れない足切りがある、みたいなイメージですね。その中でトップ層に行けば仕事として成り立つ可能性があるけれど、ほとんどの人にとっては麻雀プロは「職業」ではない。そういう意味では夢を追うことができる世界ではあるけれど、現実的に生計を立てるのは簡単ではないですね。こうちゃんさん:そうですね。麻雀プロとして生きていくのは、単に「強ければいい」という話ではなく、それぞれがどういう形で活動していくのかを考えなければいけないんですよね。将棋プロや囲碁のプロは、それに打ち込むこと自体がそのまま生きる道になっていて、勝てば収入が増えるし、競技そのものが職業として成立しています。でも、麻雀の場合、「それなりに勝てます」というレベルでは、それだけで生活していくのは難しい。だからこそ、自分をどうプロデュースしていくかが重要になってきます。ただ、最近は麻雀を教えることの価値がどんどん上がってきて給料も上がり、ハードルが下がってきたと思いますね。後藤さん:起業も同じで、昔は「資本金が1000万円ないとダメ」とか、「会社を潰したら一生後ろ指をさされる」みたいな時代でした。でも、今はそういうハードルがだいぶ下がりましたよね。資本金の制限も緩和され、もし起業に失敗してももう一度チャレンジできる風潮が広まっています。むしろ起業して失敗した経験が他の企業から高く評価されることも増えています。麻雀やポーカープロの世界も同じで、昔と比べると環境がどんどん変わってきています。今は、やりたいことにチャレンジしやすい時代になったと思いますね。こうちゃんさん:以前は、僕たちみたいなフリーな生き方をしている人は、「安定しない人たち」 という冷たい目で見られがちでしたが、最近は 「これもこれで一つの生き方としてアリだよね」 という風潮になってきたと思います。同時に、そこそこの企業に就職することの価値が相対的に下がっていて、「就職してもリスクはあるよね」 という考え方も広まっているように感じます。もう 「この道を選べば絶対安心」 みたいなものが存在しない時代になってきたのかもしれませんね。5. ポーカープロ・麻雀プロ・起業を目指す人へのアドバイス——「悩んでいるならやめたほうがいい?とりあえず動いてみる?」後藤さん:――最後に、木原さんのようにポーカープロになりたいけど躊躇している人や麻雀プロや出演系の仕事をやりたいけど踏み出せない人に向けて、何かアドバイスはありますか?木原さん:正直、悩んでいる時点でやめたほうがいいと思っています。ポーカーは「千分の一の確率で食っていける」とは言いましたが、今食えているからといってそれが一生続くわけではありません。たとえ25歳で食えていたとしても、50歳、60歳になったときにも食えていなければならない。そのためにはスキルの貯金とお金の貯金の両方が必要になります。それを考えると、最低でも「一万分の一」に入れるレベルでないと厳しいと思うんですよね。一万分の一の世界って、単なる努力で到達できるものじゃないんです。「努力しなきゃ」と思ってやっている人は基本的に向いていません。努力している意識がある時点で大体ダメだと思います。 だからもし悩んでいるならやめておいたほうがいいかもしれません。こうちゃんさん:麻雀プロとしては、麻雀人口が増えてくれるのはすごく嬉しいので、みんなにぜひ挑戦してほしいですね。ただ、「それで食っていく」となると話は別です。それぞれの生き方の根底にある自信が大事なんじゃないかと思っています。例えば、もしこの先僕がメディアに全く出なくなって、麻雀プロとしての活動を辞めることになったとしても、僕は 「それでも生きていける」 という自信があります。それは、今まで勉強してきたことや、積み重ねてきた経験があるからです。だから 「これで生きていけますか?」 っていうより、「自分はどんな状況になっても生きていける」 という自信があれば、やってみてもいいんじゃないかなと思います。例えば、僕は教員免許を持っているので、いざとなれば先生として働く道もあります。そういうスキルや強みが自信につながるんですよね。相談されても、「絶対大丈夫だよ」と保証はできません。なので自分の中でしっかり対話して決めることが大事だと思います。とはいえ、僕自身はこの世界に来て本当に楽しいですし、もし麻雀プロにならなかったら、後藤さんや木原さんとも出会えていなかったと思います。たまたまこの道を選んだからこそ、出会えた人たちがいる。それはすごくいい人生を送っているなと思います。だから、やってみるのもありなんじゃないかなと思いますね。後藤さん:起業についてですが、先程も言いましたが昔に比べてリスクを取りやすい環境になっています。なので、悩んでいるならまず一度なるべく若いうちにやってみるのがいいんじゃないかなと思います。たとえ失敗してももう一回やり直せるし、「やっぱ向いてないな」と思ったら企業に就職する選択肢もあります。それに起業して失敗した経験を高く評価してくれる会社も増えている のでそれを活かして働くこともできますよね。僕自身、今はほぼ週7で働いていて、空いている時間は全部仕事みたいな感じですが、それでも楽しくやれています。やっぱりやってよかったなと思っています。なので悩んでいるなら思い立ったその日にとりあえず動いてみるのがいいんじゃないかなと思います。

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【脱初心者に向けて】本当は今すぐ直しておきたいポーカーの悪習慣について①Tips

【脱初心者に向けて】本当は今すぐ直しておきたいポーカーの悪習慣について①

あなたは大丈夫? 筆者はちょうど1年前にポーカーのルールを覚えました。自分もそうでしたが、ポーカーは最初どうやったら強くなるのかが分かりづらく勉強に苦心するかもしれません。そこで今回は私自身が、初心者から脱却した方法について皆さん共有していければと思います。まず、本記事では、プリフロップにおける初心者がまず直すべき悪習慣を2つ、「リンプ」と「コールドコール」について紹介します。これさえ直せば、あなたも脱初心者に向けた第一歩を進められますよ!1. 悪習慣 ① リンプ 「リンプ」とは簡単に言えば、BBにコールして参加するということです。言い換えれば、最少額で参加するということです。 あなたは[2h] [9d]を持っていて、あなたの前の人は全員フォールドしました。このときBBの100点にコールをして参加するのが「リンプ」です。とりあえず参加して次に開かれるカードが見たいという方も多くいらっしゃるかもしれません。しかし、結論からいいます。 そのリンプ、やめましょう このような極端に弱いハンドは、脊髄反射でフォールドしましょう。「もしかしたらボートに2と9が落ちてツーペアになるかも」という悪魔の囁きは耳をふさいで無視しましょう。それではこのような弱いハンドでのリンプの問題点を説明します。弱いハンドでのリンプはチップを失うだけ [2h] [9d]というハンドは、相手の弱いハンドも含むランダムのハンドに対してですら、約36%程度の程度の勝率しかありません。もっと強いハンドに対してだったり、あるいは複数人でポットを争うようになるともっとその勝率は下がります。「たかが100点」と思うかもしれませんが、塵も積もれば山となるです。このような極端に弱いハンドで参加していくことは余計にチップを失うだけです。 次に、以下のような場面を考えてみましょう。 今度はあなたは[Ah] [Ks] という非常に強力なハンドを持っています。そして、このときにBBの100点にコールして参加することがリンプでしたね。もうお分かりだと思いますが、改めて結論をいいます。 そのリンプ、やめましょう このような強いハンドは、自信満々にレイズしましょう。「強いハンドだからここで降りられちゃったらもったいない」という悪魔の囁きは耳をふさいで無視しましょう。このような強いハンドでのリンプの問題点は主に2つあります。① 強いハンドでレイズをして給料をあげる [Ah] [Ks]というハンドは、やはり非常に強力なハンドです。ボードにAが落ちれば最も強いワンペアを作れるし、お互いにペアができなくても、Aハイで勝利することができます。さらに、ストレートやフラッシュが完成したときも、強いストレートやフラッシュを作ることができます。つまり、非常に相手に勝ちやすいカードです。しかし、ここで大切なことがあります。それは、ポーカーはハンドの勝ち負けのゲームではなく、チップを増やすゲームであるということです。ショーダウンして相手に勝利しても、毎回少ししかチップを取れなかったらポーカーでは勝てません。このハンドで「相手を降ろす/ショーダウンで勝利する」という労働に対する対価は、自分で積極的にベットしていかなければ増えません。自分自身の手で給料をあげていきましょう。② 弱いハンドに負けないようにする リンプをするということは、BBの人は何もしなくても参加できるということになります。更には他の人も非常に参加しやすい状況になっています。ポーカーは、参加する人数が増えれば増えるほど勝率は下がっていきます。そして、ポーカーの「強いハンド」は実は思ったよりも強くないのです。今回の[Ah] [Ks]というハンドも、3人勝負になっときに、相手の弱いハンドを含むランダムなハンドに対してすら、約48%程度の勝率しかありません。 余談とはなりますが、本能寺の変を起こした明智光秀は、その後羽柴秀吉の軍勢に敗北し、深夜に地元近江に向かい逃走していました。しかし、その途中に落ち武者狩りをしていた農民に竹藪から槍で刺され、そのまま最期を遂げました。不運にもそこに農民がいたことによりこのような悲哀の死を遂げました。強いハンドでしっかり勝つために大切なことは、参加人数を減らして、弱いハンドを除去した状態を作ることです。竹藪から農民に殺されないように気を付けましょう。2. 悪習慣 ② コールドコール 「コールドコール」とは簡単に言えば、プリフロップで前の人のレイズにコールして参加するということです。 あなたはSBで、前の人からレイズを受けています。あなたはどんなハンドでコールドコールをしますか?それでは、やはり結論からいいましょう。 どんなハンドでもコールしてはいけません 「レイズするほど強くないし、かといって降りていまうのももったいないからコールしよう」としていませんか?それは基本的には損なアクションとなるのでやらないように気を付けましょう。それではコールドコールの問題点を説明します。① 強くないのがバレる 先ほど「リンプ」のところで説明したように、強いハンドはレイズして、給料を上げ、竹藪から農民に殺されないようにするポット額を大きくし、参加人数を減らして確実に勝ち大量のチップを獲得することを目指し、そうでないハンドはフォールドするのが基本となります。しかし、そこであえてコールをしてしまう場合、そのハンドは強くも弱くもないハンドになってしまうのではないでしょうか。このように自分のハンドに強いハンドが含まれていないことがバレている状況は、その後の展開で極めて不利になります。② 先のポジションは不利 特に、SBは今後ずっと最初にアクションしなければなりません。ポーカーは相手のハンドが見えないため、情報がカギを握るゲームです。相手のアクションを見てから自分のアクションを決められる方が有利なため、SBというポジションはデジタルディバイドの弱者側に立っているようなものです。このような状態ではあまり戦いたくはありません。よってレイズで相手を降ろしてしまう価値が特に高いポジションとなります。逆にいえば、最後にアクションができるBTNというポジションの人は、少しコールドコールをしてもよい余地が生まれるともいえます。今すぐできるプリフロップの練習方法 本記事では、プリフロップにおける、初心者がまず直すべき悪習慣を2つ紹介しました。皆さんはどれくらいあてはまったでしょうか。プリフロップは、フロップ以降と違い、毎回必ず訪れるシチュエーションなので、プリフロップで損をしてしまうことは、一番の大損です。今回紹介したこと以外にも、プリフロップで気を付けるべき点はたくさんあります。そしてそのようなことを全て考慮した結果、プリフロップにはレンジ表というものが存在します。レンジ表では、どこのポジションからどのようなハンドでどのようなアクションをすればいいのかが、表になってまとまっています。レンジ表を覚えるのがプリフロップをマスターする一番の近道です。 そうはいっても、レンジ表をいきなり全て覚えるのは難しいでしょう。しかし、『POKER Q'z』では、クイズ感覚で楽しくプリフロップの練習ができます!ぜひ下記リンクよりダウンロードしてプリフロップの練習をしてみてください!これさえマスターできればあなたは完全に初心者脱却です!

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