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【初心者必見】ポーカーで強くなるための学習ロードマップ〜基礎からキャッシュ・トナメルートについて〜基礎知識

【初心者必見】ポーカーで強くなるための学習ロードマップ〜基礎からキャッシュ・トナメルートについて〜

ポーカーのルールは覚えたけど、何を勉強したらキャッシュゲーム・トーナメントが強くなれるのか分からない……そんな方に向けて、この記事では「何をどの順序で学べば効率的に強くなれるか」を明確にした学習ロードマップを紹介します。このロードマップに沿って学べば、キャッシュゲームとトーナメント、自分の好みに合わせて方向性を間違えずに上達できます!1. 基礎編 - まずはポーカーの基礎を身につけよう!キャッシュゲームとトーナメントはルールの異なるゲームですが両者に共通する重要なポイントがたくさんあります。まずはキャッシュゲームとトーナメントの両者に共通する基礎知識をしっかりと身に付けましょう。1.1 プリフロップを覚えようプリフロップはポーカーで毎ハンドプレイすることになるため、成績に非常に直結しやすいです。そのため、プリフロップは最優先で勉強すべきストリートといえます。以下にまず覚えるべき重要なポイントをまとめました。まだ誰も参加していないときはコールではなくレイズで参加する。より早くに順番が回ってくるポジションほどたくさんフォールドする。「参加しすぎ」はNGポーカーを覚えたての方は、プレイしたい気持ちが逸るあまり、弱いハンドでもたくさん参加して損をしてしまいがちです。まずは、ポジションごとにどのようなハンドで参加すべきなのか勉強しましょう。そして、参加すべきハンドについてある程度理解できたら、次は相手からレイズがきたときの対応について勉強してみるのがよいでしょう。1.2 フロップの戦い方を学習しようプリフロップでの戦い方が理解できたら次はフロップの戦い方について学習しましょう。プリフロップでは自分の2枚のハンドだけで参加するかどうかを決めればよかったのですが、フロップではボードにどのようなカードが開かれるかでプレイが大きく変わります。そのため、ボードの特徴を把握することが重要です。ボードの特徴を把握するため次のようなポイントに注目してみましょう。最も数字の大きなカード数字のつながり具合スートの種類ペアの有無ボードの特徴をもとに、「どのプレイヤーが強いハンドを持っている可能性が高いのか」といったことを考えながらプレイできると良いですね。1.3 ターン・リバーの戦い方を学習しようフロップの次はターン・リバーについて勉強しましょう。ターン・リバーはプリフロップ・フロップと比べてプレイする機会は少ないのですが、ポットが大きくなっている場合が多く、1つのミスが大きな損失に繋がりやすいといえます。ターン・リバーで陥りがちなミスには次のようなものが挙げられます。自分のハンドの強さを過信する相手のハンドについて一点読みしようとしてしまうポーカーでは相手の持ちうるハンドを想定し、自分のハンドがどのくらい強いのかを見積もりながらプレイすることがとても重要です。意識を少し変えるだけで、強さを過信してバリューベットを打ち、一方的に損をするといったことを避けられるようになります。1.4 ディフェンスについて学ぼう相手のベット・レイズに対し、フォールドせずコール・レイズをすることを「ディフェンス」といいます。相手からベット・レイズを受けたときには適切な頻度でディフェンスをしなければなりません。ディフェンスしすぎても、フォールドしすぎても損をしてしまうのです。相手のベット額・レイズ額の大きさによって、どれくらいの頻度で、どのようなハンドでディフェンスするべきなのかを勉強してみましょう。 2. キャッシュ編ポーカーの基礎を学んだら次はキャッシュゲームルートとトーナメントルートに分かれます。まずはキャッシュゲームルートについて紹介します。キャッシュゲームでは常に自分のチップの量の期待値が最大になるようなプレイを目指すことになります。また、トーナメントに比べてスタックが深い状態でプレイすることが多いので、そのような場面を中心に学んでいきましょう。次のような順番で学習していくことをおすすめします。100BBのSRPまずはプレイする機会が多いSRP(=「プリフロップでのレイズが1回の場面」)について弱点のない戦略(=GTO)を学びましょう。 100BBの3bet, 4betポット次は3bet,4betポットです。SRPと比べてポットが大きくなるのでSRP以上にオールインを見据えたプレイをすることになります。相手に合わせたエクスプロイトエクスプロイトとは相手の戦略の弱点をつくプレイをすることです。相手のプレイスタイルに応じて、自分のプレイをどのように変化させるべきかを勉強しましょう。コールしすぎる相手にはブラフを減らす、フォールドしすぎる相手にはブラフを増やすなどがエクスプロイトの典型例です。150BB以上のディープスタックスタックが深くなると1つのハンドで大量のチップを得られる可能性が出てくるため、ハンドの価値が変わります。どのようにプレイを変化させるべきかを勉強してみましょう。 おすすめ記事↓https://japan.gtowizard.com/blog/principles-of-gto/https://japan.gtowizard.com/blog/exploitative-dynamics/3. トーナメント編トーナメントは順位によって賞金が決まるというルールのため、トーナメント特有の知識を身につける必要がなります。次のような順番で学習していくのがよいでしょう。トーナメントの基礎トーナメントをプレイする上で知っておいたほうがよい次のような概念について勉強しましょう。ICMトーナメントでは自分の持っているチップの量と得られる賞金の期待値は必ずしも比例しません。チップの量から賞金の期待値を求めるモデルの1つとして「ICM(Independent Chip Model)」というものがあります。トーナメントの終盤はこのICMを考慮してアクションを選択していく必要があるのです。BF「BF」とは「バブルファクター」の略で、チップを減らすことのデメリットとチップを増やすことのメリットの差を表す指標のことを指します。この値が大きいほどチップを失うことのデメリットが大きいことを表します。RP「RP」とは「リスクプレミアム」の略で、チップの量だけを考えたときの必要勝率に加えて何%の勝率が余分に必要になるかを表す指標のことを指します。これらの指標をプレイ中に実際に算出することは困難ですが、大まかに見積もりながらプレイすることで、賞金期待値の高くなる選択をすることができるようになります。30BB以下のchipEVでの戦い方「chipEV」とはアクションの結果として得られるチップ量の期待値のことを指します。トーナメントではチップの量と賞金期待値は必ずしも比例しませんが、入賞まで遠い状況ではchipEVによってアクションを決定することが賞金の期待値を上げることに繋がります。まずはチップの量を最大化するプレイを目指して練習しましょう。BFによるレンジの変化BFが大きな場面ではハンドレンジが変化します。自分と相手のスタックに応じて適切なハンドレンジがどのように変化するのかを勉強しましょう。30BB以下の$EVでの戦い方「\$EV」とはアクションの結果、得られる賞金の期待値がどれほど変化するかを指します。トーナメントの終盤では「chipEV」がプラスなのに「\$EV」はマイナスになるという場面も多く見られます。どのようなプレイをすれば賞金の期待値を最大化出来るのか勉強しましょう。おすすめ記事↓https://note.com/gaku_btn/n/n42d355a709ef「POKER Q'z」を使うと、ここで紹介したポーカーの基礎についてクイズ形式で勉強することが出来ます。これらの基礎を理解してレベルアップを目指しましょう! まとめこの記事ではポーカーを強くなるためには何から勉強したらよいのか解説しました。ポーカーは相手のハンドや次に開かれるカードがわからない不完全情報ゲームのため、自分のプレイが正しかったのかを判断するのが簡単ではありません。最適なアクションを判断するには基本的な知識と論理的な思考力が必要となってきます。この記事の内容を参考に効率的にスキルを磨いていってくださいね。

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【あなたはジャイアンベットしてない?】今すぐ直しておきたいポーカーの悪習慣について②基礎知識

【あなたはジャイアンベットしてない?】今すぐ直しておきたいポーカーの悪習慣について②

悔しかった経験ありませんか? 「プリフロップはレンジ表に従ってできるけど、ボードが開いてからはどうすればいいかわからない...」という方も多いのではないでしょうか。私も初心者の頃は特にそうでした。しかもポストフロップはポット額が膨らんでいくので、ひとつのミスが命取りにもなります。相手の大きなベットに、悩みに悩んでコールしたが、自分のハンドは余裕で負けていて「冷静に考えたら何であの時コールしちゃったんだろう...」と悔恨の念に駆られたこともあるのではないでしょうか。ポストフロップについても事前にしっかり勉強をして、そのような致命傷のミスを少しでも減らしていけるようにしましょう! 前回の記事では、プリフロップにおける脱初心者に向けて今すぐ直すべき悪習慣を2つ取り上げました。本記事では、この続編として、ポストフロップにおける初心者がまず直すべき悪習慣を2つ、「とりあえずコール」と「ジャイアンベット」について紹介します。(※今回の記事は全くポーカー用語ではなく、本記事のみで使用している用語です。)これさえ直せば、あなたも脱初心者に向けた第一歩を進められますよ!https://pokerqz.com/blog/poker-beginner-bad-habits-0011. 悪習慣 ① とりあえずコール あなたはBBで[As] [5h]というハンドを持っています。BTNの人の250点のレイズにコールで参加したため、ポットにはフォールドしたSBの分も含め、550点入っています。あなたはまずチェックをしましたが、BTNから275点(ポットの半分)のベットをされました。 「自分はAという一番強いカードを持っていて、Aさえ落ちれば勝てるから、とりあえずコールだ!」としている人、いませんか? その "とりあえずコール"、やめましょう 「Aを持っているからとりあえずコール」のようなコールは、無駄にチップを減らすだけです。すぐにやめましょう。 そもそも、Aがボードに落ちる確率はどれくらいあるのでしょうか。結論から言いますと、約12%程度しかありません。つまり、8回に1回程度しかAは引けません。しかも、仮にAを引けても、相手の[Ac] [Tc]のようなキッカーの強いAや [Ks] [3s] などのツーペア以上のハンドには負けます。実はAを引けたとしてもそれは”最強ハンド”ではないのです。 ここで、上述のAが落ちる確率についてですが、もの凄く簡単な概算方法があるのでそれを紹介します。難しい計算は一切なく、数学が苦手な方でもすぐに使うことができる方法ですので、ぜひ覚えていってください。勝率計算に役立つ2%ー4%の法則 フロップ、ターンそれぞれにおいて、リバーまでに引きたいカードがボードに落ちる確率は次のように概算できます。 フロップ:(カードの残り枚数)× 4 (%) ターン:(カードの残り枚数)× 2 (%) すごく簡単な法則ですよね。これは、トランプの枚数が52枚であるためこのような計算方法になります。では実際に、上の図の場面でAが引ける可能性を考えてみましょう。自分で[As]を持っているため、残りのAは[Ah] [Ad] [Ac] の3枚です。フロップでの確率を考えているので、 3×4=12 (%) よってAはおよそ12%しか引けない、つまり8回に1回程度しか引けないということが分かります。 初心者の方は、多くの場合で「とりあえずコール」をしすぎる傾向にあると思います。コールをする前に、一回踏みとどまってみましょう。また、上で紹介して2%ー4%の法則はとても便利なので、ぜひ覚えて色んな場面で使ってみてください!2. 悪習慣 ② ジャイアンベット最強ジャイアンと弱小のび太 ー強いからベット、弱いからチェック あなたの目の前のポーカーテーブルには、ジャイアンとのび太が座っています。ジャイアンは必ず最も強いハンドを持っていて、のび太は必ずノーペア(ハイカード)という凄く弱いハンドを持っています。あなただったらこの二人とどう戦いますか? ①ジャイアンからベットされたときは、自分は必ず負けているため、全ハンドでフォールド ②のび太がずっとチェックしていても、のび太はすごく弱い役のため、たとえ自分のハンドが弱くても、ブラフベットをして降ろしてしまう となるのではないでしょうか。ジャイアン、のび太がそれぞれどんなハンドを持っているかを予め分かっていると、もの凄く簡単に対処できてしまいます。そうなると、ジャイアンはいつまで経ってもコールをもらえないし、のび太はいつまで経っても降ろされてしまうため、チップは増えません。 ここで問います。 あなたのアクションも、「ジャイアンとのび太」になっていませんか? 先ほどと似た状況を考えます。あなたはBBで[3s] [3h]というハンドを持っています。BTNの人の250点のレイズにコールで参加したため、ポットにはフォールドしたSBの分も含め、550点入っています。そして僥倖、フロップで[3c]が落ち、スリーカードが完成しました。そこであなたは「めっちゃ強い役が完成したから、大きくベットしちゃおう」と550点(ポットと同額)のベットをしました。しかし、結論から言います。 その"ジャイアンベット"、やめましょう そのベット、ジャイアンベットになっていませんか。「強い役が完成したからたくさんベットする」ということは、「たくさんベットしているときは強いハンドを持っていて、そうでないときは弱いハンドを持っている」ということです。これでは、完全にジャイアンとのび太になってしまっていますね。せっかくのスリーカードという強い役が完成したのに、相手にすぐにフォールドされてチップを全然取れずに終わってしまいます。 このようなジャイアンベットに陥らないために以下の点に気を付けましょう!・強いハンドでチェックすることも検討する・自分のハンドが極端に弱い時(ノーペアなど)にブラフすることを検討するドンクベット 上のような状況のベット、つまりコールした側がベット/レイズしてきた相手より先に打つベットを、「ドンクベット」といいます。初心者のうちにこのようなベットをしていまうと、損になることが多いので、基本的にはドンクベットは控えましょう。 「コールしたらチェック」と覚えておきましょう。 なぜ損になるのか気になりたい方、もう一歩ステップアップしたい方は、以下の記事でドンクベットについて詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。https://pokerqz.com/blog/donk

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【頻出用語】トゥワイスについてポーカー始めたての初心者にも分かりやすく解説用語解説

【頻出用語】トゥワイスについてポーカー始めたての初心者にも分かりやすく解説

ポーカーをプレイしていて、オールインが入ったときに、「トゥワイス」という言葉を聞いたことがありますでしょうか? リングゲームにおいて使われることが多い言葉なので、トーナメントをメインにプレイされている方だと聞いたことがないかも知れませんね。この記事ではポーカーにおける「トゥワイス」について初心者の方にも分かりやすく解説します。1. 「トゥワイス」とは?「トゥワイス」とは「run it twice」の略で、リバー以前に全員がオールインしたときにボードを2回開き、それぞれの結果に応じてポットを分割するというオプションのことを指します。運による振れ幅(=「分散」)を小さくする目的で行われます。主にリングゲームで採用されており、オールインしている全プレイヤーが同意すればボードが2回開かれるというルールが一般的です。「2人でポットを争っているとき(=「ヘッズアップ」)限定」、「3回以上ボードを開くことも可能」など、カジノやポーカールームによって様々なルールがあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。2. 「トゥワイス」の例実際にどのようにトゥワイスが行われるのか見てみましょう。以下の状況を例に考えます。2人でポットを争っている。フロップで1人がオールインし、もう1人がコールここで両者がトゥワイスに同意すると、ターン・リバーが2回ずつ開かれ、それぞれの結果によって、ポットが分割されます。この画像の例では、1回目は右のプレイヤーが、2回目は左のプレイヤーが勝利したため、引き分け(=「チョップ」)となり、2人はそれぞれポットの半分を獲得します。3. 「トゥワイス」って損なの?得なの?トゥワイスをすることで、得られるチップの期待値が変化することはあるのでしょうか?ここではターンでオールインが入った場合を例に考えてみることにしましょう。このとき、現状では右のプレイヤーが勝っており、左のプレイヤーが勝つにはリバーで[Ah][Ad][Ac][Js][Jc]の5枚のうちいずれかを引く必要があります。トゥワイスをする場合としない場合とで、左のプレイヤーの得られるチップの量の期待値を計算してみましょう。トゥワイスをしない場合このボードでは引き分けになることがないので、残りの44枚のうちアウツ(=引けば勝ちになるカード)の5枚が出れば勝ち、それ以外の39枚が出たら負けとなります。そのため、期待値はポット額の5/44になります。 トゥワイスをする場合左のプレイヤーが両方勝つ場合、片方だけ勝つ場合の確率をそれぞれ求めてみましょう。両方勝つ場合 両方勝つのは、残りの44枚から2枚引いて、2枚ともがアウツである場合であり、その確率は、(5×4)/(44×43) = 5/473となります。片方だけ勝つ場合片方だけ勝つのは、残りの44枚から2枚引いて、一方がアウツ、他方がアウツでない場合であり、その確率は、(5×39×2)/(44×43) = 195/946となります。片方だけ勝ったときにはポットの半分だけ得られるということを考えて期待値を計算すると、1×(5/473) + (1/2)×(195/946) = 5/44となり、期待値はトゥワイスをしない場合と同じ、ポット額の5/44であることがわかります。ここではターンでオールインが入った場合を例に挙げましたが、プリフロップ・フロップでオールインが入った場合もトゥワイスによって期待値は変わらないということが知られています。トゥワイスによって勝率が変わることはないのですが、注意しなければならないのが「レーキ」の存在です。トゥワイスをした場合、カジノの取り分であるレーキが増える場合があります。分散が小さくなることは魅力的ですが、レーキによってトゥワイスをすることが損になることもあるのです。事前にルールを確認しておきましょう。ポイントトゥワイスをしても勝率は変わらないトゥワイスによってレーキが増え、損をすることもある。「レーキ」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。https://pokerqz.com/blog/rakeまとめこの記事では「トゥワイス」について解説しました。トゥワイスをすることで、振れ幅が小さくなり安定したプレイをすることができますが、あえてトゥワイスを拒否して振れ幅の大きな勝負を楽しんでも構いません。自分の好みに合わせて選択しましょう。この記事の内容が参考になれば幸いです。

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【初心者必見】トーナメントとリング・キャッシュゲームって何?ポーカールールの違いを分かりやすく解説!基礎知識

【初心者必見】トーナメントとリング・キャッシュゲームって何?ポーカールールの違いを分かりやすく解説!

みなさんはトーナメントとリングゲーム、どちらがお好きでしょうか?たくさんのオールインが飛び交うトーナメントと深いスタックでじっくりプレイするリングゲーム、それぞれに違った魅力がありますね。この記事ではそれぞれのルールや戦略の違いについて分かりやすく説明します。トナメとリング、それぞれの魅力を感じていただければ幸いです。1. トーナメント・リングゲームとは?トーナメントトーナメントは手持ちのチップを全て失ったプレイヤーから敗退していくバトルロワイヤルのようなルールのゲームです。直前まで大量のチップを持っていたとしても、オールインによりチップを全て失ってしまったら、その時点で敗退です。ゲームが進むにつれブラインドの額が上昇するため、浅いスタックでプレイすることが多いのもトーナメントの特徴です。さらに、ほとんどのトーナメントではブラインドとは別の強制参加費「アンティ」が設定されており、より多くのハンドで参加することが推奨されます。 リングゲーム / キャッシュゲーム純粋に手持ちのチップを増やすことを目的とするポーカーです。トーナメントと違ってプレイ中にブラインドが上がっていくということがないので、深いスタックでじっくりとプレイすることができます。また、カジノ側の取り分である「レーキ」がポットから徴収される場合もあります。リングゲームとキャッシュゲームは本来同じ意味ですが、日本では特に金銭を賭けないものを指して「リングゲーム」と呼ぶことが多いです。「アンティ」「レーキ」についてはこちらの記事をご覧ください!https://pokerqz.com/blog/antehttps://pokerqz.com/blog/rake2. 違いその① ― スタックの大きさトーナメントとリングゲームにおいてスタックの大きさ(手持ちのチップが何bbあるか)は最も重要な違いといっても過言ではありません。トーナメントではブラインドがどんどんと上昇していくため、序盤以外はスタックが浅い状態でプレイすることが多くなります。スタックが浅いとどのようなことが起こるか見ていきましょう。2.1. オールインが強力スタックが浅くなるとポットに対して自分のスタックが相対的に小さくなります。そのため、スタックが深いときと違ってオールインをたくさんする必要があります。敗退を過度に恐れてオールインをためらっていると利益を取り逃がしてしまいます。積極的にオールインするようにしましょう。スタックが20bbを下回ってくると、プリフロップでいきなりオールインすることも視野にいれながらプレイしましょう。2.2 ハンドの価値が変わるスタックが浅いと強い役を完成させたとしても得られるチップがそれほど多くはないため、[9h][8h]のような低確率でできる強い役に期待するハンド(=「投機的なハンド」)の価値が下がります。プリフロップでオールインになることも多いので、[5s][5d]のようなローポケット、[Ah][4c]のようなAを含むハンドといったポストフロップでは戦いづらいけれどプリフロップでの勝率が比較的高いハンドの価値は急上昇します。3. 違いその② ― チップの価値リングゲームでは自分のスタックの大きさはそのままスタックの価値を表しています。つまり、1000点のスタックは500点のスタックのちょうど2倍の価値があるのです。しかし、トーナメントでは必ずしもそうではありません。スタックが2倍になったからといって、得られる賞金・賞品の期待値が2倍になるとは限らないのです。例を挙げましょう。あなたは上位5人に大きなトーナメントの出場権が与えられるトーナメント(=「サテライトトーナメント」)に参加していて、残りは10人です。各プレイヤーのスタックは、チップリーダー 10,000点あなた 5,000点残りの8人 1,000点です。このトーナメントでは1位と5位は価値が全く同じです。5位にさえなればいいのです。つまり、「上位5人に入れる確率」がスタックの価値を表しています。チップリーダーはあなたの2倍のチップを持っていますが、「上位5人に入れる確率」はあなたの2倍もあるのでしょうか?そんなことありませんね。チップリーダーもあなたも90%以上の確率で上位5人に入れそうです。このように、トーナメントでは賞金・賞品を多く得ることを目指してプレイしなければならないのです。この例ではチップリーダーからオールインされた場合、仮に[As][Ad]でもフォールドしたほうがよいでしょう。入賞が近づいてきたら、チップを増やすことを目指すのではなく得られる賞金・賞品を最大にすることを目指してプレイしてみましょう。 まとめこの記事ではトーナメントとリングゲーム/キャッシュゲームの目的と戦略の違いについて解説しました。まとめると、スタックが浅くなるトーナメントではオールインが重要トーナメントでは単にチップを増やすことではなく、より多くの賞金・賞品を得ることを目指すということでした。トーナメントでは敗退を恐れるあまり、たくさんフォールドしすぎてしまい、ブラインドとアンティてスタックを減らし続けてしまう初心者の方がたくさんいます。勇気をもってオールインをしてみましょう。また、トーナメントとリングゲーム、片方しかプレイしたことがないという方はこの記事の内容を参考にもう片方のゲームにも挑戦してみてください。新しい楽しみが見つかるかもしれません。

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EDGE POKERをきっかけに考える、POKER Q’zが目指す理想のAIポーカーアプリコラム

EDGE POKERをきっかけに考える、POKER Q’zが目指す理想のAIポーカーアプリ

はじめに私は、ポーカー学習アプリ「POKER Q’z」の開発に携わるエンジニアとして、日々ポーカー×AI領域のプロダクト開発やアルゴリズム設計に取り組んでいます。ここ数年で国内のポーカーアプリ市場は一気に盛り上がり、EDGE POKER、m HOLD'EM、ポーカーチェイス、EARN POKER、Poker Fate など、スマホで気軽にポーカーを遊べる環境がどんどん増えてきました。プレイヤーとしても開発者としても、とても嬉しい流れだと感じています。その中でも最近話題になっているのが、ポーカー×AIを前面に打ち出した「EDGE POKER」です。独自のAI「EDGE AI」が搭載している点が特徴的で、実際に触ってみると、「ここはすごい」と感じる部分もあれば、「もう少しこうなれば、さらに面白くなりそうだ」と思う部分もありました。本記事では、EDGE POKERを一つの事例として、ポーカーアプリが今後どのように進化していけるのか、そしてその中で私たち POKER Q’z が取り組んでいる技術について、開発者の視点から整理していきます。※本記事は批評目的ではなく、「業界全体がもっと面白くなれば」という思いで書いています。※EDGE POKERの画面キャプチャについては、利用規約への配慮から掲載を控えています。気になった箇所①:AIの使われ方GOD's MOVEまず、GOD's MOVE(AIが最適アクションを自動選択する機能)についてです。「クリスタル」という課金アイテムを使用することで、この機能がレーティングモードである「ランクゲーム」でも利用できる仕様になっています。すなわちこれは、実質的にプレイヤーの意思決定そのものを補助、あるいは代替している状態です。こうした機能がランクゲームで使えると、プレイ結果が純粋な実力だけで決まらなくなってしまいます。さらに、ランクゲームにおける課金者優遇(いわゆる Pay to Win)は、GOD's MOVEだけに限りません。連続入賞ボーナスの維持といった、ランクの上下に直接影響する効果も用意されています。このように、課金によってプレイ上の有利・不利が生まれる設計が存在すると、ランクは「プレイヤーの強さ」ではなく、「どれだけ機能やアイテムを活用したか」を示す指標に近づいてしまいます。結果として、ランク本来の意味や競技としての公平性が薄れてしまうのではないかと感じました。ポーカーは本来、同じ条件のもとで判断力や戦略を競うゲームです。もちろん、非レーティングモードである「シングルゲーム」のような環境でGOD's MOVEが使えること自体は、学習や体験として非常に良い仕組みだと思います。しかし、少なくともランクゲームにおいては、非Pay-to-Winのスキルベースな設計が前提であるべきだと考えています。AIを活用するのであれば、対局中に代わりに打ってもらうのではなく、その後の振り返りやレビューといった「学習支援」に限定する形の方が、ポーカーというゲームの本質にも合っているのではないでしょうか。例えば、解説機能はその代表的なアプローチの一つであり、POKER Q’zではこの分野を中核機能として継続的に強化してきました。プレイ内容に応じた解説文を自動生成する仕組みや、プレイ履歴から思考傾向・プレイスタイルを分析し、ユーザーごとに最適化されたフィードバックを提供する技術など、学習効果を高めるための仕組みを開発しています。これらの技術は当社独自のコア技術であり、現在特許出願中です。POKER Q'zアプリの解説文1POKER Q'zアプリの解説文2BUDDY AIもう一点気になったのが、BUDDY AI(自分のプレイを模倣するAI)についてです。ユーザーのプレイ傾向を学習し、代わりに打ってくれるというコンセプト自体は、技術的にはとても面白い取り組みだと思います。ただ、体験として考えると少し疑問も残りました。ポーカーは本質的に、自分で悩み、考え、選択すること自体が楽しいゲームです。だからこそ、「自分の代わりにAIがプレーする」のを眺めるよりも、自分で打ちながら上達していくプロセスのほうが、ゲーム体験としては価値が高いのではないかと感じました。ユーザーのプレイデータにAIを活用するのであれば、自分のプレイ傾向を自動で分析してくれる自分の弱点を指摘してくれる「ここはこうアクションすると良い」と自然言語で解説してくれるといった コーチ・解説役としてのAI の方が、学習や成長という観点では相性が良いように思いました。気になった箇所②:AIの性能EDGE POKERは、ポーカー×AIを強みとして打ち出しているタイトルだからこそ、AIの精度や一貫性についても自然と期待値が高まります。実際にプレイしてみると便利な機能も多い一方で、学習ツールとして見ると「これは少し危険かもしれない」と感じる挙動もいくつか見受けられました。特に気になったのは、以下の3点です。プレイ中のアドバイスと振り返り結果の不一致プレイ中にAIが「おすすめアクション」として提示してきた選択肢と、対局後の振り返り(レビュー)で表示される「最善アクション」が異なるケースがありました。同じ局面であるにもかかわらず結論が変わってしまうと、ユーザーがどちらを信じればいいのか分からない学習の軸がブレてしまう「AIは本当に正しいのか?」という不信感が生まれるといった問題が起きてしまいます。学習支援AIにとって一貫性は非常に重要です。リアルタイムとレビューで評価ロジックが異なると、教材としての信頼性が大きく下がってしまうと感じました。明らかに不自然なアクションの推奨一部のスポットでは、明らかに理論とかけ離れたアクションが推奨されるケースも見られました。例えば、「完成したストレートをフォールドすることが推奨」と表示されるなど、実戦上ほぼあり得ない判断が提示される場面がありました。こうしたミスは単なる最適化のズレではなく、プレイヤーの理解を誤った方向に導いてしまう可能性があるという点で、学習ツールとしてはかなり致命的です。ポーカーAIにおいては、「強い」以前に 「明確に間違えない」ことの方が重要だと感じました。最低限の戦略整合性が担保されていないと、ユーザーは安心してAIを参考にできません。レンジ解析・ハンド分類のロジックの不明瞭さレンジ解析機能についても、表示ロジックにいくつか違和感がありました。そもそもレンジ全体の戦略が俯瞰できる形にはなっておらず、提示される情報も断片的です。加えて、強・中・弱の基準が不明確ハンドの性質に基づくクラスタリングになっていないといった点が気になりました。例えば、ガットショット+フラッシュドローのような実戦上かなり強いドローハンドが、ボードのペアを優先して「ワンペア」と表示されるなど、実戦感覚と明らかにズレた分類も見受けられました。レンジ可視化は、単に「それっぽく分類する」ための機能ではなく、プレイヤーの意思決定に直結する重要な情報設計です。ここが直感や実戦感覚と噛み合っていないと、表示そのものへの信頼が失われ、せっかくの分析機能も活用されなくなってしまいます。ポーカーにおいてレンジを考えることは学習体験の核となる領域です。だからこそ、分類ロジックの明確さと、実戦に即した整合性が強く求められると感じました。EDGE AIについての考察EDGE AIは、プレイ中に最適アクションを提示したり、自動で判断を行ったりと、「AIがポーカーを解く」体験を前面に押し出した設計になっています。参考記事https://note.com/edge_poker/n/n97dbb01b7cd8公式記事の説明と実際の挙動を照らし合わせてみると、CFRアルゴリズムなどで求めたGTO戦略を教師データとして学習したモデルを使用その場のシチュエーションからルールベースで特徴量を抽出して入力モデルに抽出した特徴量を与え、各アクションのEVを予測し、最もEVが高いアクションを選択するといった、機械学習ベースの近似ソルバー型モデルに近い構成なのではないかと推測されます。アプローチとしては非常に王道で、技術的にも興味深い取り組みだと感じました。一方で、実際にプレイしてみると、ポーカーAI特有の難しさも同時に感じられました。ここでは、特に気になったポイントをいくつか整理してみます。学習シチュエーションが圧倒的に足りていないまず感じたのが、学習シチュエーションの不足です。ポーカーは、ほんの少し条件が変わるだけで最適戦略が大きく変化するゲームです。ポジション、スタックの深さ、ベットサイズ、ボードテクスチャ、ICM状況など、考慮すべき要素は非常に多く、状態空間はほぼ無限に近い広さになります。そのため、「すべての状況を十分に学習させる」こと自体が極めて難しい問題になります。学習がカバーできていない領域に入った瞬間、モデルの精度はどうしても不安定になりやすくなります。これはアルゴリズムの善し悪しというよりも、「そもそもポーカーは学習データが圧倒的に不足しやすいゲームである」という構造的な難しさに起因する問題だと感じました。特徴量設計が実戦と噛み合っていないもうひとつ重要だと感じたのが、入力となる特徴量の設計です。挙動を見る限り、卓全体のスタック状況、現在の手役(ハイカード、ワンペアなど)、ドローの有無といった基本情報は利用されているように見受けられました。ただ、実戦のポーカーでは、それだけでは十分とは言えません。実際には、ハンドの将来的な発展性を含めた強さ評価アクション履歴によるレンジの絞り込みブロッカー効果適正ディフェンス頻度ICMなど、多くの文脈情報が意思決定に強く影響します。ポーカーAIにおいて、特徴量設計は「戦略理解の解像度」そのものだと考えています。ここが粗いままだと、どれだけ学習を重ねても、実戦感覚に近い判断を再現することは難しくなってしまいます。ポーカーAIは「エンジニアリング力」だけでは作れない今回実際に触れてみて、個人的に最も強く感じたのがこの点です。ポーカーAIの開発は、単なる機械学習やモデル精度の問題ではなく、設計段階で考えるべきポイントが数多くあると感じました。何を特徴量として持たせるのかどの情報が意思決定に本質的なのかどこまで抽象化すれば戦略として表現できるのかこうした問いは、ポーカーというゲームそのものを深く理解していなければ適切に判断できません。つまり、求められるのはアルゴリズムの実装力だけでなく、実戦レベルのポーカー理解です。この二つが揃ってはじめて、実用的なポーカーAIが成立すると考えています。そしてPOKER Q’zには、エンジニアとプレイヤーの両方の視点を持つメンバーが多く在籍しています。だからこそ、学習体験に直結したプロダクト開発が実現できているのだと感じています。POKER Q’zの理念私たちPOKER Q’zがどんな思想でプロダクトを作っているのか、ここで少しだけお話しさせてください。私たちが目指しているのは、AIを活用して、最高のポーカー学習体験を提供することです。単に「遊べるポーカーアプリ」を作るのではなく、プレイするだけで自然と強くなっていく――そんなプロダクトを本気で実現したいと考えています。ポーカーは本来、非常に奥深く、戦略的で、知的な面白さに満ちたゲームです。一方で、上達のハードルが高いのも事実です。何が正解なのか分からないなぜ負けたのか分からないどこを改善すればいいのか分からないこうした漠然とした「分からなさ」が、学習の最大の壁になっています。だからこそ私たちは、ユーザーにできるだけ効率よく実力を伸ばしてもらうことを最優先に設計しています。同時に、「勉強している感覚」ではなく、楽しみながらプレイしているうちに、気づけば上達している。そんな自然で前向きな学習体験を届けたいと考えています。ポーカーが「難しいゲーム」ではなく、「遊んでいたらいつの間にか強くなっていたゲーム」になること。それが、私たちPOKER Q’zの目指している理想の形です。学習体験を支える戦略の正確性その前提として、最も重要なのが「戦略の正確性」です。私たちは現在、AI/アルゴリズムの開発を進めながら、任意の局面で可能な限り理論的に正しい戦略を提示できる基盤づくりに取り組んでいます。どれだけ分かりやすい解説があっても、土台となる戦略が正しくなければ意味がありません。まずは「信頼できる答えを出せること」が、学習プロダクトとしての最低条件だと考えています。コーチとしてのAIと、自然言語による解説そしてもう一つ重要だと考えているのが、「どう伝えるか」という体験設計です。単に正しい戦略を提示するだけでは、プレイヤーは本当の意味で強くなれません。なぜそのアクションが良いのか、どのような思考プロセスに基づいているのかを理解してこそ、学習として身につくものになります。そのため私たちは、AIを「代わりにプレーする存在」ではなく、プレイヤーの思考を支えるコーチとして活用することを重視しています。数値や専門用語を並べるのではなく、初心者でも直感的に理解できる言葉で説明すること。「何が起きたか」だけでなく「なぜそうなるのか」まで伝えること。生成AIや自然言語技術を活用しながら、「考え方まで身につく解説体験」を実現することを目指しています。実際にアプリ内には、戦略やプレイについて自由に質問できるAIアシスタントを搭載しており、学習をサポートする機能として多くのユーザーの方からご好評をいただいています。現在も、より精度の高い回答や、初心者にも分かりやすい解説を提供できるよう、継続的な改善を重ねています。さらに、各レッスンテーマに紐付いた解説付きのエクササイズも用意しており、知識をインプットするだけでなく、クイズ形式で実践しながら理解を深められる構成にしています。私たちはAIによって「答えを教える」のではなく、「強くなる思考プロセスを身につけられる学習体験」の実現を目指しています。アプリ内AIエージェントの出力例アプリ内のエクササイズ問題例アプリ内のエクササイズ解説例最後に私たちは、日本と、世界中のポーカー業界がより盛り上がっていければと考えています。まだまだ未熟な私たちですが、本気でポーカー界を盛り上げていくパートナーを探しています。協業いただける企業様・パートナー様協力いただけるインフルエンサー様はもちろん、POKER Q’zのメンバーとして事業開発(国内・海外マーケティング、クリエイティブ制作など)エンジニアAI/アルゴリズム研究に参画してくれる方も大募集中(インターン含む)です。「ポーカーをもっと面白くできるはず」「AIでもっと良い体験を作れるはず」そんなテーマに少しでもワクワクした方がいれば、ぜひ気軽にご連絡ください!一緒に、日本のポーカー界をもっと面白くしていきましょう!

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POKER Q’z開発者が語る「トナメの極意」ー新機能トナメ編のイチオシポイントと制作秘話コラム

POKER Q’z開発者が語る「トナメの極意」ー新機能トナメ編のイチオシポイントと制作秘話

こんにちは!CLOViZ株式会社のShuheiです!2025年11月、ポーカー学習アプリPOKER Q'zに待望の新機能トーナメント編がリリースされました。今までのリングゲーム編に加え、ICMや少ないスタックでの立ち回りなど、トーナメントならではの技術を学ぶことができるようになりました。そこで、本記事ではPOKER Q'z開発者である、大端俊輝さんと阿部颯柊さんに直接インタビューを行いました。トーナメントの極意とはどんなものか。どうすればポーカーが強くなるのか。"ポーカープレイヤーとして"も語ってもらいました。また、どんな思いでアプリを制作したか。強くなるためのアプリの使い方とはどんなものか。開発者独自の視点で語ってもらいました。開発者だからこそ語れる制作秘話も織り込んでありますので、ぜひ最後までお読みください。POKER Q'z開発者の"ポーカープレイヤーとして"の顔ーーまずはお二人とも自己紹介をお願いします。大端さん:大端俊輝です。東京大学大学院 情報理工学系研究科の修士学生です。ゲームAI・自然言語処理の研究を行う研究室に在籍していて、現在は事業に専念するため休学中です。https://pokerqz.com/ja/blog/interview01阿部さん:阿部颯柊です。今は東京大学農学部の3年生です。座学と実戦の両面からポーカーを徹底的に研究し、トーナメント・リングゲームを問わず日々ポーカーに没頭してきました。ーーお二人はこのPOKER Q'zに関して、どんな仕事をされていますか?阿部さん:ポーカーの研究をしながら、それをもとにアプリのコンテンツの内容を決定しています。どんなハンドを取り上げてどんな教訓を教えればユーザーの方が強くなれるかを考えています。大端さん:コンテンツの内容にも一部携わっていますが、主には開発の方を担当しています。クイズ・レッスンの実装や、GTOの戦略の計算のプログラムなどを書いています。ーー現時点でアプリPOKER Q'zのレッスンは大まかにどのようなものになっていますか?阿部さん:ポーカーはまず大まかにリングゲームとトーナメントに分けられますが、Lv.0~2のレッスンでは両者に共通する基礎的なものを勉強できます。Lv.3以上では両者が分かれていて、もともとあったリングゲーム編ではGTOなどのポーカーの本質的な部分を勉強でき、トーナメント編ではトーナメント独特なICMなどの考えについて重点的に勉強できる内容になっています。ーーありがとうございます。今回はその新機能であるトーナメント編にまつわるインタビューになっているのですが、本題に入る前に、お二人のポーカープレイヤーとしての経験として印象的だったトーナメントのエピソードなどはありますか?阿部さん:初めてトーナメントに出た時の話なんですけど、そこでは店内で使えるポイントを上位数人がもらえるという形で、「入賞」というのが存在していて、70人くらい参加していたトーナメントで残り一人飛べば「入賞」というところまで行ったんですね。そんな中自分は残り2bbしかないという状況で、なんとUTGで8ポケが入ってしまったんですね。そこであえなく2bbのオールインをしてしまい、後ろのプレイヤーに9ポケでキャッチされたんですね。大端さん:最悪過ぎる(笑)阿部さん:それで人生初ライブトーナメントでバブルを決めるという(笑)しかもターンでお互いストレートドローができててアウツが逆転したんですよね。大端さん:ということは6,7,Tがボードに落ちてたのか。阿部さん:そうです。だから途中から8ポケの僕の方が「9!9!9!」って言ってて(笑)大端さん:リバー8出た?阿部さん:リバーは何もなかったです(笑) 大端さん:8だったら伝説だったのに(笑)ーーめちゃくちゃ面白いエピソードですね。しかもちょうどレッスンでもかなり扱っているバブルの話ですし(笑)次に大端さんは何かエピソードありますか?大端さん:僕もしっかりと伝説の経験がありまして(笑)その時はBBで5ポケを持っていて、BTNオープンにBBでコールしたんですね。そしてフロップがなんと3,3,5で、フルハウス完成したんですよ。しかも相手が超アグレッシブなプレイヤーで、なんとフロップでオールインになりました。開いてみたら相手のハンドは64sでした。セットフルvsオープンエンドなんて勝ち確じゃないですか。そしたら、ターンが3で、リバーも3だったんですよ!一同: (爆笑)大端さん:こっちはボードで、相手の6ハイに負けたんですよ(笑)ーーやばすぎますね(笑)大端さん:人生最悪のありえないバッドビートでした(笑)トナメはプリフロが9割ーーお二人の非常に面白いトナメエピソードが聞けたところで、いよいよアプリについてお聞きしたいと思います。まず今回新装されたトナメ編のポイントは、どういうものがありますか?阿部さん:通常のリングゲームとの違いがやはり大事で、そういった意味で大きく2つポイントがあります。まずトーナメントは「レーキがなくて、アンティがある」んですね。だからプリフロップのレンジが大きく変わります。しかも「状況に応じた色んなレンジ」で戦わないといけないので、リングゲームに比べてプリフロップが遥かに複雑になってしまうんですよね。そしてもう一つは、トーナメントは単純にチップ量を増やすのが目的ではなくて、順位を目指すゲームなんですよね。だからチップ量だけで考えるとコールが得でも、「賞金をもらえるかもらえないか」を考えたらコールが損になるケースとかが発生します。例えばバブル付近だとチップをたくさん持っているプレイヤーはアグレッシブに攻めて、あまり持っていないプレイヤーは「飛ばないように」我慢しながら戦うみたいな、リングゲームでは見られない構造になることがあります。ーー確かに「レーキとアンティ」とか「入賞」という概念がリングゲームにはない概念で、それが戦略の違いになりますね。阿部さん:そうですね。そしてトーナメントというゲームは、プリフロップの比重が非常に高いゲームなんですね。本当に、トナメはプリフロが9割だと思います。例えば最初のブラインド100-200とかのときに大きいオールインを制したとしても、そこで得たチップは後半のブラインドになれば1bb分でしかなくなっていたりして、最初に頑張って得たチップを後半のちょっとしたプリフロップのミスで放出してしまうことがあるのがトーナメントです。ーーブラインドがどんどん上がっていくトーナメントだからこそ起こることですね。阿部さん:はい。だからプリフロップの精度が非常に大切になります。しかも、後半で残り10bbとかになってしまうと全然ポストフロップに進まないことも多いですよね。そしてプリフロの10bbのオールインコールを少しでも間違ったらもうチップ全部失って終わりなので、本当にプリフロのミスは罪が重いんですよね。ーー確かにそうですね。阿部さん:こういった点をまとめて、簡易化してお伝えしているのが今回新装されたトーナメント編のレッスンになっています。ーー次にお聞きしたいことなのですが、トーナメント編のレッスンの中で、制作者ご自身としてイチ推しのレッスンなどはありますか?阿部さん:そうですね、自分的にはICMの説明で、自分の持っているチップ量ともらえる賞金は違うということの例がかなりうまくできたなと思います。プライズ総額100ドルで優勝賞金が60ドルのトーナメントで、チップ総額が100点で1位の人が70点持っている状況を例に出しました。この時、この1位の人の70点は70ドルにはならないんですよね。100点全て取り切ってやっと60ドルになるので、この70点は60ドル未満の価値しかないんですよ。ーー確かにこれはICMの分かりやすい例になってますね。阿部さん:チップ1点の価値がどれくらいなのかっていうのは結構難しくて、今回の例だと100点中70点持っていても優勝賞金が100ドルのうち60ドルだから、70ドルの価値にはならないというのがポイントで、だからある意味チップを多く持っている方が損になるんですよね。逆に最下位が10ドルもらえるとして、今10点しか持っていなくても、それが0点になっても10ドルはもらえるわけだからその10点は10ドルより価値が高いことになります。大端さん:これってチップが積みあがっていくイメージで考えると分かりやすくて、土台となる下の方のチップは価値が高くて、上の方に積み重ねられたチップは価値が低いんですよね。ーーなるほど。大端さん:少し難しくなりますが、これでバブルファクターについても説明できます。スタックがショート側は山の下の方の価値が高いチップだけを持たされているのに対し、ディープ側は山の上の方の価値が低いチップで勝負できるんですよね。だからショート側は苦しい戦いを強いられることになります。阿部さん:一般によく「ショートは不利」と言いますけど、まあ確かに不利ではあるんですけど、それは少しのチップだけで頑張って生き残ってきた価値が大事だからたくさん降りないといけないということなんですよね。ーーたとえ2bbとかでも粘って入賞するのが大事ですもんね。阿部さん:本当にそうです。だからそのための基本的な戦略を勉強して、賞金期待値的に得な判断がしっかりできるようになるのがこのレッスンでやりたいことになります。皆さんのトーナメントの成績が向上すればいいなという想いでこのレッスンを作りました。GTO Wizardは辞書、POKER Q'zは教科書ーー阿部さんはこんなに素晴らしいレッスンを作られていますが、阿部さん自身はどのようにその勉強をしてきたのですか?阿部さん:ひたすらGTO Wizardを回して徹底的に勉強しました。バブルファクターとかも、表を見ながら「あ、二人にかかってるんだ」とかって勉強していった感じで。特にその中で意外だったことがあって紹介したいんですけど、まず直感的には3bbで飛ぶよりも10bbで飛ぶ方が罪が重そうじゃないですか。ーーそんな気がします。阿部さん:でも、本当は逆で、10bbの人よりも3bbの人の方がバブルファクターが重いんですよ。つまりオールインを受けた時に10bbの人の方がコールしやすいんですよ。大端さん:これはコールしたときに、10bbの人は20bb強になって、賞金期待値が一気に上がるからなんですよね。逆に3bbの人はコールして勝っても6bb強にしかならないので恩恵が少ないんですよね。阿部さん:だから僕も昔は、まだ10bbある時は強い手もフォールドして、逆に3bbしかない時は仕方なくオールインとかしてたんですけど、逆だったんですね。ーーつまり10bbでも3bbでもオールインに負けたら0になって飛ぶだけだけど、コールしてダブルアップしたときに、10bbの人の方が賞金期待値が急上昇するということですよね。大端さん:そうですね。本当にこれは勘違いしている人が多いような気がするので、ぜひ学んでほしいなと思います。阿部さん:こういう風にひたすらGTO Wizardとにらめっこして状況ごとの共通点を探して言語化するという作業をしてきました。大端さん:いやー本当に天才だね。阿部くんは、GTO Wizardの無限に広がる解釈の難しいソリューションから、特徴的な要素を抽出して凝縮したエッセンスをレッスンにしてくれてるんですよね。阿部さん:僕がみなさんにお伝えしたいのは、「GTO Wizardは辞書で、POKER Q'zは教科書だ」ということです。GTO Wizardは広辞苑みたいな分厚い辞書で、それだけみてもあんまり分からないんですよ。だから例えば「バブルファクターを勉強してみたい」と思って分厚い辞書を開いても、全然無理なんですよね。でもそこからエッセンスを抽出した教科書なら、自然に勉強していけるんですよ。大端さん:「GTO Wizardは辞書、POKER Q'zは教科書」って良いキャッチコピーだな(笑)ーーめっちゃ良いですね(笑)阿部さん:GTO Wizardを使って新たな知見を探しに行くことは非常に大事だと思うんですけど、教科書も分からない人がいきなり辞書を見にいくと、本当に何も分からなくなってしまうことも多いのであまりおすすめしないですね。あと特定のハンドに対する考察で終わってしまうみたいな本当に意味のないことになってしまうことも多いと思うので。大端さん:「コール頻度あった!やったー合ってた!」みたいに一喜一憂するのって、GTOツールの世界一無意味な使い方なんですよね(笑)ーー本当にそれ意味ないですよね(笑)阿部さん:あと例えばBTNが全てのレンジでプッシュしてるからKToとかでコールできるみたいなシチュエーションがあったとしても、実際の相手はそんなにプッシュしてなくてAxとかが多く含まれているみたいなこと全然あると思うんですよね。そういう時にKToでコールするのはめちゃくちゃマイナスになってしまうんですよね。大端さん:だからGTO Wizardを使うときは、必ずGTOの相手戦略と実際の相手戦略を比較検討する必要があるってことですね。阿部さん:でもそんなことできるプレイヤーなんてかなり限られているのでね。だからPOKER Q'zで勉強してからGTO Wizardなどのソリューションを見て欲しいと思います。POKER Q'zのレッスンを学ぶことでソリューションを使いこなせるようになります。インプットとアウトプットが交互にできる阿部さん:もうひとつPOKER Q'zのポイントとして「自分でポーカーしてる感」が味わえることも大きいと思います。僕はプレイヤーが間違えそうな問題を抽出して実践クイズにしているので、しっかり自分事として考えることができると思います。また対話形式になっていて、自分に問いかけられながら進んでいき、また実践クイズを解いて成長を確認できるので、能動的に学んでいけるコンテンツになっていると思います。大端さん:つまりPOKER Q'zって、インプットとアウトプットが交互にできるような設計になっているんですよね。普通の勉強だとインプットがメインになってしまい、アウトプットの場があまりないという状況に陥りがちだと思うんですけど、それらはPOKER Q'zの中で完結しているんですよね。ーー確かにPOKER Q'zって、例えば最初にQちゃんが間違ったプレイをして、アリアがそれを指摘して解説をして、練習問題を解いて、実践クイズを解いて...という流れになっていますもんね。阿部さん:しかもこれらが細切れになって章立てされているので、隙間時間で少しずつできるのも特徴ですね。大端さん:確かに、このインプットとアウトプットができるというのと、隙間時間でできるというのはPOKER Q'zのポイントだね。ーーそうですね。次なんですけど、今までの話大変面白かったので、もうひとつ何か小話とかあればぜひお聞きしたいのですが……。阿部さん:じゃあひとつトリッキーなシチュエーションの話をします(笑)6人卓で自分はBBに座っていて、BBが一番ショートで次にUTGがショート、間にディープがたくさんいるという状況の話なんですけど、このときUTGの2bbオープンにBBは全然コールできないんですよね。つまり、UTGも後ろにディープが控えているからオープンレンジを狭めていて、自分は更にUTGよりショートだからレンジを狭めないといけないので、凄く狭いレンジでしかコールできないんです。大端さん:二重に狭くなる要因があるんだね。阿部さん:だからただの2bbオープンなのに、T7sとかKToとかフォールドしてて、あり得ないくらい狭くて。ほとんどオールインかフォールドという感じでした。これ発見したときは社内で「ふざけんなよ!」って言ってましたね(笑)大端さん:でも阿部くんは「ふざけんなよ!」から二重に狭くなる要因があるということを発見したのが凄いよね。阿部さん:こういうのはレッスンを作るうえでの苦悩ですね……。大端さん:繰り返しになってしまいますけど、複雑なソリューションからエッセンスを抽出してレッスンにまとめたというのが、本当に大きな価値があると思います。そしてこの部分は不確定情報ゲームならではだと思うんですけど、「定跡」と呼べるような指針がかなり掴みにくいんですよね。POKER Q'zはそんな中でも、それに近い"指針"を提示できていると思います。阿部さん:基本的な戦略はかなり教えられていると思います。逆にもっと言えば、この基本戦略をもとに、相手を観察して相手に応じた戦略がとれるようになるとよりポーカーが上達していけると思います。そのための羅針盤になるのがPOKER Q'zになるかなと思います。最後に ~トナメで意識するべきたった1つのこと~ ーー最後に、読者のみなさまに一つだけトナメで意識した方がいいポイントを教えて頂きたいです。阿部さん:やっぱり「トナメはプリフロが9割」かな(笑)トナメ後半のオールインコールを少しミスるだけで今までの努力が全て水の泡だし、ちょっとしたプリフロのミスが序盤のミスと比べて文字通り桁が違うので、本当にプリフロが大事です。しかもそういったトナメ後半はバブルファクターも働いていて非常に難しいです。こういったプリフロのミスを一つでも減らすだけでみなさんのトナメ成績は爆上がりします。プリフロップさえ合っていれば正直そんなに酷いことにはならないです。本当にプリフロップの上手さとポーカーの実力は強い相関があると思います。もうポストフロップなんて適当にやっていい、全部チェックでもいい(笑)大端さん:それはだめ(笑)阿部さん:って言いたいくらいプリフロの大切さを熱弁したいですね(笑)大端さん:今回新装されたトナメ編はプリフロップが中心になっていますが、ポストフロップについてはリングゲーム編で詳しく扱っていますね。阿部さん:そうですね。リングゲーム編でもトーナメントに役立つ知識はたくさんあります。フロップのボードごとのCBの戦略など、そのままトーナメントで活かせる内容ばかりなのでそちらもぜひ勉強してみて欲しいですね。けど、まずはとにかくプリフロップが大事です。ーートナメ編でトーナメントならではのプリフロの勉強をして、リングゲーム編でどちらにも通ずるポストフロップの戦略などを学んでいただくという形ですね。大端さん:それがいいと思います。ぜひこの機にどちらも登録していただけると嬉しいです。

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【今日から実践】POKER Q’zで学ぶ、初心者から上級者まで伸びるトーナメント勉強法!トーナメント

【今日から実践】POKER Q’zで学ぶ、初心者から上級者まで伸びるトーナメント勉強法!

トナメは「運ゲー」ではないトーナメントはどんどんブラインドが上がっていき、スタックが減っていきます。減っていく自分のスタックを悲しそうに見つめ、「ああ、そろそろオールインしなきゃ……」と仕方なくオールインし、負けてしまうことも多々。「ああ、トナメってやっぱ運ゲーだな」そう思っていませんか?ここで断言します。トナメは決して「運ゲー」ではありません。さあ、ここであなた自身のプレイを振り返ってみましょう。トナメのオープンレンジとしてリングとは異なるオープンレンジで戦えたかスタック量に応じてオープンレンジを柔軟に変更できたか入賞までの人数や周囲のスタックを把握できたかICMを考慮した判断をできたかバブルラインでうまく立ち回ることができたか正しいオールインの判断をできたかもしここに挙げたことの意味が分からなかったら、それはあなたのトナメの勉強不足の証拠です。トナメの基礎的な考え方なので、少し勉強すればすぐに理解することができます。「知っている」か「知らない」かで大違いなので、いち早くこの差を埋めましょう。また、もちろんですが上に挙げた点以外にも、考慮すべき点はたくさんあります。普通のリングゲームと同じようにトーナメントをプレイしても思うようには勝てません。トナメで少しでもいい順位になりたいのなら、「トーナメント用の勉強」をしっかりとしていきましょう。トナメの特徴 ーリングゲームとの違いトーナメントにはリングゲームと大きく異なる点がいくつかあります。まずはそういった点を整理しましょう。①最後まで生き残りプライズを獲得するのが目的トナメとリングゲームでは、そもそもゲームの目的が異なります。リングゲームでは、純粋に手持ちチップを増やすのが目的でした。しかし、トナメでは、できるだけ生き残り、順位に応じたプライズを獲得するのが目的になります。つまり、チップの量とプライズが一致しません。例えば、100人参加するトナメで、5位までに入ればプライズがあるとします。6位から100位の人は、プライズを得られないという点で同じなのです。つまり、この5位と6位の間には決定的な差があります。このように、トナメでは、順位を意識したプレイをする必要があります。②ブラインドが上がっていくリングゲームでは通常ブラインドが一定なのに対し、トーナメントでは時間の経過とともにブラインドが上がっていきます。例えば、開始時のブラインドが50-100で200BBの20,000点を持っていたといます。しかし、これがブラインドがあがって500-1,000になれば同じ20,000点もたったの20BBになってしまいます。つまり、ブラインドが上がっていくということは、チップの価値が減っていくということに他なりません。自分や相手のスタックが何BBなのかを正しく把握し、それを意識したプレイをすることが大切になります。③アンティがあるトーナメントでは、リングゲームと違い「アンティ」があります。これはブラインドとは別で、予めプレイヤーが支払いポットに入れておくチップのことです。通常は、BBと同額の「アンティ」をBBの人が支払うことが多いです。つまり、トーナメントではSB(0.5BB)、BB(1BB)、アンティ(1BB)の計2.5BBが最低限ポットに含まれることになります。このようにリングゲームの1.5BBに比べてポットが大きくなるため、参加した際のリターンが大きくなります。④レーキがないリングゲームでは通常ポストフロップでポットから一定額の「レーキ」が徴収されますが、トーナメントには「レーキ」がありません。したがって、こちらも先ほどと同様、ポストフロップでポットが減ることが無いため、ポストフロップで進むリターンが大きくなります。このように、基本的なルールという点でも、トナメとリングゲームは大きく異なります。すると当然、戦略もトナメとリングゲームでは大きく異なります。この点をしっかりと頭に入れたうえで、リングゲームとの違いに着目して勉強を進めていくことが大切です。では次に、何から勉強をしていけばいいのかについてみていきましょう。トナメはプリフロが9割!?トナメの勉強、何から勉強をしていけばいいのか……。結論からいいます。圧倒的に、プリフロです。トナメはプリフロが9割です。四の五の言わずにとにかくプリフロの勉強をしましょう。……といってもさすがに乱雑だと思うので、なぜここまでプリフロを重要視するかの理由を簡単にご説明します。先述の通り、トナメはブラインドが上がっていくため、少ないスタックでプレイすることが非常に多いです。このため、プリフロでオールインになる機会が格段に多くなります。こういったプリフロでのオールインの判断を誤れば、それは致命的なミスになります。今までの苦労が全て水の泡です。これは非常に耐え難いですね。トナメのプリフロはリングのプリフロに比べて異なる点が多く、トナメならではのことも多分に考慮に入れる必要があり、複雑です。プリフロの勉強を通し、トナメの基本を学んでいきましょう。では、ここで3つだけ具体例を見てみましょう。・例① 入賞直前のオールイン判断現在サテライトトーナメントに参加していて、なんとあと一人飛べば(敗退すれば)入賞(プライズを獲得できる)という状況だとします。あなたのスタックは後ろに10BBで、BBで[Ah][Kd]が配られました。BTNのチップリーダーから50BBのオールインを受け、他の人は全員フォールドしました。残りの人のスタックは、UTGとCOが20BB、SBが10BB、HJが2BBです。選択肢はオールイン or フォールドですが、あなたはどちらのアクションをとりますか?(本シチュエーションは POKER Q’z のレッスン内容に基づいています)……正解は、フォールドです!「え?AKを降りるの?」と思った方、それではトーナメントで勝てません。ここでオールインを受けるのは、明らかに大損です。状況を整理すると、あと一人飛べば入賞という場面で、たった2BBしかないHJの人が今にも飛びそうです。つまり、何もしなくでもHJが飛んで自分が入賞できる可能性が高いということです。AKは確かにとても強いハンドですが、それでもBTNのオールインレンジ全体に対して60%程度の勝率しかありません。何もしなくても入賞できそうな場面で、約40%で敗退してしまうような賭けをするのは明白に損です。もしオールインしてしまいそうだったなら、今すぐに認識を改めましょう。・例② BBディフェンスまだ入賞順位までは遠い普通の状況だとします。あなたのスタックは50BBで、BBで[9d][4d]が配られました。同じく50BB持ちのUTGから2.3BBのオープンをされ、前の人は全員フォールドしました。あなたはどんなアクションをとりますか?レイズ or コール or フォールド……正解は、コールです!「え?94sって弱くない?」と思いましたか?しかし、トーナメントではアンティがあるため、BBはかなり多くのハンドでディフェンスすることができます。今回のような2.3BBのオープンに対しては、追加で1.3BB払うだけで、1.3BB×2 + 2.5BB(ブラインド+アンティ) = 5.1BB 分のポットを争うことができます。ここでBBディフェンスのスーテッドハンドについて、驚きの事実をお伝えします。オープン額が小さい場合は、BBは全てのスーテッドハンドでコールすることができます。なんと、「全て」です。アンティのおかげで、これほどまでにBBのディフェンスレンジは広くすることができます。しかしこれも注意が必要で、オープン額が3BBなど、大きかった場合はスーテッドハンドでも弱い部分は一部降りた方がよいです。こういった風に、トーナメントで勝ち上がるためには、トーナメントの特徴を正しく把握し、状況に応じた柔軟な対応をする必要があります。・例③ トナメ中盤でのオールイン判断 (発展)ここで発展的な例を一つだけとりあげます。難しいと思った方は、気にせずに読み飛ばしてください。あなたは40,000点を持ってトーナメントにエントリーしました。順調にチップを増やしてトーナメント中盤戦、プレイヤーは残り1/3くらいで、平均スタックは120,000点。ブラインドは3,000-6,000まで上がってます。あなたは120,000点(20BB)持ちでLJから14,000点(2.3BB)のオープンレイズをして、SBが120,000点のオールイン。これに対し、あなたはAXoのどこまでオールインコールをしますか?AKo、AQo、AJo、ATo、A9o…………正解は、AJoです!GTO Wizardで計算された期待値によるとAJoのコール:1.32BBの得AToのコール:±0(ただしほとんどフォールド)A9oのコール:1.37BBの損という風になってます。「たかだか1BBちょっとのミス、大したことない」と思う人もいるかもしれません。しかし、”1.3BB”というのは、この状況で点数にするとなんと約10,000点の違いなのです。ここでAJoをフォールドした人も、A9oをコールした人も、トーナメント参加当初は40,000点しかない自分のスタックのうち10,000点を損するようなとてつもないミスをしたようなものなのです。このように、トナメではどんどん時間が経過しブラインドが上がっていくにつれ、ひとつのミスが致命的になっていきます。・やはり、トナメはプリフロが9割ここまでいくつかの具体例を紹介してきましたが、とにかくトナメはプリフロが9割です。今すぐプリフロの勉強を始めましょう。……と啖呵を切ってみたものの、「そんなこと言われたって難しいよ」と多くの方は思われたかもしれません。実際本記事の執筆者自身も当初はそう思いました。しかし、そんなあなたにおすすめの勉強方法があります!トナメの効率的な勉強方法ここまでトーナメントについてたくさん触れてきましたが、ここで皆さんに効率的な勉強方法をご紹介します。まず皆さんは今どんな風にポーカーの勉強をしていますでしょうか。そもそもポーカーの勉強などしていない人もいるかもしれません。とにかく実戦をして、終わったあとに振り返るという人もいるかもしれません。もちろん実戦後の振り返りは大事ですが、ハンド数をこなせない自分一人で正解が分かりにくい限られたシチュエーションの練習しかできないなど、どうしても非効率になってしまいます。書籍やYoutubeなど、自分で勉強できるやり方はたくさんあると思いますが、今回特に私がおすすめしたいものがあります。それは、“ポーカー学習アプリ”です。ポーカー学習アプリを使えば、電車の中など隙間時間で少しずつ進めることができる短時間で多くのハンドを練習できる必ず正しい答えを教えてくれるなど、自分一人でも効率的に勉強することができます!・ポーカー学習アプリ POKER Q'zここで、皆さんにおすすめしたいアプリがあります。それが"POKER Q'z" です。POKER Q'z - ポーカー学習&スキル診断アプリPOKER Q'zは、最新のAIを用いて楽しく、分かりやすく、ポーカーを学べるアプリになっています。私がこのアプリでとにかくおすすめしたいポイントは、「教科書のように学べる」というこです。「どうせアプリだから雑なんでしょ?」とは思わないでください。開発者たちで「どうすればポーカーが強くなるか」を真剣に考えて、様々なクイズやレッスンを搭載しています。トーナメント編のレッスンもございますので、基礎から着実にトーナメントについても学ぶことができます。バブル(入賞直前)や序盤・中盤といった状況別の戦略を、「レッスン → 実践 → 解説」の流れで効率よく身につけられます。特にトーナメントで最も重要なプリフロップ戦略を中心に、基礎から応用までしっかり学べる構成になっています。その他にもクイズ形式で楽しく学べるレベル別のレッスンで基礎から丁寧に学習できるキャラクターが分かりやすく解説してくれるAIに質問ができるなど、気軽にできるアプリとなっていますので、まずはとにかくインストールしてみてください。例えば、先ほどあげた例①についても、レッスンの中でこのように分かりやすく解説されています。まとめ本記事では、トーナメントの基本と、勉強方法についてご紹介しました。トーナメントで勝つためには欠かせない部分ですので、しっかりと覚えておいてください。普通のリングゲームと同じようにトーナメントをプレイしても思うようには勝てません。「トーナメントはプリフロが9割」です。ぜひ、POKER Q'zを使って基礎から一歩ずつトナメの勉強をしていきましょう!

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「POKER Q'z」大幅アップデートで搭載された新機能とは!?コラム

「POKER Q'z」大幅アップデートで搭載された新機能とは!?

2025年7月8日、サクッと学べるポーカーアプリ「POKER Q'z」が大幅にアップデートされました!本記事では、今回の大幅アップデートで導入された様々な魅力的な機能をご紹介していきます。新機能も含めて、最大限に「POKER Q'z」を使いこなしていきましょう!①基礎から学べるレッスンモード新設レッスンモードでは、ルールや基礎的な考え方から上級な戦術まで様々なことを学ぶことができます。上級までのロードマップに沿って、レッスンと練習問題を交互に解くことで理論を身につけることができます。②10万問超えの実践問題10万問以上の実践的な問題も用意しているため、超効率的にハンドのアクション選択と振り返り行うことができます。回答を誤った時も解説がされるので、しっかりと理解を深めることができます。③個別におすすめ問題を提案レッスンや実践問題で間違いやすいシチュエーションや問題は記録され、個別に最適な問題や類題がおすすめされます。これにより、自分の弱点に合わせた学習を進めることができます。④あなたのポーカータイプ/スキル判別あなたのプレイヤータイプや、どれくらいバランスの取れたアクションをしているのかが分析されます。アクションに関する全体の傾向も分析され、戦略に関する提案もされます。(こちらは7/15にアップデート)それでは、実際のプレイ画面とともに現在の「Poker Q'z」を見ていきましょう!各ユーザーレベルに合わせた学習カリキュラム初心者から上級者まで、自分のレベルに合った内容で効率よくステップアップ!自分にぴったりのカリキュラムで、無理なく実力を伸ばせます。初心者の方でも楽しく学べるように、レッスン→練習問題(クイズ)に挑戦→関連実践問題に挑戦→章ごとに総合問題に挑戦→次のレッスンという形になっております。インプットとアウトプットを交互に行うことで、効率的にポーカーの知識とスキルを身につけましょう!レッスンでは、先生役のアリアと生徒役のQちゃんの会話により様々なポーカーの概念や戦略を分かりやすく説明されています。Qちゃんと一緒に一歩一歩着実に学習を進めていくことができます。「役を覚えよう」などの超基礎から学べるレッスンですが、最後にはクイズに挑戦できます。「ルールはわかっているが、学習はしたことがない」という方も、基本戦術からインプットとアウトプットを繰り返しながら学ぶことができます。独自のカリキュラムとクイズを用意し、段階的にポーカーが強くなっていく考え方を身につけていきます。アクションを答えるだけではなく、どういう意図でアクションをしていくべきかという概念も理解していくことができます。100万以上のシチュエーションから、10万問以上の学習に役立つ問題を抽出し、実践で役立つクイズを用意しています。実践であれば、振り返りたいと思うアクションは1時間に1回あれば良い方ですが、「POKER Q’z」であれば超効率的に学習に役立つシチュエーションを学び、振り返ることができます!すべての問題が分かりやすい解説文付き全問題に丁寧な解説付き!ただ正解を知るだけでなく、「なぜそのプレイが正しいのか」までしっかり理解できます。現在の状況やハンドのエクイティ、それぞれのアクションをとる考え方まで、必要な情報が揃っております!アプリ内のAIにポーカーの質問が出来るプレイ中の疑問をすぐに解決!AIに質問するだけで、その場で戦略や判断の理由をわかりやすく教えてくれます!友達に聞くかのように気軽にAIにご質問ください!問題の解説中にも簡単にAIに聞いて疑問を解決できます!分からない部分があったらAIに聞いて着実に理解を深めましょう!あなたのプレイスタイルを分析魚タイプ(ルースパッシブ)・虎タイプ(ルースアグレッシブ)・亀タイプ(タイトパッシブ)・鷹タイプ(タイトアグレッシブ)のタイプに分けられ、プレイヤータイプが分析されます。実践クイズを解くことで簡単にあなたのプレイスタイルが分かります!あなたのアクションの正解率と、GTOに基づくアクションバランスの観点から、バランススコアが表示されます。こちらはPOKER Q’zが独自に作成した指標となっており、自分の実力を簡単に見ることができます!あなたのプレイスタイルに応じて、プレイ全体に関わる改善提案や、具体的な戦略の提案を行います。自分がどのように学習を進めていくべきかの参考にしてください!簡易レンジ表でプリフロップを攻略手元にいつでも使えるレンジ表!迷いやすいプリフロップの判断も、最適なプレイがすぐにわかります。こちらはPOKER Q'zで考えた独自のレンジ表であり、ポーカー有識者からの監修をもとに作成しています。この表ひとつでオープンだけでなく、3betやvs3betまで対応できます!自分に合った問題皆さまのレベルや進捗にあった問題を出題いたします。「何を勉強したらいいか分からない」という方も、気軽に問題を解いて勉強ができます!一方、自分がやりたい問題を解きたいという方も、自分好みの設定にカスタマイズして、厳選された問題に挑戦できます。「基本問題から練習したい」「苦手なポジションやストリートを練習したい」という方はそこだけ重点的にも練習できます。繰り返し問題を解いて解説を見ることで効率的に学習を進めましょう!プレイ履歴から間違えた問題を振り返ることができます。復習を重ねながら学習をしていくことができます!ポーカーにまつわる様々な記事ポーカーにまつわる用語や知識など様々な記事を読むことができます。より詳しい解説や面白い話などもたくさん含まれますのでぜひお読みください!トッププレイヤーへのインタビュー記事や、ポーカーの理論を分かりやすく解説した記事など、幅広い記事を読むことができます!様々な便利ツールやミニゲーム「Poker Q'z」には様々な便利ツールやミニゲームが搭載されています。自分が調べたい状況での「エクイティ」「オッズ」「MDF」などを計算できます。気になったタイミングですぐに調べることができます!ポーカーにまつわる単語の用語集になっています。重要度別にもなっていて、学習レベルに応じて様々な単語を知ることができます。気になった単語などがあれば気軽に調べて知識を付けていくことができます!ビデオポーカーやブラックジャックで遊ぶこともできます。気分転換などにぜひこちらもお使いください!まとめ今回2025年7月8日の大幅アップデートで様々な新機能が追加されました。「POKER Q’z」は皆さまひとりひとりの弱点や疑問点に寄り添い、効率的な学習をサポートするアプリとなっております。ぜひ「POKER Q’z」を使ってポーカー強くなりましょう!

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"好き"を仕事に選んだ女性プレイヤーの軌跡:勉強法とポーカーへの思いコラム

"好き"を仕事に選んだ女性プレイヤーの軌跡:勉強法とポーカーへの思い

こんにちは!CLOViZ株式会社の広報担当です!今回は、海外のトーナメントでも活躍し、ポーカーにまつわるインフルエンス活動にも力を入れている女性ポーカープレイヤーあおさんにお越しいただきました!ポーカーを仕事に選んだ経緯や座学の方法、冷静沈着な思考の裏にある天衣無縫のポーカー愛などについて、たくさんお話しいただきました!1. ”好き”を仕事に選んだ女性プレイヤー――まずは自己紹介をお願いします!あおさん:あおと申します。現在24歳でお仕事は web系のフリーランスをしております。ポーカー歴は約3年半で、たまたま友達と一緒に出会って始めましたが、今は 国内外のトーナメント にたくさん参加しています。主な実績で言うと、去年のWSOPの時のシーザーズパレスのデイリートーナメントで優勝したのとか、APTマニラ準優勝とかですかね。――ポーカーを始めたきっかけを詳しくお聞かせください!あおさん:きっかけは、本当に友達にたまたま アミューズメントポーカーに連れて行ってもらったことです。元々 ボードゲームとか人狼 とかそういうものが好きなタイプだったので、まぁ ポーカーも面白いんじゃないかな?と思い行きました。リングゲームの時はそんなにはまらなかったんですけど、 2回目くらいに行った時に トーナメントにポンと出てみたら、すっごい勝ったんですね。30人ぐらいのトーナメントなのに準優勝ぐらいまでして、なんか自分はポーカーがうまいなと勝手に勘違いして楽しくなって完全にはまりました。――続いてですが、現在インフルエンス活動をしていると思いますけど、知名度があがったきっかけは何でしたか?あおさん:ABEMAのQueen Of Pokerがきっかけだったと思います。――なるほど、私も見てました笑。その頃の心境はどうでしたか?あおさん:もともとしていたwebの仕事の方と関わっているんですけど、私 19歳くらいからwebのフリーランスの仕事をしていて、法人になってもう4年目とかなんですね。一時期は結構な規模でやってたんですけど、そっちにちょっと虚無感を覚え始めたと言いますか、完全に一人で目標もない状態でスタートしてしまったので、事業的には多分うまくいってたんですけど、なんかこの先に何があるんだろう?みたいな気分になってきてしまってたんですね。その時は、ポーカーは完全に趣味でやっていたのですが、仕事への考え方を変えようと思いまして、”好き”を仕事にしたいと思ったんですね。そうなった時にポーカーをお仕事にしたいと思いました。ポーカーを仕事にするために何ができるか考えたときに、プロとしてキャッシュゲームをするとかも選択肢としてあったんですけど、トーナメントが好きなのと、ポーカーをもっと広めるような活動をしたいと思い、じゃあ「表に出た方がいい」となって、インフルエンス活動を自分の中でも強化しました。その時にちょうどQueen Of Pokerのオファーをいただいて、出させてもらえて、そこからポーカーの実力とかを評価してくださって、メディアにも呼んでもらえることが増えてきたと思います。――有名になったことで周囲の反応はどう変わりましたかあおさん:めっちゃブラフが通らなくなりました笑。前は見た目もあって結構通っていて、それも利用できていたんですけどね。――それもしっかり実力が評価されているということですよねあおさん:そうですね。だから嬉しいことですね。2. 3年間で有名プレイヤーのコーチングを30回以上受講――ポーカーを始めた最初の頃のプレイ中の思考はどのような感じでしたか?あおさん:最初は適性があると思ってポーカーを始めたのに、3回目とかのトーナメントとかではめっちゃ負けるわけですよ。それはそうなんですけど、まあ自分的にはショックなわけですね、上手いと思っていたのでね。そこで、きっと何かがいけないんだろうと思って、ポーカーの動画とかを見始めました。ただ、最初はとにかくアグレッションが高くて、もうなんか「おろした方が得やん」ってずっと思ってたんですね。あとはいろんなことをちょっとでも実践しないと気が済まなくて、全部5betオールインしたら降りるんじゃないか、とかやってました笑。――あおさんからそれされたらQQまで降りたいですね笑。あおさん:そうですよね!QQまで降ろせたらめっちゃお得じゃないですか笑。――確かに自分の印象も活かせていますよね。あおさん:そうなんですよね。ただ、それを1日に2回も3回もやるので、当然捕まるわけですよ。それで、「なんで捕まるんだろう?」とか、「もっといいハンドセレクションがあるんじゃないか」とか思うんですね。そういうのを、自分の中で試してトーナメントに出てみるみたいなことをずっとやっていました。でも、やっぱりそれでも下手すぎたので、コーチングをお願いするようになったんです。コーチングは、私の知ってるプレイヤーの8割くらいはだいたい1回は受けたことあります。――そうなんですか?3年間の間に。あおさん:はい、いっぱい受けましたね。Souzirouさんもみさわさんも、euroさんとかも。やっぱりコーチングのいいところって自分が疑問に思っているところを聞けることだと思うんですよね。――コーチングにも色々な形態があると思うのですが、どのようなものが特に良かったですか?あおさん:そうですね、みさわさんのコーチングが特に好きで、30回は受けたと思うんですけど。――30回も!すごいですね!あおさん:めちゃくちゃ受けてます、3年間で笑。進め方としては、一番最初のハンドから聞くことが多い気がします。みさわさんのコーチングのいいところって、ワンストリートのハンドに対して抜けている概念とかを教えてくれるんですね。当然プレイする時って、自分的には「これが正解だ」と思ってプレイしてるわけなので、理由があるわけじゃないですか。その理由を「こう思ったのでこうしました」という風に話すと、「それは間違っている」と言ってくださるんですね。それではどこが間違っているのか、例えばエクイティの見積もり相手のレンジこの後のストリートポットの計算アウツの計算インプライドオッズなど色々あると思うんですけど、例えばインプライドオッズが間違っているとしたら、「じゃあインプライドオッズって何だろう?」といって講義に入っていくことが多いですね。これが一番好きなタイプのコーチング かもしれないです。でもどのタイプも受けたことありますね、講義形式も実戦形式も。――では、はじめの頃から負けるのは運によるものというよりあくまで自分の実力不足だと考えていたのですか?あおさん:そうですね。私の中で結構信念があって、運の要素って議論しても仕方ないじゃないですか。その時ベストなプレーをしたかどうかが大事なわけなので。初心者なので1回1回の結果をですごい重く見てしまうんですけど、コールしたら負けてたとかみたいな。でもその1ハンドに対してはミスなんですよ、完全な。思ってもいないハンドが出てきたりとか普通に降りれなかったりとか、ブラフが捕まったりとか。そういうのは普通に自分のミスだと思ってましたね。――確かにそういう考えをもともとお持ちの方は、「座学した方がいい」とすぐ思えそうですね。3. じゃんけんで「ピン」を出し続けていた:GTOの勉強について――ポーカーの勉強は大きく分けて均衡理解とエクスプロイトに分けられると思うんですけど、どういうバランスで勉強をしてきましたか?あおさん:それで言うと圧倒的に均衡理解の方をしていますね。エクスプロイトそんなに得意じゃないし。うまくもないと思っています。――そうなんですね。それはなぜですか?あおさん:難しいんですけど、ポーカー というゲームを、私は真剣に楽しみたいんですね。そして均衡理解の勉強が私好きなんです。上手くなるために勉強しているというよりは、ただ均衡を知るのが好きだから勉強している気がします。――「均衡を理解する」ということを目的にして頑張ることに楽しさを感じるんですねあおさん:そうですね。あと、GTOの例えですごい刺さっているのがあって。GTOってじゃんけんでグーチョキパーを均等に出そうみたいな話じゃないですか。それに対して、「あおちゃんはピンをずっと出してる」と言われたことがあって。「ピン」という4つ目のコマンドが存在したとして。――「ピン」はどういう勝敗なんですか?あおさん:「パーに勝てるけど、あいこだと負け」ですね。完全に出すだけ期待値マイナスです。だからまずは「グーチョキパー」を出せるようにしよう。そのためにGTOを勉強しようという感じですね。――確かにポーカーはハンドの強さがあるから明確に期待値マイナスの手って存在しますもんね。あおさん:はい。だからエクスプロイトも「グーチョキパー」を均等に出せる人がすることだと思うんですよね。――ではあおさんのGTOが大事だと思う理由は、どんな相手に対しても「ピン」を出してしまうプレイをしないようにするためというのが大きいところですかね。あおさん:そうですね。まあもちろんエクスプロイトもするときはするんですけどね笑。4. ラスベガスで全財産を卓に:冷静沈着なメンタル管理――続いてメンタル管理についてお聞きしたいんですけど、まずあおさんは海外のライブキャッシュの経験はどのくらいあるのでしょうか?あおさん:去年2-5をメインに100時間ぐらい打ったと思います。――プレイ中に感情の起伏はありますか?あおさん:感情の起伏あるんですけど、金銭面ではほとんど感じないと思います。お金の計算が多分できないんでしょうね笑。「ポットが大きいから」落ち込むとかはわかるんですけど、「金額が大きいから」と思ったことはないです。――なるほど。ティルトはするタイプですか?あおさん:ティルトはめちゃくちゃします笑。――そうなんですね!それってどんなときですか?あおさん:圧倒的に自分のミスプレイでティルトしますね。逆にリバーで引かれて逆転されたとかでは何とも思わないですね。例えば、昔ラスベガスで2-5打ってて、ボムポットでめっちゃ大きいポット落としたんですよね。全然オッズ合ってないドローハンドにずっとコールされていて最後に引かれて逆転されたんですけど。その時に「これコールしてくれるのめっちゃ美味しい」って思ったんですよね。――最後引かれた後でもそう思えるんですね。あおさん:そうなんですよ。それでめっちゃ美味しいって思ったんでラスベガスに持ってきた全財産を卓に置きましたね笑。――すごい笑笑あおさん:お金にあまり執着もないですし、シンプルにチップ量を最大化することに楽しみを覚えてるので、ノーマネーのポーカーもめちゃくちゃ大好きです。――でも実際引いた引かれたとかでティルトしてしまう人はたくさんいるじゃないですか。あおさんはどうしてそんなに冷静にいられるんですか?あおさん:まあでもそういうゲームなので、引く時も引かれる時もそれはあるでしょうと。その上でベストの選択をしたということが大切だと思っています。あとは、純粋にポーカーというゲームを信じているので、実力が反映されると思っていますし、確率は確率通りだと思っています。だから「あいつは肩が強い」みたいな概念は存在しないと思っています。――日本って昔から麻雀とかも普及してましたけど、そういう流れとか運みたいなものがゲームに持ち込まれることって確かに多いですよね。ポーカーでも座学がもっと広まれば変わる気もしますけど。あおさん:そうですね。私は本当に「座学って面白い」と思っているので、みなさんにもぜひ一度やって欲しいなと思っています。――そういう人が増えていくといいですよね。あおさん:私のインフルエンス活動の目標の一つも実はそこでして。ポーカーをなるべくスポーツっぽくしたいんですね。競技性の高いものであって欲しいといいますか。――Mリーグのポーカー版とかみたいなイメージですか?あおさん:そうですね、完全にそれをしたいです。Queen Of Pokerでもそれを目指していて。ポーカーってかっこいいものだし、平等なものだし、ギャンブルではないっていうのを広めたいですね。5. 無人島でも座学:ポーカーで生きていく決意――ポーカーにおける今後の目標や将来像についてお聞かせください!あおさん:そうですね、自分の目標だともっと大きなタイトルを獲得して、もっと知名度が上がってたらいいなと思います。――賞金とかよりもタイトルをとること自体が目標という感じですかね?あおさん:そうですね。それ自体が名誉ですし目標ですね。ただ、もし何か一つ大きいタイトルを獲得しても、もっと高いトーナメントに挑戦すると思うので、結局ずっとポーカーしてるんじゃないですかね笑。――仕事に関しては今後どういう風に考えていますか?ポーカーの専業ルートなんかもありそうですか?あおさん:はい、そうですね。専業 ルートに入りたいなと思っています。ただ、それはポーカーのキャッシュだけの専業だけじゃなくて、インフルエンス活動とかマーケティングとかそういうのも含めてポーカーの専業になりたいなと思っていますね。――続いてですが、ポーカーを通して学んだ人生の教訓みたいものはあったりしますか?あおさん:んー難しいですね……。あー、期待値で考える考え方は身についたと思います。それが事業に活きたりもしますし。ただ、そうですね、 ポーカーで生きるというか、ポーカーが人生のメインすぎて。――もうポーカーを通じて得たことはポーカー界で生きていくことに決められたことかもしれませんね笑。あおさん:そうかもしれないです!ポーカーに出会ってこんなに人生楽しくなると思ってなかったです。――本当に、ものすごくポーカーお好きなんですね笑あおさん:そうですね、かなり自信あるかもしれないです笑。あとよく言うのは「無人島に何か一つ持っていくならトランプ」って言いますね笑。――すごい笑。けど相手も欲しいですよね。あおさん:一人で座学やってるかもしれないです笑。6. みなさんへのひとこと――今ポーカーを始めたての人、もしくはこれから始める人にどんな言葉を掛けたいですか。あおさん:まず、そうですね、「ポーカーに出会えてよかったでしょう」と言いたくなりますね笑。――出会えたこと自体が幸せだと。あおさん:はい。あと勉強したいと思ってくれているなら、今って色々できる思うんですよね。YouTubeを見たり、Wizardを使ったり、それこそPokerQ'zとかもそうですよね。そういうのを使って勉強をすると、もっと違う楽しさが出てくると思います。――最後に、読者の皆さんに向けて何か一言お願いします!あおさん:私はポーカーで自分が強くなりたいとか上手くなりたいという気持ちが大きいですし、みんなが ポーカーをいろんな形で楽しんでくれたら嬉しいなと思います。だから、本当に賭けホームゲームとかすごい嫌ですね。日本で賭けることは本当にやめて欲しくて。ポーカーというものをみんなで大事に作り上げていきたいと思っています。――確かに賭けが広まってしまうと規制が入って、ポーカー界全体の衰退につながりますからね。あおさん:そうですね。 私はポーカーというゲームを純粋に楽しんでほしいと思ってます。ですし、ポーカーはそうやって楽しめるだけの面白いゲームなんですよ。やっぱり勝った人をかっこいいと思えて、どんなに引かれてポットを落としてもコンコンとして立ち去ってくという文化にしていきたいと思いますし、私自身もそういうプレイヤーでありたいと思います。

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「天才、覚醒。」年間1000万円以上勝つ学生最強プレイヤーの思考とメンタルの裏側コラム

「天才、覚醒。」年間1000万円以上勝つ学生最強プレイヤーの思考とメンタルの裏側

こんにちは!CLOViZ株式会社の広報担当です!今回は、ライブキャッシュゲームで累計1,000万円を勝ち取り、戦略研究と情報発信の内容から“学生最強”と呼ばれるDramaさんにお越しいただきました!大学休学を決断し、韓国・カンボジア・アメリカを転戦した3年間で、どのように実力と視座を拡張してきたのか。急成長を遂げた思考法・メンタル術をご紹介していきます!1. 休学して海外遠征で腕を磨いた大学生プレイヤー――まずは自己紹介をお願いします!Dramaさん:北海道大学理学部数学科3年の Drama と申します。ポーカー歴は約3年で、高校の卒業旅行で友人から教わったことがきっかけでポーカーに出会いました。不完全情報ゲームの奥深さと、相手の思考を上回った瞬間の手応え、駆け引きの面白さに魅了を感じ、大学入学後は数学よりもポーカーに夢中になりました。大学2年の冬には「本気で打ち込みたい」との思いから1年間の休学を決断し、ラスベガス・韓国・カンボジアを転戦しました。ラスベガスでは「Amu 精鋭隊」という企画に参加し、3か月で約500万円を獲得できたことが現在の自信の源になっています。現在は自身で立ち上げた、北大ポーカーサークル SECOND NUTS にて、ポーカーの研究に没頭しています。2. 3年間で「学生最強」と呼ばれるまでの急成長の要因――最初からポーカーで簡単に勝てたみたいなことはないと思うのですが、3 年ほどで学生最強と称されるまでに急成長できた要因は何でしょうか?Dramaさん:最大の要因は強いプレイヤーのコーチングを受けられたことです。私は“センス型”ではなく、始めた頃は戦略を組み立てる思考もなく、バランスも理解していませんでした。ポーカーを始めて半年ほど経った頃にPeeeajeさんのコーチングを受け始め、一般的なレクリエーショナルプレイヤーには勝てるようになりました。さらに半年後にはAmuさんのコーチングを受けました。Amuさんは均衡 (GTO)理解が深いだけでなく、思考が非常に洗練されていて、僕の出会った中で最も強いプレイヤーだと感じたのを覚えています。ポーカーでは均衡 (GTO) とエクスプロイトの両方を理解することが不可欠です。前者は努力次第で身に付きますが、後者は良い教材や師に恵まれなければ身に付けるのが難しいと考えています。ーー弱い状態で強い人を見抜くのは難しいと思ってるのですが、どのように判断したら良いですか?Dramaさん:結局は発言内容の論理的整合性で判断するのが現実的です。私はプレイヤーの実力をWinrateで測るのが理想だと思いますが、実際にはサンプルが足りない場合が多いので、まずは発言に論理破綻がないかでふるいに掛けます。論理に矛盾がある人を除外すると、最終的にはまともな人しか残りません。その中から自分と相性が良く、信頼できる人を選ぶのが最善だと考えています。3. 思考の三段階進化:均衡理解からエクスプロイトへ――ポーカーを始めた最初の頃から現在までのプレイ中の思考はどのように進化しましたか?Dramaさん:ポーカーを始めた直後は、バランスという概念が皆無で、自分のハンドだけを拠り所にプレイしていました。リバーではバリューベットとブラフのサイズがまったく異なる意図が相手に丸見えという“最弱”状態です。次に、レンジ全体でバランスを取れるようになりました。具体的にはバリューとブラフのサイズが統一されるすべてのベットサイズ/ラインにブラフを織り込めるため均衡(GTO)ライクな打ち方になる最終段階では、均衡思考を“基盤”としながら 意図的にバランスを崩して相手を搾取できるようになりました。具体的にはブラフはブラフEVが最大化するサイズバリューはバリューEVが最大化するサイズベットラインも各EVが最大になるパスを選択それでいて相手に偏りを悟らせないこの3段階で進化しました。4. 論理的思考を鍛えるワークフロー――Youtubeでの企画「ヘッドホンポーカー」でアクション毎の思考を説明されていましたが、どのような思考過程を経て最終的なアクションを決定していらっしゃるのか。また、その流れを鍛えるコツがあれば教えていただけますか?Dramaさん:まずは「自分がどのアクションで迷っているのか」をはっきりと言語化するところから始めます。具体的には、「チェックとベット33%で迷ってます」と宣言するイメージです。続いて、その二つの選択肢について メリットとデメリット を整理し、均衡(GTO)と比較した場合にチェック EV とベット EV がどのように変化するかを考えます。例えば自分がマージナルハンドを持っているとしたら、「ベット 33 % を選択するとレイズが多く返ってくる可能性が高く、このハンドではレイズにコールできないのでマイナスポイントとなり、ベット EV は低下。一方、チェックした場合はターンでプローブベットがあまり飛んでこないと予想されるためプラスポイント。したがって今回はチェック EV がベット EV を上回りそうなため、チェックを選択」と説明する流れです。この選択肢を列挙する各選択肢の EV 変化を説明するその結果どちらを選ぶのか結論づけるという3ステップで整理すると論理が一気にクリアになります。チェック 33 % という数字がどこから導かれたのかを説明する際には、「ここは均衡のサイズを示している」と明確にし、今回はエクスプロイトとして均衡から外れたサイズを選択する、というように「今は均衡とエクスプロイトのどちらの戦略について語っているのか」を常に明示する癖をつけていただけると良いかと思います。5. メンタル管理とライブキャッシュでの立ち回り――海外で約500万円ほど勝ったご経験をお話しになりましたが、ライブキャッシュは分散が非常に激しいですよね。どのようにメンタル管理されていますか?Dramaさん:メンタル管理はポーカー戦略の勉強と同じくらい重要だと考えています。ライブキャッシュを打つなら、なおさら欠かせないです。私が気をつけているのはまず規則正しい生活です。ポーカープレイヤーはテーブルが良いと離れづらく、睡眠時間が乱れがちですが、睡眠不足でプレイしないのは鉄則です。ひとつのセッションを終えたら、アラームを掛けずに「ぐっすり寝た」と感じるまで眠ります。私はふだん朝食を取らない派ですが、稼働日の朝は必ず食事を取ります。そして筋トレをしてシャワーを浴び、準備してから会場へ向かう。これが基本の流れです。筋トレは脳を活性化させ、自己肯定感も高めます。怠惰な生活は頭の回転を鈍らせ、メンタルにも悪影響を与えますので、「お手本のような生活リズム」を目指すことを強くおすすめします。――Dramaさんはそもそもティルトすることがあるのでしょうか?もしティルトした場合、どのように対処されますか?Dramaさん:稀にティルトしない人もいると聞きますが、私はティルトします。とはいえ、相手に理不尽な形で負けた時ではなく、自分の明確なミスプレーに気づいた時に精神的にきますね。気分が悪いと感じたらすぐに席を立ち、外を散歩して景色を見たり音楽を聴いたりしてリフレッシュします。テーブルに戻っても集中できないと判断したら、その日はプレイを切り上げて帰ります。ただし卓が良い場合は続行するかどうかを天秤に掛けます。また、すべてのプレイラインをメモしています。相手のリークとなりそうなラインを見かけたら即座に記録し、卓の 9 人それぞれにあだ名を付け、観測した特徴をメモします。その下に自分のハンドレビューを書き、翌朝見直して当時の思考とズレていればメンタル由来の偏りとして蓄積します。そうすれば、自分の癖に合わせた対策をプレイ中に講じることができます。6. 休学がもたらした視野とこれからのビジョン――1年間休学してポーカーに専念された経験は、いま振り返ってみてプラスになったのでしょうか?また、現在ポーカーをどのように位置づけていらっしゃるのか、そして将来はどのような形でポーカーを続けたいですか?Dramaさん:休学して本当に良かったと感じています。もし大学生で休学を迷っているポーカープレイヤーがいたら、ぜひ検討してほしいです。若くて体力があり、好奇心も成長意欲も高い時期に 1 年間ポーカーに没頭できるのは大きなアドバンテージです。実力は飛躍的に伸びますし、就職活動で致命的なマイナスになることもほとんどありません。休学期間中に実力が大幅に向上しましたが、「1 年も打てば飽きるだろう」という想定は外れ、むしろポーカーの面白さが増しました。現在は目標とするプレイヤーを超えることを目標に、さらにのめり込んでいます。当然大学は卒業する予定ですが、私の人生のポリシーは「今一番楽しいことを突き詰める」ことです。先の保証や定年後の楽しみに人生を預けるより、いつ死ぬか分からないのだから“今”を最大化したいと考えています。将来もポーカーを「トップ・オブ・トップを目指す舞台」として日本で過ごす時間や友人との交流も大切にしつつ、必要に応じて海外でプレーする予定です。7. これからポーカーを始める人へーGTOは正解ではなく“基準”――最後にポーカー初心者や、勉強中だけど伸び悩んでいる人へアドバイスをお願いします!Dramaさん:思っている以上にGTOは重要で後悔は絶対にしないので徹底的に勉強することをお勧めします。「相手は GTO じゃないから勉強しても意味がない」というのは大きな誤解です。基準を知らないままでは、どこがズレなのかさえ判別できません。まず基準を学び、そのうえで相手の偏りを見つけ、意図的にバランスを崩してエクスプロイトする。これが上達への王道だと思います。

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理論で学ぶポーカー#2 : AKQJT9ゲームで数学的に最適なベットサイズ分割を探る考察

理論で学ぶポーカー#2 : AKQJT9ゲームで数学的に最適なベットサイズ分割を探る

はじめに本記事は、前回の記事の続きです。まだ読んでいない方はそちらを先にお読みください。https://pokerqz.com/blog/theoretical_poker_1今回のテーマは「ベットサイズ分割」です。GTOでは一般的に、より強いバリューハンドほど大きいベットサイズを用いる傾向がありますが、それはなぜでしょうか。今回はこの疑問を、トイゲーム「AKQJT9ゲーム」を用いて、数学的な観点から考察していきたいと思います。1. AKQJT9ゲームとは?AKQJT9ゲームは、本テーマを取り上げるために自作したトイゲームで、前回紹介した「AKQゲーム」の派生です。AKQゲームと比較して、カードが3枚から6枚に増えただけですが、一応ルールをおさらいしておきます。プレイヤー本ゲームは、HeroとVillainの2人で行います。カード使用するカードは [As] [Ks] [Qs] [Js] [Ts] [9s] の6枚のみで、それぞれの強さは A > K > Q > J > T > 9 です。各プレイヤーには、これらのうち1枚がランダムに配られ、同じランクのカードが配られることはありません。ポジションHeroは常にIP(インポジション)、Villainは常にOOP(アウトオブポジション) でプレイします。アクションいきなりリバーから始まり、最初にVillain(OOP)が行動します。その際、Villainは常にチェックを選択します。その後、Hero(IP)は、任意のベットサイズを選択するか、チェックバックをすることができます。 2でHeroがチェックバックの場合、そのままショーダウンとなります。 2でHeroがベットした場合、Villainはコールまたはフォールドの2択のみとなり、レイズはできません。ポットサイズ初期ポットは1です。2. アルゴリズムで計算されたGTO解それではこのゲームの最適解を数式で計算していきたいのですが、イメージを掴みやすくするため、CFRアルゴリズムを用いて計算されたGTO解を見てみましょう。(CFRアルゴリズムの詳しい話にも、また機会があったら触れたいです)図1 リバーにおける、ボードが[2s][2h][2d][3s][3h]の時のGTO解図1は、筆者が独自に構築したツールにてGTO解を図示したものです。レンジ表はGTO Wizard風に仕上げました。この表は、実際のポーカーにおいてボードが[2s][2h][2d][3s][3h](つまり今回のA~9とは直接的に関係のないボード)で、VillainからCheckされた後のHeroのレンジ全体の戦略を示しています。ただし、お互いのハンドレンジは[As][Ah],[Ks][Kh],...[9s][9h]の6コンボに限定しています(ポケットペアはスペード・ハートのコンボのみ使用)。この時ハンドの強さは[As][Ah] > [Ks][Kh] > ... > [9s][9h]で、互いが同じハンドを持つことは無いので、この状況はAKQJT9ゲームと等価です。今回は15%から160%まで、様々なベットサイズのオプションを用意しました。赤色は大ベット、オレンジは小ベット、緑はチェックを示します。ナッツのAの方がセカンドナッツのKよりもバリューベットのサイズが大きく、サイズ分割が行われていることが分かります。図2 図1における [Ks][Kh]の戦略(左列が頻度、右列がEV。EVは100倍にして表示)図3 図1における [As][Ah]の戦略(左列が頻度、右列がEV。EVは100倍にして表示)また、図2・図3は、ハンドが[Ks][Kh]・[As][Ah]の時に使う戦略を詳細に示しています。それぞれのハンドでEVを最大化させるベットサイズを用いるのが最善で、EVが大きい値のアクション頻度が大きいことが分かります。図1から図3を見て、AKQJT9ゲームについて分かることをまとめると、以下のようになります。《ここまでのまとめ》ナッツのAは、ピュアに大ベットを用いる。最適なサイズは120%から130%の間の、やや120%寄りの当たりにありそう。セカンドナッツのKは、ピュアに小ベットを用いる。最適なサイズは25%から30%の間の、やや30%寄りの当たりにありそう。マージナルハンドのQからTは、ピュアにチェックする。最弱の9は、AとKのそれぞれのバリューベットで用いるサイズを兼用して、適切な頻度でブラフベットする。※補足Qはバリューベットを打つことができません。もしQでベットすると、相手はA・Kを確実にコールし、9を確実にフォールドします。すると、相手がJ・Tを全頻度でブラフキャッチコールしたとしても、コールされた後のエクイティが50%となってしまい、バリューベットとして機能していないことが分かります。Tはブラフベットすることはありません。ブラフは、必要コンボ数的に9だけで十分だからです(後述)。3. ベットサイズを任意の2つのサイズとしたAKQJT9ゲームの最適解さて、ここからは数学的な考察に入っていきましょう。このゲームにはサイズ分割があるので、Aで使うバリューベットのサイズを$b_{A}$、Kで使うバリューベットのサイズを$b_{K}$として考えます。前回の記事より、ある強いハンドをピュアにサイズ$b$でバリューベットするとき、相手のマージナルハンドをコールとフォールドのインディファレントにするブラフベット頻度は$\frac{b}{1+b}$でした。今回は用いるベットサイズが2種類あるため、Heroの最適な戦略は以下のようになります。Heroの戦略Hero(IP) の手札bet $b_{A}$ の頻度bet $b_{K}$ の頻度checkの頻度A100K010Q , J , T0019$\frac{b_{A}}{1+b_{A}}$$\frac{b_{K}}{1+b_{K}}$$1 - \frac{b_{A}}{1+b_{A}} -\frac{b_{K}}{1+b_{K}}$この戦略に対して、Villainは以下のように応答します。ここでは一旦、bet $b_{A}$に対するマージナルハンド(KからT)のブラフキャッチ頻度を$f_{1}$、bet $b_{K}$に対するマージナルハンド(QからT)のブラフキャッチ頻度を$f_{2}$と置きます。(具体的な値はこれから計算します。)Heroのbet $b_{A}$に対するVillainの戦略Villainの手札callの頻度foldの頻度A (1コンボ)10K , Q , J , T (4コンボ)$f_{1}$$1 - f_{1}$9 (1コンボ)01Heroのbet $b_{K}$に対するVillainの戦略Villainの手札callの頻度foldの頻度A , K (2コンボ)10Q , J , T (3コンボ)$f_{2}$$1 - f_{2}$9 (1コンボ)01ここで前回の記事より、Villainの最適なブラフキャッチ頻度は、Heroの弱いハンドがブラフベットするか諦めチェックするかのインディファレントになるような頻度でした。すなわち(Heroの9のbet $b_{A}$のEV) = (Heroの9のbet $b_{K}$のEV) = (Heroの9のcheckのEV)となればいいので、以下の式が成り立ちます。$$\frac{1 ・ (-b_{A}) + 4f_1 ・(-b_{A}) + 4(1-f_1) ・1 }{5} = \frac{2 ・ (-b_{K}) + 3f_2 ・(-b_{K}) + 3(1-f_2) ・1 }{5} = 0$$これを解いて$f_1 = \frac{4-b_{A}}{4(1 + b_{A})}$, $f_2 = \frac{3-2b_{K}}{3(1 + b_{K})}$となります。また、$1 - f_1 = \frac{5b_{A}}{4(1 + b_{A})}$, $1 - f_2 = \frac{5b_{K}}{3(1 + b_{K})}$となります。(後で使います)4. Heroのレンジ全体のEVを最大化させる$b_{A} , b_{K}$は?お互いの最適戦略が分かったところで、Heroのレンジ全体のEVを最大化させる$b_{A} , b_{K}$を求めましょう。前回の記事で、マージナルハンドと弱いハンドのEVは、Heroのベットサイズに依存しないことに触れました。よって最適な$b_{A} , b_{K}$は、A・K(バリューハンド)それぞれのEVを考えれば求まることになります。それでは実際にA・KのEVを計算しましょう。AのEVは前回のように計算できますが、KのEVについては注意点があります。それは、Kは相手のAに対してミスバリューを打ってしまう可能性があることです。それに注意して、HeroのAのEVを$E_{A}(b_{A})$、HeroのKのEVを$E_{K}(b_{K})$とすると、$$E_{A}(b_{A}) = \frac{4f_1・(1 + b_{A}) + (4(1-f_1) + 1)・1}{5} = \frac{1}{5} ((4-b_{A}) + \frac{5b_{A}}{1 + b_{A}} + 1) = \frac{1}{5} (5 + \frac{5b_{A}}{1 + b_{A}} - b_{A})$$$$E_{K}(b_{K}) = \frac{1・(-b_{K}) + 3f_2・(1 + b_{K}) + (3(1-f_2) + 1)・1}{5} = \frac{1}{5} (-b_{K} + (3-2b_{K}) + \frac{5b_{K}}{1 + b_{K}} + 1) = \frac{1}{5} (4 + \frac{5b_{K}}{1 + b_{K}} - 3b_{K})$$となります。$E_{A}(b_{A})$を最大にする$b_{A}$と$E_{K}(b_{K})$を最大にする$b_{K}$を、関数を微分してそれぞれ求めましょう。高校の数IIIで習う分数関数の微分公式を用いると、$$\frac{d}{db_{A}} E_{A}(b_{A}) = \frac{1}{(1 + b_{A} )^2} - \frac{1}{5}$$$$\frac{d}{db_{K}} E_{K}(b_{K}) = \frac{1}{(1 + b_{K} )^2} - \frac{3}{5}$$となります。$\frac{d}{db_{A}} E_{A}(b_{A})$と$\frac{d}{db_{K}} E_{K}(b_{K})$は、共に単調減少な関数なので、これらが0となるような$b_{A}$,$b_{K}$が最適なベットサイズです。これを解いて$b_{A} =\sqrt{5} -1 \approx 1.236$ , $b_{K} = \sqrt{\frac{5}{3}} -1 \approx 0.291$ となります。これが意味することは、Heroの最適なベットサイズは、Aの時がPot 123.6%、Kの時がPot 29.1%だということです。先ほどアルゴリズムの結果から、ナッツのAは、ピュアに大ベットを用いる。最適なサイズは120%から130%の間の、やや120%寄りの当たりにありそう。セカンドナッツのKは、ピュアに小ベットを用いる。最適なサイズは25%から30%の間の、やや30%寄りの当たりにありそう。と予想を立てましたが、見事にその通りになっていることが分かります。また、この時9のブラフベットの頻度は、Pot 123.6%が $\frac{b_{A}}{1 +b_{A}} \approx \frac{1.236}{1 + 1.236} \approx 0.553$Pot 29.1%が $\frac{b_{K}}{1 +b_{K}} \approx \frac{0.291}{1 + 0.291} \approx 0.225$となり、両方合わせても1を超えません。つまり、ブラフコンボは9だけで十分なので、Tまでブラフに回す必要はない、ということです。5. 実践でベットサイズ分割を行う際の注意ここまで、ベットサイズ分割が自身のレンジのEVを底上げする話をしてきました。しかし、これを本当のポーカーで実践する際には注意が必要です。このゲームでは、Villainにレイズ権がありませんでしたが、実際のポーカーではレイズされることがあります。安ベットのレンジにナッツクラスのハンドが一切含まれない場合、相手にそれがバレると、エクスプロイトで幅広くポラライズされたレイズを返されてしまいます。そうなると自身のレンジのEVは大きく下がってしまいます。よって、相手がレイズを適切に返せる上手なプレイヤーである場合、ナッツクラスのハンドを、一部安ベットに入れてバランスを取ります(特にOOPの場合)。まとめ今回も難易度の高い記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。本記事では、GTOの行うベットサイズ分割が、数学的な裏付けを持つ効果的なプレーであることを説明しました。結論を簡潔に要約すると以下のようになります。ベットサイズ分割を行う場合、より強いバリューハンドほど大きいベットサイズを用いるとEVが上昇する。ブラフハンドはEQの低い弱いハンドから選定し、各ベットサイズごとに適切な頻度でブラフをする(実践では、ブロッカーの良いハンドほど大きいブラフベットを選択する傾向あり。今回のゲームではブロッカーは無かった)。実践では相手にレイズ権があるため、ベットサイズ分割をするにしても、ある程度ナッツクラスのハンドを分散させてエクスプロイトされることを防ぐ必要がある。

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理論で学ぶポーカー#1 : AKQゲームで数学的に最適なバリューベットのサイズを探る考察

理論で学ぶポーカー#1 : AKQゲームで数学的に最適なバリューベットのサイズを探る

1. はじめにポーカーにおいて、バリューベットの適切なサイズを決めることは、期待値(EV)を最大化する上で非常に重要です。本記事では、シンプルな AKQ ゲームを題材に、バリューハンドの最適なベットサイズについて深掘りしていきます。2. AKQゲームとは?AKQゲームは、ポーカー戦略の基礎を学ぶために設計されたシンプルなモデルゲームです。さまざまなバリエーションがありますが、ここでは以下のルールに基づいて説明します。プレイヤー本ゲームは、Hero(自分側)とVillain(相手側)の2人で行います。カード使用するカードは [As], [Ks], [Qs] の3枚のみで、それぞれの強さは A > K > Q です。各プレイヤーには、これらのうち1枚がランダムに配られ、同じランクのカードが配られることはありません(スートも無視しましょう)。ポジションHeroは常にIP(インポジション)、Villainは常にOOP(アウトオブポジション) でプレイします。アクションいきなりリバーから始まり、最初にVillain(OOP)が行動します。その際、Villainは常にチェックを選択します。その後、Hero(IP)は、任意のベットサイズを選択する or チェックバックができます。2でHeroがチェックバックの場合、そのままショーダウンとなります。2でHeroがベットした場合、Villainはコール or フォールドの2択のみとなりレイズはできません。ポットサイズ初期ポットは1ですこのシンプルなゲームモデルを通じて、ポーカーにおけるベット戦略やレンジの考え方を学ぶことができます。3. 各手札ごとの戦略構築と純粋戦略まず、Hero・Villainごとに、各手札の最適な立ち回りをまとめます。Heroの最適な立ち回り① [As] 最強の手札のため、相手のKをターゲットに必ずバリューベットを打つ。② [Ks] Aには絶対コールされて負け、Qには降りられるだけなので、ベットすると損をする。必ずチェックする。③ [Qs] 最弱の手札だが、こちらのAのバリューベットと混ぜて、相手のKがちょうど悩むくらいの頻度でブラフベットを打つ。Heroにベットされた後の、Villainの最適な立ち回り④ [As]絶対に勝っているので、必ずコールする。⑤ [Ks]相手のAには負けているが、相手のQのブラフに降ろされすぎないように、適切な頻度でブラフキャッチする。(相手のQが、ブラフするかちょうど悩むくらいの頻度でコールする)⑥ [Qs]絶対に負けているので、必ずフォールドする。ここで、①・③・④・⑥は「必ず」とついている通り、最適なアクションが最初から決まっていて、100%の頻度でそのアクションを実行します。それ以外のアクションを選ぶと、上述の通り明確に損するからです。このように、アクション頻度が100%の戦略を「純粋戦略」と言います。この純粋戦略を間違えてしまうと、非常に大きなEVロスとなってしまうため、注意が必要です。さて、純粋戦略は変更のしようがないので、このゲームの最適解を考える上で重要なのは、③の「HeroのQのブラフ頻度」と、⑤の「VillainのKのコール頻度」です。③・⑤は、それぞれのアクションをどちらもバランスよく行うことが最適で、このような戦略を「混合戦略」と呼びます。もし適切なバランスを取らず、アクションが一方に偏ってしまうと、相手から戦略のエクスプロイトを受けることになります。以下で、そのエクスプロイトを具体的に説明します。③に関しては、HeroのQのベット頻度が高すぎるとブラフ過多となり、VillainはKのブラフキャッチコール頻度を100%にするというエクスプロイトを行います。逆にHeroのQのベット頻度が低すぎるとAのバリュー過多となり、VillainはKのブラフキャッチコール頻度を0%にするというエクスプロイトを行います。⑤に関しては、VillainのKのコール頻度が高すぎるとブラフキャッチ過多となり、HeroはQのブラフベット頻度を0%にするというエクスプロイトを行います。逆にVillainのKのコール頻度が低すぎるとブラフキャッチ過小となり、HeroはQのブラフベット頻度を100%にするというエクスプロイトを行います。それでは、③・⑤の適切な頻度は具体的にどう求めれば良いのでしょうか。次のセクションで説明します。4. 混合戦略の頻度とインディファレント混合戦略の最適な頻度を探るには、上の③・⑤の文章に出てきた「相手の〇〇をちょうど悩ませる」という言葉の正確な意味合いに言及する必要があります。ここで出てくるのが「インディファレント」という用語です。インディファレントとは、ある手札において、複数のアクション間でEVが等しくなっている状態のことです。これだけだと分かりにくいので、具体例を示します。例えば、ポットが100点の状態で、相手から100点のポットベットを受けたとしましょう。そうすると、コールに必要な金額は100点で、コールするとポットが100(ポット)+100(相手のベット)+100(自分のコール)=300点になります。すなわち、100点を支払って300点を得る勝負を仕掛けられているので、100/300 = 1/3がちょうど勝率となっている時、コールとフォールドの期待値が0で等しくなります。この状況を「コールとフォールドのインディファレント」と言います。一般的にインディファレントな状態にあるハンドは、バランスを取るために、それら複数のアクションが選択肢として残る傾向にあります。そして今回、③と⑤の混合戦略の内訳を決めるカギは、相手の特定のハンドがインディファレントになるように頻度を調整することです。具体的には、③HeroのQ は、villainのKが「コールとフォールドのインディファレント」になるベット頻度に調整します。⑤VillainのK は、HeroのQが「ベットとチェックのインディファレント」になるコール頻度に調整します。5. ベットサイズをPot 50%のみに限定したAKQゲームの最適解分かりやすさのために、このセクションでは、Heroのベットサイズをポット50%(0.5)に限定して考えてみます。《Heroの戦略》Heroは、Aを全頻度(1)でバリューベットし、Qを最適な頻度($f_Q$)でブラフベットし、相手のKのコールとフォールドの期待値が同じになるような戦略を取ります。VillainのKはコールした場合、以下のような利得になります。HeroがA(1コンボ) ... -0.5(コールに使った0.5を失う)HeroがQ($f_Q$コンボ) ... 1 + 0.5 (ポットの1と相手のベット額0.5を得る)そして、VillainのKはフォールドした場合、所持チップは増えも減りもしないので、利得は0となります。(Kのコール期待値) = (Kのフォールド期待値)より、これを数式で表すと、$$\frac{1 ・ (-0.5) +f_Q ・(1 + 0.5)}{1+f_Q} = 0$$ となります。これを解いて$f_Q =\frac{1}{3} $です。《Villainの戦略》一方Villainは、Kを最適な頻度($f_K$)でコールし、相手のQのベットとチェックの期待値が同じになるような戦略を取ります。HeroのQはベットした場合、以下のような利得になります。VillainがA(1コンボ) ... -0.5(コールされて負け)VillainがKでコール($f_K$コンボ) ... -0.5(コールされて負け)VillainがKでフォールド($1 - f_K$コンボ) .. 1(降ろしてポットの1を得る)そして、HeroのQはチェックした場合、絶対にショーダウンで負け、所持チップは増えも減りもしないので、利得は0となります。(Qのベット期待値) = (Qのチェック期待値)より、これを数式で表すと、$$\frac{1 ・ (-0.5) +f_K ・(-0.5) + (1-f_K) ・1 }{2} = 0$$ となります。これを解いて$f_K =\frac{1}{3} $です。以上をまとめて、HeroとVillainの最適戦略を整理すると以下のようになります。Heroの戦略Heroの手札Pot 50%の頻度checkの頻度A1 (100%)0 (0%)K0 (0%)1 (100%)Q0.3333 (33.33%)0.6667 (66.67%)Villainの戦略(Heroのbet 0.5 に対して)Villainの手札callの頻度foldの頻度A1 (100%)0 (0%)K0.3333 (33.33%)0.6667 (66.67%)Q0 (0%)1 (100%)6. ベットサイズを任意の1つのサイズ(b)としたAKQゲームの最適解全セクションでは、ベットサイズを0.5に限定して最適解を考えました。それと全く同様にして、ベットサイズをb(定数)とした最適解も考えることができます。先ほどの2式の0.5をbに置き換えると、$$\frac{1 ・ (-b) +f_Q ・(1 + b)}{1+f_Q} = 0$$ $$\frac{1 ・ (-b) + f_K ・(-b) + (1-f_K) ・1 }{2} = 0$$ です。これを解くと$f_Q = \frac{b}{1+b}$ , $f_K = \frac{1-b}{1+b}$ となります。以上をまとめて、HeroとVillainの最適戦略を整理すると以下のようになります。Heroの戦略Heroの手札bet $b$ の頻度checkの頻度A10K01Q$\frac{b}{1+b}$$\frac{1}{1+b}$Villainの戦略(Heroのbet $b$に対して)Villainの手札callの頻度foldの頻度A10K$\frac{1-b}{1+b}$$\frac{2b}{1+b}$Q01ここで$f_K = \frac{1-b}{1+b}$に注目すると、bが1より大きい時(Heroがポットオーバーのベットを打つ時)、$f_K$は負の値となり、おかしなことが起きることがわかります。これはどういうことでしょうか。一般にポットオーバーベットのブラフは、必要ブラフ成功率が50%を超えます。HeroがQでブラフする時、VillainはAかKを持っています。しかし、VillainはAを絶対に降りないため、ブラフ成功率が50%を超えることはあり得ません。すなわち、HeroはAKQゲームにおいてポットオーバーベットのブラフをするべきではない、という結論が導かれます。ブラフが存在しないのであれば当然バリューベットもそのサイズでは出来ないため、Heroはこのゲームでポットオーバーベットは用いることはありません。よって、以下では$0 < b \leq 1$として考えます。7. レンジ全体のEVを最大化させるHeroのベットサイズは?ここまでで、ベットサイズが任意の1つのサイズ(b)の時の最適解がわかりました。ここからが本題です。実はHeroのK・Qの期待値(EV)は、ベットサイズ(b)によらず変化しません。なぜなら、HeroのK...必ずチェックし、ショーダウンでAに負けてQに勝つので、50%の確率で1のポットを獲得。すなわちEVは常に0.5HeroのQ...相手のKのコール頻度により、ブラフベットと諦めチェックのインディファレント状態であるから、EVは常に0となるからです。すなわちベットサイズによりEVが変化するのはAの時だけで、Heroの最適なベットサイズとは、HeroがAを持っている際のEVを最大化させる額であることになります。では、ベットサイズがbの時の、HeroのAのベットEVを実際に計算してみましょう。$$(HeroのAのEV) = (コールされる確率)・(1+b) + (フォールドされる確率)・1$$コールされる確率は、相手がKを持っていて($\frac{1}{2}$)、かつコールを選択する($\frac{1-b}{1+b}$)時なので、その積で$\frac{1}{2}\frac{1-b}{1+b}$です。これを$P(b)$とおくと、$$(HeroのAのEV) = P(b)・(1+b) + (1-P(b))・1 = bP(b) + 1 = \frac{1}{2}\frac{b(1-b)}{1+b} +1$$となります。定数部を除けば、$\frac{b(1-b)}{1+b}$が最大となるbを求めれば良いのです。$$\frac{b(1-b)}{1+b} = \frac{-b(1+b) + 2(1+b) -2 }{1+b} = 2 -(b+ \frac{2}{1+b}) = 3 -((1+b) + \frac{2}{1+b})$$となるため、相加・相乗平均の関係より、 $1+b = \sqrt{2}$、すなわち$b = \sqrt{2} -1 \approx 0.414$ の時に$\frac{b(1-b)}{1+b}$は最大値$3-2\sqrt{2}$を取ります。これが意味することは、Heroの最適なベットサイズは、AのEVを最大化させるPot 41.4%だということです。ポーカーのことを考えていたはずなのに、なぜかベットサイズにルートが出てきました。不思議ですね。また、今求めた最大値を元の式に代入すると、$$(HeroのAのEVの最大値) = \frac{1}{2} ・(3-2\sqrt{2}) +1 = \frac{5}{2} - \sqrt{2} \approx 1.086$$となります。ベットができなければAのEVは1となるので、HeroがIPであることが、ちゃんとレンジ全体のEV上昇に貢献していると考えることができますね。8. まとめ難易度の高い長い記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。本記事では、Heroのベットサイズが期待値(EV)に与える影響について考察しました。結論を簡潔に要約すると以下のようになります。AKQゲームは簡略化されたポーカーで、これを詳しく考察することで、実践のポーカーで用いる様々な理論を習得できる。バリューハンドには、相手からレイズされない条件下において、EVを最大化する最適なベットサイズが存在する。AKQゲームの分析を通じて、ポーカーにおけるベットサイズの選択とGTO(Game Theory Optimal)戦略の考え方を深く理解することができます。次の記事では、より複雑な状況下でのベットサイズの最適化や、実戦での応用方法について考察していきます。https://pokerqz.com/blog/theoretical_poker_2

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